降伏しなかった日本兵
8月15日に日本が降伏して第二次世界大戦は終わったとされているが、兵士たちにとって実際に15日で終わったわけではなかった。軍隊組織は温存されており、上官の命令に従わされる状態は続いた。だから中国では多くの日本兵が終戦後も八路軍と戦わされた。南方でもアメリカ軍の捕虜とならず戦い続けさせられた兵士はたくさんいた。15日以後に出撃した特攻隊もあった。兵士にとって終戦は単純なものではなかったのである。 南方戦線のように組織が壊滅したような所でも、投降するのは簡単ではない。いきり立ったゲリラ兵が米軍の制止も聞かず投降者を撃ち殺す事例はいくつもあった。日本軍は手を上げて出てきた敵兵を平気で射殺していた。『生きて虜囚の辱を受けず』という先陣訓は捕虜の扱いの常識となっていた。敵前逃亡として日本軍から撃たれることもある。投降するには相当な決心が要ったのである。 1960年になって、終戦を知らずに..
2018/04/30 17:48