敗者としての東京—巨大都市の隠れた地層を読む 吉見俊哉 2023
古代から戦後の時代まで、東京にまつわるいろいろなことが書いてある興味をそそった、東京の地誌に関する記述の要旨をノートする。◇寺と神社幕府成立から100年の18世紀初頭に、江戸には1800もの寺院があった。寺院は宗教的な機関であると同時に庶民が学習する文化機関であり、幕府が死者を管理する機関でもあった。寺院は宗派ごとに組織化され、人々は宗旨と檀那寺を定め、出生婚姻死亡の際に檀那寺から証明書をもらわねばならなくなった。参勤交代により江戸に住む大名や家来のために全国諸大名それぞれに国元の寺院の分室が江戸に建てられ、その結果1800にもなった。城の拡張や新たな武家の開発の度に、寺院は周辺へと移動させられた。西本願寺は日本橋から築地へ、東本願寺は神田から浅草へと移され、広くなった。寺院は檀家として武家との関係が深く...敗者としての東京—巨大都市の隠れた地層を読む吉見俊哉2023
2024/01/27 18:48