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  • アドレセンスを見たので感想〜弱いサイクルと先験主義の時代〜

    ※ネタバレありです。けど本作品はネタバレを見てから視聴したほうが良いかもしれません。 ネットフリックスで話題になっているアドレセンスを見た。 ごく一般的な家庭で育った少年(ジェイミー)が同級生の少女を殺害して逮捕される話である。 ドラマの主題はインセルの言説に毒された少年である。一般的な少年がインスタグラムなどのSNSを通じて先験的に女性嫌悪を募らせ少女を殺害してしまう物語だ。 最初見た時にこれはサスペンスなのかと思っていた。第一話でドラマが始まるとすぐにジェイミーが逮捕されるのだが、逮捕されて警察官に調書を取られる際、「僕はやっていない」と容疑を否認していた。その後、警察官から犯行の証拠とな…

  • トランプ現象がどこか羨ましい

    おひさしぶりになってしまいました。誰か見てくれてるかな。またちょいちょい書いていきます。 トランプ政権のことについてです。 以下本文 トランプ政権の保護貿易で関税がころころ変わり株価が乱高下している。 巷では世界恐慌になるのではないかと分析されていたり大変な状況になっている。 一般的に保護貿易はアメリカ自身の首を絞めることになると言われているが、おそらくアメリカがやろうとしていることは保護ではなく「巻き戻し」なのであろう。 これまでの資本主義はグローバリズムという観点から見ると基本的には一直線に進んできた。 エネルギーや技術を相互に提供しあい、比較優位の原則に従って各国が協力しあうというものだ…

  • トランプはやっぱりやばいのでは

    トランプが大統領に主任して以来、世界がきなくさくなってきている。 グリーンランドやパナマをアメリカの領土にする、メキシコ湾をアメリカ湾へと呼称変更する、呼称変更に応じなかったAP通信にたいして取材拒否、USAIDの解体、その他政府機関の人員大幅削減、パリ協定の再離脱、なによりロシア・ウクライナ戦争にたいする対応 かつてのトランプ政権でも大言壮語を言ってはいたものの、そこまで大きな変化は起きなかったと記憶しているが、今期のトランプ政権は就任一か月そこらでこれまでのアメリカ像を根底から否定してみせるようなことばかり行っている。 USAIDの解体にしても世界のトップを走る国の責務としてこれまでは途上…

  • 人は変わるというシンプルな話

    マッチングアプリに絶望した増田 anond.hatelabo.jp についたブコメ まず女を人生をひっくり返す魔法のカードと思うのをやめてもろて この言葉の前提になっているのは「自分を変えるのは自分」という考えだと思うけれど、「自分を変えるのは自分」はそんなに確かなことではないんじゃないかな。 思い出すのが恐山院代を務めながら独特な言論を展開している南直哉さんの言葉で、南さんはことあるごとに「人は自らが望んで生まれてきたわけではない」と書かれている。この言葉は単純に解釈すれば反出生主義のような悲観論に繋がりかねないので警戒しなければならないけど、見方を変えると自分を取り巻く環境を変えることで自…

  • ステイホームは終わっていない

    最近の報道を見てるとリスクヘッジとして女性を飲み会に誘うことが少なくなっていきそうではあるけれど、思い出すのがコロナ禍でジョルジュ・アガンベンが炎上していたことである。 アガンベンはコロナ禍で各国が外出を禁止するなど緊急事態宣言を発令したこと、そして生きることが至上の価値となったことを疑問視していた。通常の国家運営では議会が憲法に則り、デュープロセスを踏みながら政策を立案・施行する。それが「通常状態」であるが、憲法に明記されている移動の自由・集会の自由を超法規的に制限することを「例外状態」と呼び、その例外状態に従うことは危険であると述べて炎上していた。 アガンベンの主張は当時では受け入れがたい…

  • フジテレビの記者会見を見た

    昨日フジテレビで放送されていた記者会見を見ていたのだけど、結局のところ何が問題なのかよくわからなかった。 事の経緯を整理すると 文春が中居さんとA子さんの間で性的なトラブルがあったと報じる。A子さんがフジテレビのプロデューサーに誘われ会食に赴いたところプロデューサーの姿はなく中居さんと二人っきりになりそこでなんらかの被害に遭ったA子さんはPTSDを発症、後に退職。 このトラブルに際し中居さんがA子さんに9000万の示談金を支払った。それが去年12月に騒動の発端となった文春の初報である。 そして本日、文春は記事を訂正。プロデューサーがA子さんを誘ったという事実はなく中居さんがA子さんを直接誘った…

  • 選択的メディア別姓

    フジテレビが大変な騒ぎになっているけどなんとも言えない気分になるのはメディアの覇権がSNSにとって代わると滝沢ガレソやひろゆきみたいなインフルエンサーだったりネットに適応したノイジーマイノリティーの影響力が強くなることが理由なのだけど、だったら少なくとも社員研修があって倫理規定や放送法に縛られているフジテレビのほうが「マシ」なのではないかと。 近頃オールドメディア対ネットメディアという図式があらゆるところで散見されるけどこの問題の答えは自分の中で出ていて明らかにオールドメディアのほうが健全だと考えている。 まずもってネットは玉石混合であるがゆえに評価を下すことができない。良いチャンネルもあるし…

  • 石丸伸二と無人社会

    石丸伸二(敬称略)の記者会見とリハックの対談動画を見たのだがなにか妙な違和感を覚えたので熱が冷めやらぬ内に言語化したく記事を書いてみる。 石丸伸二を見ていて思うのは石丸伸二が石丸伸二である必要が果たしてあるのか、ということだった。石丸伸二はよく分析やアルゴリズムという言葉を使っていて、どこをどういじったら社会はこうなるといった計算に長けている人物だという印象を受ける。政治的な課題にたいして適切なアーキテクチャーを構築して実装すれば人々や経済はこう動くという分析的な発言がしばしば見られる。例えば都知事選の時には東京一極集中を是正して多極分散すべきと主張していたことがわかりやすい。東京は地方から若…

  • 昨年の感想的な

    あけましておめでとうございます。去年は最もブログを書かなかった年になってしまいました。今年はどうなるかわかりませんが去年よりはさすがに書いていきたいと思ってます。よろしくお願いします。 とりあえず昨年感じたことでもざっくり書いていきます。 振り返ると昨年は世間が真っ当な方向に向かっているのではないかと感じた年だった。若者の手取りを増やすよう主張している国民民主党が野党支持率一位になり、兵庫県知事選でも結果としてだがマスメディアの影響を国民が無視できた形になった。以前のように自己責任を唱える人も減った。フェミニズムの影響力も減衰してきて表現が燃やされるといった事例もとんと見なくなった。世間は忘れ…

  • 「清濁併せ飲む」は実質がなくなっていくのではないか

    この前ラジオを聴いていたのだが、なにやら中学受験が話題になっているみたいである。 そもそも中学受験は必要なのかから始まり、中学受験は親のエゴではないか、子供の感受性を伸ばす時期に受験勉強させるのは間違っている、子供にストレスがかかり不登校になったり時には最悪の事態になるケースもあるなどが主だった論点だろうか。 前提として子供に何を与えるのが正解なのかよくわからないということがあるのだけど、それにしても小学生の頃から受験競争に参加するのはすこし異様に見えてしまうところがある。小学生というと一応は自分の意志を持つようになる年齢と言われることが多い。しかし自分が小学生だった頃を思い返すと自我と呼べる…

  • 兵庫県知事選についてのあれこれ

    こんにちは すこし書くタイミングを逸してしまった感があるが兵庫県知事選がすごいことになっていたので思うところを書いておきたい(すこし長いです) 兵庫県知事選は選挙前は斎藤元彦氏が再選するはずがないという下馬評だったが蓋をあけてみれば稲村和美氏に20万票の差をつける圧勝で幕を下ろした。その衝撃が冷めやらぬ中、選挙後に斎藤氏の選挙公報を担当していたとされるPR会社merchuの代表取締役である折田楓氏がnoteに公選法違反とみられる内容の記事を掲載し目下炎上中となっている。斎藤知事が公選法に違反していたとすればやりなおし選挙にもなりかねないと言われているが、そのへんの話はさておき個人的に気になった…

  • アメリカ大統領選が終わったのでリベラルについてすこし

    アメリカ大統領選に関して一般に言われているのがリベラルの敗北ということだけど「西海岸の綺麗事」は世界に波及こそすれ自国内の支持を得るのは難しかったようである。 思い出すのがカズオ・イシグロさんが「リベラルは横のつながりしか持っていない」と述べていたことだった。リベラリストは世界のどこにいっても階級的に同質な人々と付き合っているため、グローバルな視野を持っていると自覚しながら実のところ極めて狭い人間関係の中にいるという指摘である。随分前の話ではあるけど今回のアメリカ大統領選でも2016年の大統領選挙をなぞるかのような結果になり、カズオ・イシグロさんの指摘からなにも変わっていない結果となった。 違…

