坂本龍馬異論
昨今の評価では、明治維新と言えばすなわち坂本龍馬の活躍となる。坂本龍馬は完全に英雄視され、いかに偉大な人物であったかの逸話には事欠かない。しかし、実はこれは70年代80年代からの現象でしかない。それ以前には坂本龍馬の名前はここまで有名なものではなかった。 実際、坂本龍馬が明治維新で何をやったかというと定かではない。薩長連合を作ったのは龍馬だと言うが、薩摩長州を代表して決断したのはあくまでも木戸孝允であり、小松帯刀だったし、薩摩の藩論をまとめたのは西郷・大久保だった。長・薩・幕の3すくみになれば薩長の連合はいわば自然の成り行きでもあるし、奇想天外な発想ではない。薩長の連合を説いた人は龍馬に限らず大勢いた。 海援隊と言う組織を立ち上げたことも龍馬の事跡だが、海援隊は高々30名のもので、明治維新に果たした役割は大きくない。日本海軍へも伝統は何等引き継がれていない。幕府の海軍練習所の残..
2018/01/22 21:37