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  • 地霊を訪ねる—もう一つの日本近代史 猪木武徳2023

    経済学者による鉱山の旅。筑摩書房の『ちくま』に連載した27回の旅の文書をまとめたもの。7佐渡を例にその構成を見てみる。書き出しは承久の変で敗れ佐渡に島流しになった順徳上皇をはじめ、世阿弥、日蓮など中世以前に佐渡流刑となった人物。次いで近世以降金銀山が発見され、相川が栄華を極めたことが記される。佐渡汽船で両津港に着いた著者は、名物のカキフライ定食を食し、北一輝の寺を訪れ、次に佐渡に密度高くある寺社のうち、日蓮ゆかりの妙宣寺で日蓮の宗教的情熱を考える。徳川幕府創業期には大久保長安が佐渡奉行として鉱山を管理し幕府の財政と地方産業振興に功績を残した。世阿弥が佐渡に流された証拠となる歴史書を引用したり、金銀山の研究文献『佐渡金銀山の史的研究』から採掘の歴史や精錬技術を取り出し記している。佐渡への同行者がいたのか、佐...地霊を訪ねる—もう一つの日本近代史猪木武徳2023

  • 図説世界の地域問題100 漆原+藤塚+松山+大西 編2021

    たまたま手に取った2冊の本から一般論的な批評をするのは必ずしも良いこととは思わないが、それでもしたくなった。図書館で見つけたタイトルの本では日本の地理学の先生たちが世界の100の地域問題を1テーマ見開き2ページで解説している。目次はアジア、アフリカなど地域によってグループ化され、各テーマはあくまで個別具体の説明に終始している。地球温暖化とヨーロッパアルプスのスキー場、中国のゴミ問題、子どもの貧困の地域差など。ふつう、学問というものは、スタートは好奇心に駆られた各論であっても、分類化、体系化、理論化し、それによって得た武器を用いて再び各論に入っていくものだと思う。日本の地理学は各論に始まり各論に終わっているように思われる。もう一つの本は、「地図とデータで見る現代都市の世界ハンドブック」というフランスの地理学...図説世界の地域問題100漆原+藤塚+松山+大西編2021

  • 大インダス世界への旅 船尾修2022

    昨年出版された本。しかし著者が実際にチベット、ラダック、カシミール、バーミヤン、パンジャーブ、その他聞きなれないインダス上流の地を訪ね歩いたのは2005年とか2007年とか2003年のこと。各地を訪れた時期がそれぞれいつのことなのか、本文を読んでもはっきりしない。それがこの本最大の欠点。チベットで著者はカン・リンポチェ(標高6656mの聖山)を巡礼し、鳥葬の現場を目撃した。2007年にはほとんど制約のない自由な旅行ができた。今はあらかじめ旅行代理店通して日程を組み、漢族のガイドを必ずつけなくてはならない。カシミールはインドとパキスタンが領有を争う係争地であり、うち5分の2をパキスタンが実効支配し、アサド・カシミールと呼ばれている。2005年10月、パキスタン北部地震では8万人が死亡し400万人が家屋を失っ...大インダス世界への旅船尾修2022

  • JICA×SDGs国際協力で「サステナブルな世界」へ 2023

    20の分野ごとにJICAの国際協力の活動が紹介されている。ソフトの事業と行政公務員の能力向上に関する事業についてノートする。目に見えるインフラ建設やモノの提供と比較し理解を得るのに時間がかかることがある。成果は必ずしも目に見える明確なものにはなっていないように読めるものもある。モンゴル、ウランバートル都市計画旧社会主義国であり行政側が開発に当たり住民意見を取り入れるという発想がなかった。そこで都市マスタープランは住民参加型の発想をベースにつくることとし、住環境改善事業候補エリアではタウンミーティングを開き住民意見を政策に反映されるようにした。ゲルに住む元遊牧民が都市生活のルールを学ぶワークショップを開いた。インドネシアの土地制度の改善に協力土地収用や土地の評価の法制度が不十分で未登記の土地や境界不明土地、...JICA×SDGs国際協力で「サステナブルな世界」へ2023

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