  • 世代間論争を見ていて

    衆議院選挙が告示されたということでいろいろな問題が争点になっているのだけどその中のひとつに社会保障費の増大がある。いわく現役世代の社会保険料が上がり続けているが高齢者医療の自己負担率は低いまま(一定の所得がある人以外は1割)だというものだ。他にも年金制度の持続はもう不可能で今の若者がその「そしり」を受けることになる、という話もよく聞く。単純に貯蓄額の世代間格差なんてものもある。 この格差と絡める形で若者は可処分所得がなく、結婚することが難しくなっていてそれが少子化を加速させていると言われる。また、近頃頻発している闇バイトであったり大久保公園のたちんぼをひきあいにして若者の貧困が進んでいるという…

  • 「詩人は天空の中に頭を入れようとする。論理家は頭の中に天空を入れようとする」

    最近、なにをどのように考えていたのかわからなくなってきたところがあり、昔見た漫画・映画・本を読み返しています。ドラゴンボールやドラえもんの映画を見たり、ドカベンや銀河英雄伝説を読んで、アイアムサムやファイトクラブを見て、銃・病原菌・鉄を読んだりしています。ひとつ思ったのは昔読んだ本や映画を見るのは「捗る」ということだった。新しい本やアニメは刺激的ではあるのだけど、いろいろ考えさせられて疲れてしまうところがある。それに比べ一度見たものは物語の導線を知っているのですんなり頭に入ってくる。すんなり入ってくるのだけど歳を取ってから見ると新しい発見もあったりして大変おすすめです。 そうして読み返した本の…

  • 嘘なのか正義なのか

    良い記事だった。 digital.asahi.com 自分がブログをあまり書かなくなった、いや、書けなくなった理由も似たようなものかもしれないと思った。 リベラルどうこうという話もそうなのだが、言葉を尽くしても体を成さないみたいな感覚がけっこう前からある。記事にあるようにネット言論はそれぞれがエコーチェンバーの中に閉じこもりカルト化しているため、政治的なことを書いてもそれは消費されるだけ、という側面ももちろんあるが、それ以上に社会全体が巨大なフィクションの繭で覆われている印象を受ける。 星野さんがリベラル界隈にたいして「遠慮」していたことと同じことがありとあらゆるところで起きていて、誰も本当の…

  • 許すとか許さないとか・・・

    ふわちゃんがXに暴言をポストして出演番組やCMをカットされる事態になっているのだが、それにたいするネット上の反応を見てモヤモヤしたのですこし書いていきたい。 騒動があってから数日してふわちゃんはネタで書いたポストを誤って投稿したと釈明していた。僕も昔、友人に似たようなことをされたので自分の意志とは関係ないものが投稿されるのはなくはないのだと思うが、ネット上では苦しい言い訳として誰も信じていないようだ。仮にネタでなかったとしたらお笑いの文脈を読み違えたか、裏垢と間違えたか、あるいはやす子さんのことが素で嫌いだったかのいずれかであろうか。どの理由が本当の理由だったかはよくわからないし、理由がわから…

  • 「分断の時代」は本当なのだろうか

    「分断の時代」みたいな話をもう随分前から耳にする。僕もそうなのかなとは思うけれど、他方でみな一様になっている気がしないでもない。同調圧力という言葉もあるけど、圧力に屈して同調するというよりもなしくずし的な諦観によってみんな同じような「感じ」になっている印象を受ける。というか、みな一様になりすぎてむしろ分断したいのではないかと。最近はそんなふうに見えてきた。 今の時代、なにかおかしなことをSNSに投稿してそれに賛否が集まることを分断と呼んだりする。しかしながらそれをインターネットに投稿する「様」はみんな同じでスマホに指を走らせてるだけであったりする。どのような思想的な差異があろうとも外形的に見れ…

  • 「石丸伸二論」を見ていて

    石丸伸二氏に関する論評がメディアを駆け巡っている。僕は都知事選の最中はそこまで追っていなかったので後追いになってしまうのだが、選挙後に石丸氏のYoutubeや政策を見ているとなにかアニメを見ているような気分になった。そしてそれが彼が支持を集めた理由なのではないかと。 石丸氏がYoutubeをきっかけに人気が出た発端となった動画だと思うのだが、安芸高田氏の市長を務めていた時に同市議会議員にたいして石丸氏が「恥を知れ、恥を」と言った動画がある。既得権益に切り込む優秀な若い市長、といったイメージを決定づけることになった動画だと思うのだが、これをはじめて見た時に感じたのがよくこんなアニメみたいなセリフ…

  • リベラルは何故負け続けるのか、という話はお腹いっぱい

    都知事選が終わった。結果としては小池百合子氏の当選で終わったわけだが、結果以上に注目されたのが立憲民主党と共産党に推薦されていた蓮舫氏の得票率の低さ、そして石丸伸二氏の躍進であった。 蓮舫氏の敗因は過激化した左派活動家が足枷になったことだと言われているが、市民から敬遠されるリベラル左派というのはもう10年以上前から指摘されていることである。 反権力を謳い自民党との対立軸を打ち出して改革派だという認識のもと選挙を戦っても政策の中身が世間が争点にしてほしい問題とはいつもズレていた。国政でも夫婦別姓やLGBTの問題を取り上げて経済問題が二の次であるかのような印象を国民に与え、今回の都知事選でも神宮の…

  • コロンブスと目録的政治観

    コロンブスのMVが炎上しているみたいで僕も見てみた。 MVを見るとコロンブスが類人猿を従えてるように見えて、コロンブスの悪行を知る人からすれば憤慨するのもわからなくはなかった。僕はコロンブスの知識がアップデートされていなかったので海を渡って新大陸を開拓した人ぐらいの認識だったため、おそらく炎上していなければ趣味の悪いMVだなという程度の認識だったように思う。猿が人力車を引いているシーンはコロンブスのことを知らなくても不快に思う人はいるだろう。音楽は終始陽気な雰囲気であるうえコロンブスに扮したボーカルの人は楽しそうである一方、猿を従えて労働させているという点ではかなりシリアスな表現を含んでいるた…

  • 「ちゃんとしたチャイルドシート」について

    こんにちは。本題とは関係ないですが自分のブログをPCのブラウザで開いたら広告がすごいことになってたので数年振りにテンプレートを変更してみました。はてなブログPROが期限切れになっていたのが原因かもしれませんが、PCでブログを読む人もあまりいないと思うので治らなかったら治らなかったということで。 さておき、この前、知人の出産祝いでチャイルドシートを購入する機会があったのですが、その時に感じたことを書いていきたいと思います。 なんというか子供にたいする視座は「こういうことか」と考えずにはいられなかった。 チャイルドシートを送る時にはじめに考えることは「子供の安全に関わるものだから生半可なものを送る…

  • メリトクラシーの結果としての推し、そして弱者男性論

    弱者男性論に関する記事を読んだ www.ben54.jp 男性は差別されているのではなく排除されていると書かれていて、どうなのかと思ってしまった。確かに男性と女性では抱えている問題が違い、位相が異なる問題を同じ言葉で表すとそれぞれが抱える問題にたいする焦点がぼけてしまうのはその通りだと思うのだけれど、なんというかこういう「細部の違いを理解しよう」という態度が通用しなくなっていることが弱者男性論の根っこにあるのではないだろうか。 すこし前にメリトクラシー(能力主義)が話題になった時にも思ったけれど、能力が社会的地位や経済力と結び付きすぎると能力のない人間もとい収入が低い人間は安かろう悪かろうとい…

  • フェミニズムについて

    草津の件がまた話題になっていたのでひさしぶりにフェミニズムについてです。 現代フェミニズムとはいったいなんだったんだろうか・・・ 「草津町に来て謝るべきでは」虚偽認定された性交渉証言に苦しんだ黒岩信忠町長の怒り㊤ - 産経ニュース 「世の中はひどい…言われっぱなしだ」性交渉証言に苦しんだ黒岩信忠草津町長の怒り㊦ - 産経ニュース 草津やオープンレターの件からずいぶん経つけれどいまだに話題になっている。 私たちは、研究・教育・言論・メディアにかかわる者として、同じ営みにかかわるすべての人に向け、中傷や差別的言動を生み出す文化から距離を取ることを呼びかけます。 「距離を取る」ということで実際に何が…

  • 政治的なことは政治的なこと~りりちゃんの獄中日記を読んで~

    いただき女子りりちゃんの獄中日記を読んでいたら「なにもない」というエイズに罹り亡くなられたソープ嬢のブログを思い出した。 nanimonai.cocolog-nifty.com ●●●●●●●●●●●●(※判別不能)苦しい苦しい苦しい。今、東海テレビ(フジテレビ?)宛に、自分の手記を書いてるけど苦しい苦しい苦しい. 書いてて苦しい. 思い出して苦しい. 自分の生い立ちをわるかったものとして(それが原因で私はこうなりましたって)かくこと、苦しい.… pic.twitter.com/7oZBvD7WSv — りりちゃんはごくちゅうです (@inu2narenakatta) 2024年4月1日 悲し…

