731部隊とHIV感染

731部隊とHIV感染

日本でのHIV感染・エイズは血液製剤から始まった。血友病患者に投与した血液製剤にHIVウイルスが含まれていたからだ。危険を知りながら売り続けたミドリ十字という会社の悪質性が問われ、さらにこの会社に731部隊関係者が多かったことが知られている。人体実験をいとわない残虐性から、さもありなんと思われるのだが、どういった経緯で731部隊がHIV感染を引き起こす血液製剤に結び付いたかは、あまり語られていない。ミドリ十字に731部隊関係者が多かったのは偶然ではない。 戦争での兵力の損傷は敵の弾に当たるだけではない。日清戦争の統計が明らかにされているが、戦死1417名に対して戦病死が11894名もある。体力を消耗した状態で伝染病に罹患することが多かったからだ。伝染病は敵の弾より怖かった。だから清涼な飲料水を確保して防疫に勤めることは作戦上きわめて重要なことであった。そのために軍隊には軍医部とは別に..