人間魚雷 回天の悲劇

人間魚雷 回天の悲劇

第二次世界大戦中、大日本帝国は人間魚雷回天を使った攻撃を行った。イスラム国同様の自爆兵器である。搭乗員は志願して出撃したのだから、死ぬこと自体は必ずしも本人の意に反することではなかったかもしれない。しかし、全く無駄な死に方をしなければならなかったのは悲劇である。 魚雷は多量の爆薬を積み、一発で巨艦を沈めることができる強力な武器だが命中率が低い。瞬時に敵艦に届くわけではなく、何分後かの敵位置を予測して発射するしかないし、接近を探知すれば急旋回をしたり砲撃をしたりして魚雷を避けることも出来るからだ。もし、人間が操縦しておれば、軌道修正して確実に命中することができる。敵空母の数隻も沈めれば形勢は一挙に逆転する。そういった軍の安易な発想を現実にしてしまったのが回天である。 実際には目論見どおりに行かなかった。148基の回天が出撃したが、99基が母艦とともに沈没したり、整備不良で発進でき..