  • 日本保守党がこれからくるのかもしれない

    リハックで東京15区の候補者討論会が配信されていたので見ました 衆議院議員補欠選挙・東京都第15区(2024) なんで立候補したんですか?【ネット討論会】 (youtube.com) 立憲民主党の酒井菜摘さん以外全員参加で社会保障・憲法改正・議員の待遇・裏金問題などいろいろなテーマについて話していた。 具体的な内容については討論の内容についてまとめられてるPDFがあるのでそちらを見てほしいのだけど、番組を通して見た感想としては日本保守党以外すべてリベラルなのではないかというものだった。参政党やつばさの党のスタンスはいまいちはっきりしないものの、他の候補者は元自民党の議員だった秋元さん含め、総じ…

  • 『人間はどこまで家畜か』読みました

    はてな界隈で知らない人はいない熊代さん(通称:シロクマ先生)の著書『人間はどこまで家畜か』読みました。 進化心理学やアナール学派の知見を用いながら文化や環境が社会にどのような変化をもたらし、その環境が人間にたいしどのように作用しうるのかを、精神医学的な分析も交えながら論じたものとなっていて、シロクマさんにしか書けない本ではないだろうか、というのが読み終わった印象だった。 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書) 作者:熊代 亨 早川書房 Amazon 長年、ブログを読んでいるとシロクマさんは適応の問題を常に考えていることがわかる。社会と人間のズレ、その摩擦が起こす不協和音にたい…

  • 選択肯定の行方:自由と楽しみのはざまで

    はてなブログに「AIタイトルアシスト」という機能が実装されていたので使ってみました。本文を書くと内容から推測して勝手にタイトルをつけてくれる。すごい。もう全部これでいいのでは。10個ぐらい候補が出てきてその中で最もらしいのを選んでみましたがなにか大仰なタイトルになってしまった。内容は別にそんな大した話ではないです。 以下本文です。 以前、古市憲寿さんが『絶望の国の幸福な若者たち』の中で「選択縁社会」と書いていたことを思い出した。 選択縁社会というのは、個人主義によってかつてのような地縁・血縁による自明的な繋がりが崩壊した社会にあって、個人の選択によって何を縁とするかをぞれぞれが選択するようにな…

  • 若者が出稼ぎに行っている件と横丁の蕎麦屋について

    若者が海外に出稼ぎに行っている件 www.nikkei.com オーストラリアは実際に住むとなると住宅価格や医療費が日本より高いため単純比較することはしないほうが良いと思うけれど、ワーホリと同じような労働形態で言えば日本では自動車の製造ラインに従事するいわゆる期間工がそれにあたり、調べたところTOYOTAが出している期間工の給与が30万前後であるため、福利厚生を考慮したとしてもやはりオーストラリアとは格差があることになる。最近だと熊本の半導体工場の求人が時給3000円と話題になっているけれどTSMCが台湾の会社であることを考えると実質的には海外で働いているのとあまり変わらない。北海道のニセコも…

  • 失ったのは他人ではないだろうか

    黄金頭さんが寄稿された記事を読んだ blog.tinect.jp 人類は無益な不幸をこの世に積み重ね、繰り返す必要はない。人類は苦しみの総量を増やすべきではない。人々が新しい不幸を増やさないようになって、この地上からいなくなってしまうのがよい。 これが、シロクマ先生の「未来を考えてみませんか?」という問いに対する、あまり模範的ともいえないおれの回答ということになる。おれはこう考えた。 ぜひ、『人間はどこまで家畜か』を読んで、自分の価値と家畜さと人類の未来について考えて、発表してほしいと思う。 現実でもインターネットでもあまり「人生」という言葉を使わないように気を付けている。人生、と言い出した瞬…

  • 裏金問題を見ていて

    こんにちは 株価(日経平均)が過去最高値を更新、内閣支持率が過去最低になるというなんとも捻じれた状況を見ていてちょっと思うところがあったので書いていきます。 通常であれば株価が上がり経済が豊かになれば国民の生活が楽になり政治への関心が薄れ政権も安定するものと考えられているが、現状、そうはなっていない。 まず経済が豊かになっているというのが嘘で、インフレ率や物価上昇率を加味した実質賃金は下がり続けている。 11月実質賃金3.0%減、20カ月連続マイナス 特別給与減響く=毎月勤労統計 ロイター したがって国民の生活も楽になっていないので政治にたいするフラストレーションが溜まっている。そうした状…

  • なぜ子供だけが残ると思うのだろう

    新たな形の性淘汰がそこまできているのではないか、という感じを最近いろんなところで思うことがある。 去年7月に不同意性交罪が施行され、最近、同法案のもとに逮捕されたというニュースがあった。 news.yahoo.co.jp どのようなやりとりで行為に至ったのかはよくわからないので個別のニュースにたいしどうこう言うつもりはないのだけれど、不同意性交罪であったり、芸能人の性加害疑惑に、最近だとアイドル文化などをいろいろ総合して見るともう余計な性行為はするなと社会全体がアナウンスしているような印象を受ける。 上掲記事の件にしても今のところ大人の男女二人がホテルに行った時点で、特別な理由(酒に酔って酩酊…

  • 言語ゲームのパラドックス

    最近、言語化という言葉をよく耳にするようになった。解像度が高いなども同様に。 ソーシャルメディア全盛の時代に言葉の威力が増しているため、言語化能力に注目が集まるようになったのかもしれない。 けれど言語化がうまいをポジティブな意味だけで使うのはどうなのかと思う時がある。一口に言語化と言っても詐欺や詭弁も一種の言語能力であって、その場合、ネガティブな意味で解釈しなければおかしなことになるが、どうも最近、言語を無邪気に肯定するというか言葉にたいする警戒心が薄れている感じがしている。 人間、言葉ではなんとでも言える。言葉ではなく行動を見よ、と昔から言われている。しかし言葉だけで成立するSNSが世の中を…

  • 震災を契機に移住は難しいのでは

    震災復興に関して復興ではなく移住を、と米山さんが書いていた 非常に言いづらい事ですが、今回の復興では、人口が減り、地震前から維持が困難になっていた集落では、復興ではなく移住を選択する事をきちんと組織的に行うべきだと思います。地震は、今後も起ります。現在の日本の人口動態で、その全てを旧に復する事は出来ません。現実を見据えた対応をと思います https://t.co/1rVQ6hDk1N — 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) 2024年1月7日 togetter.com おそらく移住は難しいのではないかと思う。 人口動態から見てインフラの維持が困難になるのは様々なところで指摘されて…

  • 松本人志の件がよくわからない

    松本人志(敬称略)の件が大騒ぎになっているのだけど、いまいち何が問題なのかが見えてこない。 後輩芸人が松本に女性を「献上」しているという報道があるけれど、直接的にレイプされたというわけではないようである。また、一般の女性であれば松本が権力の勾配を利用して性行為に及んだとは言えない。伊藤詩織さんのように酒を飲ませられたという報道も今のところない。有名芸人である自身の立場を利用し、女性を「ひっかけていた」ということであれば、「キモイ行動」であるし、社会通念的には批判されてしかるべきであるが、だからと言って罪と断定できるようなことではない。自身の地位を利用する形で性行為に及ぶ人はいくらでもいる。 ま…

  • 「コミュパ」という言葉がこれから出てくるのではないか

    芸能人が失墜する件が話題だけど、芸能人の権威がなくなる時代、というよりもなにかみんな芸能人みたいになってきたなと感じることがある。芸能人と言わず配信者やYoutuber、有名人でも呼び方はなんでも良いのだけど、人に見られている前提のふるまいを常に要求されている感を持っている人がわりといるのではないかと思うことがある。ひと昔前で言えばキョロ充というやつで、もっと古臭く言えば空っぽな日本人がそれにあたると思うけれど、こうした過ー受動的な傾向は近年、強くなってきているのではないだろうか。コミュニケーションの取り方にしても喋っていることがデフォルトで間があると困る人であったり、隙間時間があればスマホを…

  • 災害でパニックになっているのはどこか考える

    あけましておめでとうございます、と言えるような年明けにはならなかったですが、とりあえず、あけましておめでとうございます。 能登半島で起きた地震にたいして切り込み隊長(古い)が記事を書いていた note.com これを読んで思い出したのが災害ユートピアだった。災害ユートピアはいわゆるスクラップアンドビルド的な話で、災害によってそれまでの生活様式が崩壊すると人々は相互扶助を構築し、手を取り合うようになるというものである。 定本 災害ユートピア――なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ 作者:レベッカ・ソルニット 亜紀書房 Amazon 文明が発達すると個人…

  • なんだかよくわからないが

    良いお年を(*´ω`*)

  • 官製マッチングアプリと自己完結的淘汰

    東京都がマッチングアプリを提供するみたいです 東京都が24年度にマッチングアプリ提供開始、運営は民間に委託-報道 - Bloomberg 自治体による婚活支援事業は特段珍しいことではなく、街コンなんかは市区町村が主催しているところもあるので東京都がマッチングアプリを提供するのも不思議ではないのだけれど、しかして、「そういう問題なのか」という気がしなくもない。 個人的に街コンにも行ったことがあるし、マッチングアプリも使ったことがあるのだけれど、特にマッチングアプリに関して言えば、男性側から見るとあれはやればやるだけ恋愛から退却していくことになるツールではないかと感じた。 マッチングアプリでは年齢…

  • 「ホスト狂い」の社会的要因を考えてみる

    こんにちは。生きてます。 広域強盗の件もそうだったけど立ちんぼといい、だんだん東南アジアみたいになってきてる感が・・・ www.dailyshincho.jp 女子高女子大育ちのお嬢さんが風俗に沈められたというニュースもあった。 女子高女子大で大切に育ててきた娘が社会に出た瞬間にホストに捕食されて風俗に沈められた親辛いなこればっかりは各家庭で社会に出る前に防御法を学ばせるしか… pic.twitter.com/rm8qOPIF6w — ゆるふわ怪電波☆埼玉 (@yuruhuwa_kdenpa) 2023年10月23日 この手の話は昔からゴシップ系雑誌の恰好のネタで、お金に困り風俗で働くようにな…

  • 弱者男性合コンを見たのだが

    弱者男性合コンなるものをすこし見た。たぬかな氏主催。弱者男性を集めて合コンしそれを配信するというものだ。 www.youtube.com けっこう話題になっていて「参加者は真の弱者ではない」みたいな話も出てるけれどそれは差し当たりどうでも良く、内容はともかくとして、たぬかな氏が参加者(弱者男性)を呼んでインタビューする様子が配信されていたのだが、目の前の人間を「弱者」と呼んでいるシーンがあり、それにすこし面喰らってしまった。参加者は弱者を自称しているのでその人のことを弱者と呼ぶのは当然ではあるのだが、日常生活で人のことを弱者と呼ぶ場面に遭遇することはほとんどというかまったくない(ネタとしてなら…

  • 何故トランスジェンダーの議論は終わらないのかを考える

    最近またトランスジェンダーの問題が議論になっているようでいろいろ見ていた。 トランスジェンダー性別変更、生殖不能の手術要件は「違憲」 最高裁:朝日新聞デジタル トランスジェンダーが戸籍上の性別を変えるのに、生殖能力を失わせる手術を必要とする「性同一性障害特例法」の要件が、憲法に違反するかが問われた家事審判で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は25日、要件は「違憲」とする決定を出した。 最高裁が違憲立法審査権を行使するのはかなり珍しいみたい 「女性スペース守れ」有志デモに罵声 新宿 - 産経ニュース 女性トイレや更衣室など「女性専用スペース」の利用は生物学的な女性に限るべきだと主張する女性有…

  • フェミ不美人説について

    また身も蓋もない話を読んだのですこし(1500文字ぐらい) nnjnews.net 美人→男性からチヤホヤされる→フェミにはならない 不美人→男性からチヤホヤされない→フェミになる 記事はこれだけの話である 配信者の加藤純一さんも似たようなこと言ってたな。たぬかなさんもツイッターのフェミ論壇よりかはすこし一般向けの人であると思うけれどこういう話が大手を振って話されるようになったのに隔世の感がある。 実際こういう図式があてはまることって男女共に否定できない現実としてあるにはあるわけだが、ただ、それは個別的現実として受け止めてこそ意味があるのではないかと思った。 ネットには「代弁者」のような人がい…

  • 後出しジャンケン的正義の虚しさについて

    こんにちは。ここ最近スト6ばかりやっていたのですがとりあえず目標だったマスターまで行けたので久しぶりにブログでも書いてみようかと思います。 本題とは関係ないですが、格ゲーを自分でやってみて思ったのはプロゲーマーは本当に化け物ということでした。ウメハラさんのような有名な方は前から知っていたのですけど自分でプレイする前と後では完全に見方が変わります。小パンカウンターヒットすれば中パンがコンボで繋がるので確認して動くとか、ケンの龍尾脚は弱中強でフレームが変化するので暴れ可能かどうか見極めるとか、いろいろあるのですが実践するとなるともう人間業じゃないです。 それはともかくジャニーズの件についてちょっと…

  • 挨拶の不在と消極的肯定とセキュリティー

    マンションのエレベーターに女性と同乗した際、その女性が住んでいる階を知られたくないためすべての階のボタンを押したという話 「警戒」というセクハラ【追記】 「自宅マンションのエレベーターに乗ったら、乗り合わせた女性が傘で全階のボタンを押して自分の降りる階を分からなくしていた」 というXのツイートが一部で話題になっていた。 論調としては「女性が警戒をするのは仕方ないだろう」「どうせ男が怖い顔してたんだろ」「何故女性の警戒を男が嫌がるのか分からない」 といったもの。 すごく共感できる話なのだけど、他方でこういう「セキュリティーに侵食された世界」みたいなのは男女の問題に限った話ではないように思う。 思…

  • ジャニーズの件と権威主義的パーソナリティー

    ジャニーズの件を見ていて思うのは結局これって全体主義や権威主義的パーソナリティーの問題なんじゃないのということだった。 いろいろな報道を見ているとジャニー喜多川にはその歪んだ性衝動とは裏腹にカリスマ性があり彼の力をもってしてジャニーズ事務所は日本最大の芸能事務所へ成長したというのがおよそ正確なところではあるかと思う。その彼の権力に乗る形でマスコミはジャニーズのタレントを起用し、性加害報道があってもその体制が変わることなく今の今まで続いてきた。 けれどBBCが報じたことによって国内でも無視できない問題として報じられているのが現在の状況といったところである。 ジャニーズの件については内部事情に明る…

  • 宮台さんの炎上を見ていて

    珍しく宮台さんが炎上していた。 社会学者の宮台真司、処理水放出反対派の出鱈目解説を「すばらしい。本質を抽象的に概念化」と絶賛、さらに誤りの指摘を罵倒。 - Togetter 宮台さん、「知識人」としては、もう死んだね。 https://t.co/X0MKQsjv3T — 田端@「クラクションを鳴らせ!」発売開始 (@tabbata) 2023年9月2日 トリチウムが生体濃縮するか否かに関してはどうやらしないみたいである。 しかしながら宮台さんが出演されているビデオニュースドットコム(僕も会員なので見てみた)では 体内に取り込まれたトリチウムは取り込まれた組織の新陳代謝のスピードによって体内にと…

  • ひさしぶりに弱者男性論について考える

    こんにちは。コロナで部屋に籠っていた時、ストリートファイター6をずっとやっていたのですが、ちょっとうまくなったせいかランクマッチが面白すぎてやめられません。助けてくれ。いやしかし去年プレイしたエルデンリングもそうだったけど最近のゲームは本当によくできていて時間があれば無限にやってしまう。 ブレイクタイムというわけでもないですが以下記事を読んだ感想です。 togetter.com 100年前のヨタ話を大マジに語られてもなあ笑社会は当初それを信じたが、フェミニズムは100年間、男には何一つ与えてこなかった。社会が男をエンパワーすると男は女を養うが、女はエンパワーされても男を養わず、逆に軽蔑し始める…

  • 人と目が合わなくなったのには理由がある

    日本人のコミュニケーション能力が低下しているらしい。 news.yahoo.co.jp コンビニエンスストアでもスーパーマーケットでも、多くの客がほとんど言葉を発しないまま買い物を終える。店員になにかを問われたとき相手の目を見て話すと、目を逸らされてしまうことが多い。ホテルの廊下で客同士があいさつし合うことなど、ほとんどない。エレベーターにあとから乗ってきた人たちは、後ろを一切振り向くことなく自分たちが先に降りる。新幹線などの車内では、客同士はできるだけ関わり合わないようにしており、棚に荷物を載せるのに苦労している人を、大抵の人は見て見ぬふりをしている。 ちょっと出羽守っぽい記事だけど人と目が…

  • コスパ主義に抗う?

    こんにちは。コロナ(2回目)に罹ってました。一応ワクチンは4回打ってるんですけどね。ほんとよくできたウィルスです。発熱後2週間ずっと体がだるかったのですがようやくすこし落ち着いてきました。 それはそうと藤井聡さん主宰の『表現者クライテリオン』7月号が面白かった。 最近いろんなところで目にする「コスパ」「タイパ」について批判的検討がなされていました。 一部ネットでも読めるのでそちらを貼っておきます。 the-criterion.jp 効率性ばかりを強く求めそこに目が行き過ぎてしまうと、物事を選択しているようであっても、実際には外部から与えられるという状態(自己家畜化)に陥ってしまっていると捉えら…

  • 誹謗中傷のイメージ論について

    誹謗中傷している人は他者を貶めているばかりでなく自分自身を縛り上げ苦しめているといった記事を読んだ。 海燕さんの記事 インターネットが人生を腐らせる。 - Something Orange 単純なことで、人は一切何のアクションも起こさないかぎり無傷でいられるが、なにか行動を起こした途端、かならず失敗したり間違えたりするものだからだ。 何もアクションしないがゆえに完璧な状況に慣れた人は、その「完璧さからの失墜」に耐えられない。だから、何も行動しなくなる。 かれはその限りにおいて「失敗しない人生」を歩むことができるだろう。しかし、そうやってたどりつくのは、一生、何ら有効なアクションを起こせない無為…

  • ホモ・ネーモ『労働なき世界』読みました

    noteで活動されているホモ・ネーモさんの本『労働なき世界』読みました。 労働なき世界: 労働だけが罪であり、余暇だけが世界を救う 作者:ホモ・ネーモ Amazon Q:そうは言っても、余暇を取ると仕事に支障が出るのですがどうすればいいですか? 余暇とは支配されないことである。我々はヨカ神にのみ支配される。つまり、余暇を取ることはヨカ神による命令である。すべては赦されるが、労働だけが罪である。 Q:怪しい思想のように見えるのですが? 嘘に染まった人々は真実を疑う。彼が話す言葉が信じられないなら、それは真実であると心得よ。 労働なき世界74ページより 江草さんが紹介されているのを見て読んでみたの…

  • 怒りの貴重さについて

    1200文字程度。走り書きです。 ROLLYさんがライブを視聴したファンのツイートに粘着とも取れる返信をしていたのを見て、とてもらしいなと思った。それどころかすごい好感を持った。ちゃんと怒る人のほうが信頼できる。 ネット上ではいちファンのツイートにたいして「やりすぎ」「老害」といった意見が多かったみたいだけどROLLYさんにとってはそれだけ大事なことだったのでしょう。 【謝罪済】有名タレントROLLY(ローリー寺西)が一人のファンのツイートにプライドを傷つけられ、執拗に問い詰める様子が見ていて辛い件。 - Togetter 個人的には見ていて辛いという感想は抱かなかった。リプライを向けられたフ…

  • 岸田政権は八方美人すぎる

    経済についてだがなにかいよいよきつくなってきた感じがある。買い物に行くと体感で4割は高い。物流のほうも2024年問題が迫ってきているしどこも人手不足であるのに給与の上昇率はそれほどでもない。高齢化で介護人材が足りなくなるという話もこれからますます深刻化していくだろう。とりわけ建設業界は人が集まらなくなっているらしくあと数年もしたら都市部でもインフラの維持問題が顕在化していくことになると思う。そんな中で台湾有事の危機があり防衛費への支出も増やさなければならない。エネルギー問題もある。 国民負担率も5割近くになっており、最近行われた税制調査会では退職金への増税や通勤に課税する案が出ているらしい。フ…

  • 「最後の敗北」

    どこかで見たようなツイートを見た 富裕層が子供に習い事の投資や海外旅行だ留学だのさせているのを見ると、とてもじゃないが自分が子供を持てたとしてもこの人達の子供には勝てる訳が無いと思う。自分の子供が「敗北者」になるぐらいなら最初から子供なんて持たない方がとか思ってしまう。 — ゆきひろ (@NwxKsJPHOzJ0vPW) 2023年7月9日 敗北者とは・・・という話はさておきこういう風に考えてる人は多くいるのだろうなという実感はある。ある種の厭世観を体現しているようなそんな雰囲気は社会全体になんとなくだがあるように感じる。実際、ツイートに3万以上のいいねがついていることもあり共感する人が多くい…

  • ヨッピーさんのツイートを見て

    でも強さってなんなんだろうね・・・ いや、ヨッピーさんが子供に強くあってほしいと思い空手を習わせると書いていたのが最近話題で個人的には大変良いことだと思うけどやたらと議論になっているのが気になってしまった。 男の子を育てる時は父親が積極的に介入した方が良いな。父母の集まりで「3歳になったら息子に空手でも習わせようかと思ってる。なんだかんだ男の子社会は『こいつを怒らせたら怖いな』っていうのが抑止力になるから」って言ったら男親は「確かに」って反応だったのに女親はピンと来てなかったもんな。 — ヨッピー (@yoppymodel) 2023年6月19日 ヨッピーさんの意見に賛同する人が大勢だけどフェ…

  • 「推し」がよくわからない

    「推し」というのが一向によくわからない。 好きは単独で成立する一方、推しはある種の共同意識の産物であるという論調を見かける。自己完結では終わらず他人におすすめすることを含み、その「人」や「箱」を盛り上げていく振る舞いのことを総称して推しというのが私の認識ではあるのだが、この認識であっているのかどうかはよくわからない。 誰かを推したという体験がないため実感が乏しいのだ。クオリアが足りない。 いや、好きなものや人は割と多いのだ。音楽で言えばThe la'sや、最近だと美波は素晴らしいと思う。漫画で言えば噓喰いや中華一番。アニメだと日常なんかが好きである。 とはいえ自分が好きなものを他人が好きかどう…

  • ゴキブリとハイエナとマリオネット

    ソロキャンプ中に声をかけられた女性がツイッターにあげた動画を発端に、声をかけた男性のことを日本単独野営協会が糾弾したことが物議を醸している ソロキャンプ中にナンパ被害、「なんだてめえ」と恫喝も 被害女性が語る恐怖の一夜 ENCOUNT - (2) ソロキャンプ - 日本単独野営協会® 公式 - on Twitter: "【女性ソロキャンパーへ話しかけに行く男性について日本単独野営協会が思うこと】… https://t.co/euFwVS2ogU" / Twitter 当初は女性を擁護する日本単独野営協会の文章にたいして賛同する声が多かったけれど「男性はゴキブリとハイエナを足して二で割ったよ…

  • 「ノイズキャンセリングソサエティー」

    LGBT理解増進法が衆議院を通過したみたいです。 自民党保守派から反対の声が上がっているのは当然のことながら リベラル側からも 「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意するものとする」という条文に「この場合において、政府は、その運用に必要な指針を策定するものとする」との条文を加えたことが問題視され批判されている。 「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう」の部分を読むと、LGBTは依然として多数派への配慮を要求される性であると読めるので実質的にはこれまでと変わらないように読める。また、「この場合において、政府は、その運用に必要な指針を策定するものとする」とい…

  • 叩かれててへこんだので補足的に

    前回の記事がひさしぶりにはてブに載ってると思って見たら叩かれててへこんでしまった。しばらくブコメを非表示にします。けれどブログ上では長年の知己のfnoithunderさんがレッドスターつけてくれててすこし慰められた。ありがとう。届く人に届けばもうそれでいいのだよな、と思う一方、批判されてることにも向き合おうと思いすこし補足的に記事を書いていきます。 なんか久しぶりだなこの言い訳じみたエントリーを書くのは。昔はよく書いてた。懐かしい。 批判されていた点として地域差別、ミソジニー擁護、なにもしないで暮らしている普通の人にたいして失礼、さらには犯罪擁護といったものまであった。 もう随分前からわかって…

  • アンチマンと清潔主義~掃除されるミソジニーについて~

    アンチマンを読んでミソジニーについて書きたくなった とりあえずこの辺境ブログにやってきた読者諸氏にはぜひアンチマンを読んでいただきたい。 comic-action.com 読んだ瞬間、なぜかシロクマ先生の「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて」を思い出した。シロクマ先生の著書は清潔主義とそれを支える道徳などについて書かれているもので、日本社会に薄っすらと張られている「膜」のようなものを言語化した本だと個人的には思っている。いわゆる清潔主義や健康主義といったものだ。 実際、日本の衛生観念、特に東京などの都市部におけるそれは世界でも屈指のものだ。意識レベルでも清潔主義は国民の間に…

  • 『バカと無知』を読んで思ったこと

    ベストセラーになっている橘玲さんの著書『バカと無知』読みました。 新書ということもあってかなり読みやすかった。読んだ勢いで『言ってはいけない』『もっと言ってはいけない』も読んでいるところです。 『バカと無知』は内容としては進化心理学の知見を用いて現代社会の「きれいごと」を批判している本で、身も蓋もない人間の業を前提にして議論するべきだ、といった内容だった。 ・人間は社会的動物で他人と自分を比べた時に上方比較には不快感を感じ、下方比較には快楽を感じる ・反社会的パーソナリティーには遺伝的要因がすくなからず関係しており、生育環境が違う双子を追跡調査しても両方とも犯罪に手を染めるケースが確認される …

  • トランスエイジが面白い

    トランスエイジなるものが話題になっており、実年齢39歳の男性が自分は28歳だと「自認」しているみたいです。 www.youtube.com ツイッターでは大喜利状態になっていて、僕もネタに近いものかと思ってアベプラを見てみたら「年齢を重視する社会が抱える問題」について議論されていて思いの外面白かった。 出演している若新さんいわく日本社会は能力よりも蓄積によって評価する社会(ストック社会)であり、年齢によって人を評価するのはその最たるものだと言う。 自分も昔、メリトクラシーが話題になった時に似たようなことを書いたことを思い出した plagmaticjam.hatenablog.com 日本におい…

  • ひろゆきさんと合理的無知の合理性について

    ひろゆきさんのフォロワーは文章を読めていないという記事をシロクマさんの記事経由で読みました。 界隈で狂人として名高い小山さんの記事 note.com すこし前にもひろゆき論が話題になったことがある websekai.iwanami.co.jp ひろゆきさんの言説に関しては「ひろゆき論」で書かれている通り、自己最適化ライフハックにその骨子があるのでしょう。 ネット上の反ひろゆき的言説を眺めていてもひろゆきさんの言説はある種の軽薄さをまとったものだと言われることが多く、実際に切り抜き動画を見ても当意即妙さに主眼を置きすぎているのか問題を解決するよりも片づけているといった印象を受ける。処理スピードが…

  • 統一地方選挙雑感~「国民批判」の終わりと「投票に行こう」の浅さについて~

    統一地方選の最中、スローガンが独り歩きしていた。 「投票に行こう」である。 最近いろんなところで話題のたかまつなな氏が若者の投票率を上げるために活動しているようで、その活動自体は素晴らしいと思う一方、投票に行くだけではその一票は「意志なき票」であるため政治への影響力はほとんど持たないのも忘れてはならないように思う。巷では若者の投票率を上げると政治が若者のほうを見てくれるようになるとまことしやかに言われているがそのような見方はいささかピュアすぎやしないであろうか。意志なき票が増えても票が拡散したり「よくわからないから自民党に入れる」という自然保守的な投票行動に至るだけで政治に影響を与えることはほ…

  • 社会保険料と社会的攪拌~少子化対策のジレンマについて~

    岸田首相が少子化対策の財源として社会保険料をひきあげることを検討しているようだ。 少子化対策を行うには財源を確保しなければならず、税金を引き上げるか国債を発行する他を削るかになる。そのうち社会保険料を引き上げるのが子育て世帯から最も厚く取れるということなのだろう。 少子化対策はもうなりふり構わず実行してほしいと個人的には思っていて社会保険料も上げれば良いと思っているのだが、他方でどこから財源を確保したとしても実質的には独身税となることも忘れてはならないように思う。 有配偶者だけから財源を確保することは事実上不可能であるため、どうしたって独身者から子供へ再分配する形になるが、日本社会の現状を考え…

  • 残された当為とテロリズム

    またか・・・思わずそう呟いてしまった。 4月15日土曜日、和歌山県の漁港へ演説に訪れていた岸田首相にたいし聴衆の一人が銀色の物体を投げつけ、直後に爆発音がするというテロ未遂事件があった。幸いにも首相は無事でけが人も確認されていないということだが、選挙演説中の襲撃というと安倍元首相が亡くなられた昨年の事件を思い起こさずにはいられない。 犯人の動機についてはまだ何もわかっていないが、選挙演説中の襲撃という点から見て昨年の事件の模倣犯である可能性がかなり高そうである。とはいえまだ何もわかっていないので具体的なことに関しては続報を待ってから判断したいところではある。 気になったのが事件発生直後から「今…

  • ルッキズムの再興について

    ちょっと生活環境が変わってなかなか孤独に没する(ブログを書く)時間がないのだけど、環境が変わったせいか新しく出来た知り合いなどもいて、そのうちの一人が「最近の若者はルッキズムがすごい」みたいな話をしていたので確かにそうかもしれないと思ったので、そのあたりのことを書いていきたいと思います。 ルッキズムってもうずいぶん前から問題になっていて、とりわけ日本人女性は世界的に見ても痩せすぎだと言われてきた。摂食障害になる人や美容整形に少なくない金額を使う人は今でも少なくない。女性にとって美醜は人生を左右する大きなファクターであろうことは男性から見ても想像に難くない。 しかしながら最近ではルッキズムやモデ…

  • 役立たずになったウサギ~終末論に関する雑感~

    おひさしぶりです。アメリカで終末論が流行っているという記事を読みました。 econ101.jp (記事で書かれているのは正しい情報を知ることで過度に悲観的になる必要はないということで、たとえば「格差や貧困の問題は世界全体で見れば良い方向に向かっている」などの正しい情報を知ることで終末論への免疫になるのだと読める。したがって以下に書くことは冒頭記事への批判ではなく、終末論一般、あるいは楽観や悲観に関して個人的に思ったことになる) 日本でも終末論はよく見聞きする。 代表的なものでいえば橘玲氏の『無理ゲー社会』あたりだろうか。一昨年に読んだっきりで内容はあまり覚えていないのだが、覚えている範囲で書く…

  • 度が過ぎた公共性の反転現象

    巷では「異次元の少子化対策」について喧々諤々議論がなされていて、いろいろな記事を斜め読みしてはいるのだがどうも何か書く気になれないでいる。今に限ったことではないのだが、定期的に時代にたいする情動が停滞する時がある。平たく言えばどうでもよくなってしまう。時勢や話題が滔滔と流れていくだけで、現実的には何も変わらないのだろうなと、諦観や厭世観のほうが先にきてしまうような感覚がある。しかし不思議なもので得てして「そういう時」のほうが文章が書けてしまう。書こうと思うと書けず、別に書きたくないと思っているほうが書ける。ブロガーあるある、ですかね。 今のテンションを利用して散文的に世評めいたことを書くと、議…

  • はてブの民度を上げる方法は、ないと思う

    ヨッピーさんがいろいろ考えていた。 yoppymodel.hatenablog.com はてブ批判はよしき(tyoshiki)さんがいつも書いてるけど、結局何も改善しないんですよね。 僕も書いたことがある plagmaticjam.hatenablog.com あらゆるコメントによる批判は批判に届いていない。それこそ噂話に過ぎず噂話+なんかよくわからない批判めいたことを言っている点でまったく建設的ではない。 噂話はそれ自体が暴力的であるがそれプラスなんか偉そうなことを客観的風に言っている権威主義的な側面もあって相乗効果で人を傷つける。人は単純な誹謗中傷にそれほど傷つくのではないと思っている。そ…

  • Deposit always wins~余命投票制度に関する違和感~

    シルバー民主主義が無視できない問題として顕在化している結果なのか、たかまつななさんが「余命投票制度」を提唱して話題となっていた。 余命投票制度の理念としては2つ考えられる ・若年人口の減少によって若者全員が投票に行っても高齢者に比して政治への影響力は限定的になってしまうこと ・若者のほうが余命が長いため政策の影響を受ける期間が長いこと 統計ラボさんより引用した世代別の人口ボリュームである https://toukei-labo.info/05_jinkou/05_jinkou.html 未成年を除く投票人口で見ると半数近くが高齢者であるため余命投票制度が必要になるという議論もわからなくはない。…

  • 五公五民と不健全な経済議論の必要性

    高齢化社会やエネルギー価格高騰による国民負担率の上昇を機に五公五民といったワードがニュースになっている。 五公五民とは江戸時代の年貢率のことであるが、2022年の国民負担率(国民所得に占める税金や社会保険の割合)も47.5%になったようである。ちなみに国債発行などによる財政赤字も含めると60%を超えているみたいです。 国民負担率47.5%で「五公五民」がトレンド入り「日本中で一揆が」「江戸時代とどっちがマシ」の声(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース 日本の『国民負担率』は“47.5%”。国民は諸外国並みにすでに十分過ぎるほど負担をしている。にもかかわらず、子育て支援も介護負担の軽…

  • システムの時代におけるリベラルについて考える

    古い動画だけど大変興味深かった。個人と国家の話をされていて、聞いていたらシステムの話を書いてみたくなった。 www.youtube.com 鮫島さんはリベラルメディアであるはずの朝日新聞が個人ではなく国家の側につくようになったことで朝日新聞を退社したと語られている。 朝日新聞をはじめとしたリベラルが権威主義的に振る舞うようになったのは様々なところで指摘されているとおりなのだろう。 しかしながらリベラルが国家の側につくようになったというのは少々疑問に思うところがある。僕の認識ではリベラルは国家ではなくシステムの側につくようになったように見えるのだ。 リベラルメディアといえば最近だとSDGs・ダイ…

  • 子供とおばあちゃんの冗談関係

    一番最初の友達って誰だろうと考えた時、僕の場合、おばあちゃんがそうだった。おじいちゃんは生まれた時にはもういなかった。おばあちゃんとは物心ついた時には一緒に寝ていた記憶がある。幼少期にはおばあちゃんの膝の上でご飯を食べていたりした。小さい頃、家が安心できる場所だったのはおばあちゃんがいたからだった。 高齢化が社会問題になり、最近も成田悠輔さんの発言が話題になったりしているけれど、いわゆる生産性とは関係ないところでおばあちゃんが果たしていた役割は重いのほか大きかったのではないだろうか。最近、とみにそんなことを思う。 今は核家族化が進み高齢者と同居している人は少なくなっているけれど、言い換えればそ…

  • 鼓舞と慰撫の間で

    ツイッターをクロールしてたらナンパ師界隈が少子化を憂いていた。 俺は非モテを救うそのためには政治的にアプローチをしないと無理なところまできているAVの見過ぎによる男の劣化が非モテ化の原因AVの規制をしなければ少子化が進み労働力もなくなり国は衰退する消費税云々以前にまずAVの規制が先だろ男が元気になって意欲的に働いてSEXしまくれば全て解決! — 東大年収1億ナンパ師/中星一番 (@nakaboshisama) 2023年2月3日 私の下ネタツイートを見て「こいつヤバい奴」ってわざわざ反応してくる奴はプププ〜wwwだな今の日本は下ネタNGにした結果、少子化や離婚率の上昇に繋がってるよな?物事を客…

  • 成田悠輔氏の比喩表現と強い言葉のリアリズムについて

    こんにちは。 成田悠輔氏が「高齢者の集団自決」を語り海外にも飛び火している件についてすこしもやもやする部分があるので書いていきます。 高齢者の集団自決はいわゆる「比喩表現」だと言われているけれどそもそも比喩とはなんだみたいな疑問を持ってしまった。いや、もちろん比喩は比喩ではあるのだが、比喩が比喩になるための成立条件はなんだろうかと思ってしまったのだ。 ・文脈の属人性と想起確率 こういうのは比較するとわかりやすいと思うので比較しながら検討してみたい。 成田氏と似たような発言でかつて長谷川豊氏が「自業自得の人工透析患者なんて全員実費負担にさせよ。無理だと泣くならそのまま殺せ」と発言したことがあった…

  • はてなブックマークどうした

    ちょっと気になったので。内容はないです。 「差別禁止は分断を生む」と西田昌司さんが発言したらしい。 自民・西田氏「差別禁止は分断生む」LGBT法案 - 産経ニュース はてなブックマークでも「差別禁止に反対するとは差別したいのか」というわけのわからない批判があったりネット上ではめちゃくちゃ誤読されているけど、西田さんのこの発言は自民党が中心となって設立した一般社団法人LGBT理解増進会に掲載されている議論に準拠したものに過ぎないと思われる。 lgbtrikai.net こちらのサイト上に理解増進と差別禁止の考え方の違いが明記されている。あくまで自民党内の認識に限るものではあるが。 理解増進法と差…

  • 結婚制度解体を主張する人は近代に毒されているのでは

    結婚制度をなくすということは恋愛を自然状態に帰すということだけどそうなった時の社会不安についてはどう考えてるのだろう anond.hatelabo.jp 自由主義的恋愛の最大の欠陥はアルファ雄が大勢の雌と番になるため、雄同士で殺し合いになるということで、たとえば自由主義によってパートナーを得ることができなくなった未婚男性(いわゆるインセル)がテロを起こすなどの問題はすでに顕在化している。 カナダで「童貞テロ」を初訴追──過激化した非モテ男の「インセル」思想とは|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト 現代が自由恋愛の時代とはいえ、今のところは一夫一婦制という建前上の倫理とそれに基づく法制度…

  • 回転寿司騒動と当事者への擬態

    「バカッター」全盛期というと2013年らしくもう随分前のことなんだなと、歳を感じるこの頃です。当時の騒動を知らない中高生がまた同じことをやり始めたのが今回のスシローの件だと思うと隔世の感があってそっちのほうに驚いてしまいます。 大炎上してるので知らない人はいないと思いますが、一応、騒動になったニュースの動画リンクを貼っておきます。 www.youtube.com 動画ひとつで何かわかったりはしないけれど手を小刻みに動かしたりしてることから普通の子ではない印象を受ける。落着きがなく悪目立ちであっても人の注意をひきたいと考えいたずらしている点からしても未発達の子供であることは間違いなさそうだ。 個…

  • 憎悪扇動罪というよりもSNS自体を規制する動きがそのうち出てくると思う

    数日前、憎悪扇動罪というアイデアを提起した立憲民主党所属の区議会議員が話題になっていた。 togetter.com 憎悪扇動罪というとディストピア感があり案の定批判されているけど、社会のトレンドとしては悪意を失くす方向に向かっているのは間違いないようにも思う。侮辱罪やポリコレにヘイトスピーチ規制法も似たようなものと言えば似たようなもので、誰かを傷つけたり不快にさせることにたいする処罰感情は日に日に大きくなっている。 法的には厳罰化がすすみ、現実にはコンプラやハラスメントを注意するよう要求され、ネット上の誹謗中傷に関しても裁判沙汰になるのはもはや珍しくない。それぞれを取り出してみれば社会は良くな…

  • 機能は機能でしかない~恋愛と客観の狭間を考える~

    たにしさんが久しぶりにブログ書かれていた。相変わらず端的な文章を書かれる。もっと書いてほしい。あとブログ婚活がどうなったのか密かに気になっています。 ta-nishi.hatenablog.com 記事では情としての恋愛、機能としての恋愛について書かれていた。僕も昔、似たような記事を書いたことを思い出した。 plagmaticjam.hatenablog.com 「情から疎外され物象化されたうえに機能としての視座を向けられる婚活はつらい」とたにしさんは書かれていて、現状認識としてはその通りだと思うけれど、同時に思うのが機能と情はそれほど明確に分けられるものなのかということだ。今の婚活市場で求め…

  • 子供が未来に閉ざされているのではないか~資本主義リアリズムと少子化対策~

    木澤佐登志さんの著書『失われた未来を求めて』を読んでいる。マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』を軸に現代を取り巻く思想状況を概観する本であるといった印象を今のところ受ける。けっこう難解な部分が多いのだが、印象に残ったのがリー・エーデルマンという人物が参照されていた箇所だ。つまみ食いのような形になってしまうが、エーデルマンの議論をネットで調べてみるとかなり興味深い。 クイア理論の研究者として知られるエーデルマンは「未来のために未来を捨てるべき」と提言している。同性愛が道徳的な多様性に包摂されることを拒否し、差別として語られがちな同性愛の非生産性を逆に肯定してしまうことで尊厳を確保しようとす…

  • ジェンダー界隈の緊張関係と平和について

    colaboの件について大変話題になっているけれどどうも言及する気にはなれないでいた。 今のところcolabo側の会計処理が杜撰だった可能性や東京都のチェック体制が甘かったりといった状況であるが、まだ疑惑の域を出ていないため、具体的なことは2月28日に出る監査結果を待ってから判断したいところではある。おそらくはabemaで安部敏樹さんがおっしゃられていたように事業規模と会計処理能力のズレが本質的な問題ではありそうであるが。なんにせよまだ判断は保留したい。 【アベマ同時配信中】「大空幸星&安部敏樹&藤田孝典と考えるコラボ騒動」1/9(月)よる9時|変わる報道番組 アベプラ - YouTube そ…

  • ぼっち・ざ・ろっくのリアリティーについて

    ぼっち・ざ・ろっくを全話視聴した。コミュ障陰キャ女子高生がバンドを組んで文化祭でライブするまでの物語だ。 最初に持った感想は「ロッキンオン読者から批判されそう」だった。ぼっちちゃんの承認に飢えてる感じはカートコバーンが忌避した資本主義的消費構造そのものだったので、オールドロックファンからはなんか怒られそうだなと思ってしまった。今やロックも資本主義に包摂されているのでそういう感覚を持つ人もいないのだろうけど。 あとはぼっちちゃんのあの暖かい家庭をつくった両親が娘に「ひとり」という名前を付けたのはけっこうなホラーなのではと思ってしまった。冷静に考えたらものすごく怖い。はっきり両親もロックに傾倒して…

  • 「嘘」に手を突っ込むことは差別なのかについて考える

    先日の記事に興味深いコメントを頂いたので記事にして返信したいと思います。 Runawayfromwarsofjusticeさんのコメントです 確かに「リベラル」が杉田氏の論文を読まずに過剰反応しているといったことはあるでしょう。また、本件に限らず、「リベラル」が「差別的言動」に対して過剰反応した結果対話可能性を失っているとか、選択的に「敵」の差別のみについて問題視しているとか、そういったことはあると思います。また、当の「生産性」についても、かなり誤解を招くつたない表現ではあると思いますが差別の意図があったとまでは言えない、という指摘はその通りかと思います。しかし、杉田水脈氏の新潮45論文を「差…

  • 杉田水脈氏とリベラルの4年間

    あけましておめでとうございます。今年もつらつらと書いていきます。 昨年末に杉田水脈氏が辞任した件について何か書こうと思っていたのですが、年末年始の雰囲気につかったまま三が日が過ぎてしまいました。どうでもいい話ですが餅を食べすぎて3kgほど太りました。またチャリ通勤ダイエットやろうかと思案中です。 さておき杉田水脈氏の件についてです。 杉田氏は新潮45にて「LGBTは生産性がない」と書いたことで左派リベラルから長いこと批判されてきた。今回の辞任に際しても「当然だ」「遅すぎる」などの声があがっていた。さらには杉田氏を政務官に任命した岸田総理の任命責任にまで問題は波及している。 辞任に関しては様々な…

  • 限界集落と自己実現的予言

    地域おこし協力隊として限界集落に移住した人が地域の有力者から嫌がらせを受け、ストレスにより入院、引っ越しを決断したというYoutubeの動画が各所で話題になっています。 動画のリンクを貼っておきます。見ると色々考えさせられます。 www.youtube.com 動画を見ると田舎暮らしの現実を突きつけられる感じがしてなんとも言えない気持ちになってしまうのだが、思い出すのが富山県政をドキュメンタリーとして描いた映画『はりぼて』で、この映画でも地方における有力者の杜撰さ・滑稽さが写されていた。 映画『はりぼて』予告編 - YouTube 領収書偽造・女性職員の机を物色・カラ出張・政務活動費着服などや…

  • 貧すれば転ずる

    もう随分前から転売が批判されているけど、転売批判を見てるとパチンコを連想してしまうこの頃です。 昔ちょろっと書いた記憶があるのだが、個人的な話をすると、大学3・4年次の学費をすべてパチンコで支払っていたことがある。当時、とある事情により学費を自分で払わなければいけなくなったのだが、僕が通っていた私立文系の学費は年間90万ほどでアルバイトで支払うには生活費を加味すると難しい金額であった。また、時間的にも拘束される。そのため、授業の合間など空いた時間にパチンコを打って稼いでいた。時給2500円ほどで月50時間ほど打ち、運良く期待値とそれほど乖離しない収支になり学費を支払うことができたのだが、正直言…

  • 「社会は複雑である」という言葉の空虚さについて

    積んでいる本が多すぎて来年は読書しようかなと思っているのですが、この前、本棚を整理していたら『この世界が終わったあとの文明のつくり方』という本を読んだことを思い出しました。 少年ジャンプで連載していたドクターストーンの元になったと言われている本なのですが、文明が崩壊したあとにどうやって今の社会を再起動するかについて書かれています。工業・農業・医療などけっこう広範な分野にわたり具体的な解説がされており、正直言って理解が追い付かないところが多々あったのですが、個人的に印象に残っているのが冒頭に「今の社会は複雑になりすぎて皆が専門性に閉じられている」と書かれていたことでした。 たとえば「紙」や「本」…

  • 高齢化社会とアーバナイゼーション

    現代日本に必要なもの?それはだな・・・愛だよ明智君 現代の日本で必要なのは・老人はいずれ死ぬし手厚い医療はいらない・だから若者が老人の世話をする必要はない・だから高等教育がなくてもよい(し高等教育にはそれほど見返りがない)・だから若者は気楽に家庭を作り子供を作るべきという方向性だと思うのよねぇ。 — frisky (@friskymonpetit) 2022年11月26日 [B! 医療] frisky on Twitter: "現代の日本で必要なのは ・老人はいずれ死ぬし手厚い医療はいらない ・だから若者が老人の世話をする必要はない ・だから高等教育がなくてもよい(し高等教育にはそれほど見返り…

  • フルベット型キャンセルカルチャーの果てに

    草津metoo事件と呼ばれる事件があった。 元草津町議が「町長から性的被害を受けた」としてSNSにて糾弾、元町議の告発に同調する形でフェミニスト団体や文化人に一部アカデミシャンが草津町長へのバッシングを行ったものの、被害そのものが確認されず嫌疑不十分として不起訴になった事件である。 その後、今年10月に告発を行った側の元町議は名誉棄損及び虚偽告訴の疑いで起訴されることになった。 「草津バッシング事件」の教訓…「推定有罪」に疑問を抱かない人びとの恐ろしさ(御田寺 圭) 現代ビジネス 講談社(1/8) そもそもなぜ被害実態がなかったにもかかわらず元町議の発言をもとに町長を糾弾しようとしたの…

  • 騒音問題が戦争でもあっても戦争になる前にすべきことがある

    騒音トラブルが戦争だということだけど [B! 増田] お前らは知らんかもしれんけど騒音問題の近隣トラブルは戦争なんだよ www.shinmai.co.jp 報道から見える顛末としては近隣住民が外で遊ぶ子供の声がうるさいとして役所に苦情を入れ公園が撤去されたという話なんだけど、この手の話で一番大事な過程の話が出てこないのが気になっている。 前提として何かを不快に思ったりうるさいと感じるのは定量化できそうで簡単にできるものではなく、時と場所と関係性に依存する部分が大きい。 定量的に見れば救急車の音も暴走族の音も音量としては似たようなものだけれど、多くの人は救急車の音を許容できる一方、暴走族の音はう…

  • フェミニズムと愚かさと森保JAPAN

    どこかで見たニュースが再生産されていた。 立憲前衆院議員の尾辻かな子氏が性的イラスト疑問視で炎上「脅迫には法的措置」 - ライブドアニュース 雀魂のキャラ広告が性的であるとして公共の場にふさわしくないといった意見と、その意見を批判する「いつものやつ」だ 宇崎ちゃん・碧志摩メグ・月曜日のたわわ・温泉むすめと無限に繰り返されてきたこの手の議論だが、結局のところ玉虫色の議論になり、表現の度合いによってゾーニングするしかないという曖昧な結論に着地しがちである。曖昧ゆえにまた「いつもの議論」が再生産され、曖昧なまま忘れられ、思い出したかのようにまた似たような話題が供給される。 今後も似たような事例がいく…

  • ヘイトスピーチの終わりと相対主義の果て、あるいは陰謀論の機序について

    日本でヘイトスピーチが問題になったのが2012年。東京の新大久保や大阪の鶴橋で「韓国人を追い出せ」「在日特権を許すな」と叫ぶデモが行われたことに端を発する。現在ではネトウヨや保守亜流と呼ばれる嫌韓ナショナリズムが一部界隈で盛り上がり、在日特権を許さない市民の会(在特会)が出てくるといったことがあった。 その後、2016年にヘイトスピーチ解消法が制定され在日外国人への差別や誹謗中傷は規制されたように見えたがその「愛国的他責感情」が消滅したわけではない。かつての嫌韓ナショナリズム(ポピュリズム的右翼)がどこへ行ったのかと言えば、形を変えQアノンに代表される陰謀論者になっていく。「日本を悪くしている…

  • ファスト映画の賠償金5億円について

    Youtubeに通称ファスト映画という映画の要約動画を投稿していた件で民事裁判の判決が出た。その賠償金額が5億円というニュース www.asahi.com 刑事では執行猶予付きの有罪判決が既に出ていて先日、民事で賠償金の判決が出たみたい。内訳としては1再生あたり200円換算で総再生数を乗じた推定被害額が20億円、そのうち5億円を被告に請求となっている。当該被告が動画投稿であげていた収益は約700万円と言われているけど、応報刑としては行き過ぎているような気もする。 たしか不法行為にもとづく損害賠償金は非免責債権になる可能性があり自己破産しても債務が消えるわけではないと、記憶の片隅にある。扱いとし…

  • 麻婆豆腐と上級弱者

    最近よく佐々木俊尚さんが言っていた上級弱者という言葉を思い出す。 上級弱者とは政治的スペクトラムの変化によりこれまで弱者であった人々、主に女性や障碍者の方のプレゼンスが大きくなり相対的には強者になったという話だと思われる。いわゆるアイデンティティーポリティクス批判の一種であり、佐々木さんの言説には批判や同調含め様々な反応があったように記憶しているが、個人的に気になったのは「強さ」はどこにいったのだろうかという点だった。 虚実関係なく現行の社会では被害者の声がよく聞かれ拡散されることは間違いない。メディアも被害者の声を取り上げ社会問題として問題提起することがしばしばだ。悲劇は拡散されやすくニュー…

  • 揚げ出し豆腐とツイッターの公共性

    イーロンマスクがツイッターを買収してからというもの、巷では「ツイッターの公共性」について喧々諤々議論されている。 ここ数年でツイッターはインフラにまでなったと言われる。災害時における情報ツールとして公共性が付与され、いまや民主主義を支える基盤になっているとまことしやかに言われている。しかしながら私企業が民主主義を体現するというのは危険極まりないようにも思う。 ツイッターのトレンドも左巻きのメディアばかり取り上げていたようであるが、印象操作を行っているメディアを民主主義と紐づけて考えるのは完全なる間違いであり、それは先の選挙で立憲民主党が「勘違い」により敗北したことからも明らかではある。 ・日本…

  • 借り物の自由を子供に与える人々

    不登校Youtubeとして話題のゆたぼんがたびたびネットニュースになっている。学校に行かないという生き方にたいしてはやはり賛否両論あるみたいでいろいろな人がゆたぼんに言及している。ゆたぼんの父親にたいする批判、ネット乞食だというものまであった。 ゆたぼんはもう初等教育をふいにしてしまっているみたいなので好きに生きるしかなくなっているのだと思うけど、個人的に気になったのが学校を監獄のようなものとして捉え自由との二項対立にしてしまっている点である。 ある種の規範や権威を取り上げそれがいかに不自由かを説き、そこから自由になろうというのは自己啓発における定型句のようになっていてけっこう陳腐な話ではある…

  • 統一教会にたいし解散命令を行っても自民党の支持率は戻らない

    統一教会の問題ももう4か月近くになっている。そろそろどこに落としどころを持っていくのか自民党ははっきりしてほしい。どうやってソフトランディングするのかを考えているのだと思うけど、解散命令を出しても出さなくても自民党にとっては同じことではないだろうか。 今回の事件のことを桜を見る会やモリカケと同じレベルで考え、時間が経てば風化するものだと自民党関係者は考えているのかもしれないが、もしそうだとしたら完全に誤解している。 モリカケや桜を見る会は確かに問題ではあったが、ミスで言い逃れできる種類のものではあった。モリカケは職員の忖度だったり、桜を見る会は出席者が反社であることを知らなかったという一応の逃…

  • 日本でストライキが起きないのは正社員制度ゆえではないか~多様性の起源から考える~

    僕もややもすると黙って死ぬかもしれないので書けるうちに書いておこう。 シロクマさんのシロクマさんらしい記事 p-shirokuma.hatenadiary.com アトム化した個人はどこからきたのかというと、結論から言えば正規雇用と非正規雇用の溝からではないだろうか。 氷河期世代を論じる際、その論調の多くは「個人の努力」や「時代的な不運」などの身もふたもない話に回収されてしまいがちであるが、現実のシステムのほうがはるかに重大な問題であるように見える。 ・日本における多様性の起源 前提として確認したいのが、氷河期世代の前と後における最も大きな違いはみなが正社員になる企業社会が終了したことにある。…

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