読書案内「落花は枝に還らずとも」 ② 争乱の時代を生きた会津藩士・秋月悌次郎
読書案内「落花は枝に還らずとも」②争乱の時代を生きた会津藩士・秋月悌次郎ブックデーター:中村彰彦著中央公論新社(上下)2004.12初版中公文庫あり『落花は枝に還らず、破鏡はふたたび照らさず』この本のテーマとなる諺(ことわざ)。落ちた花は元の枝には帰らないように、破れた鏡もまたもとのように輝くことはない、という意味で、『覆水盆に還らず』と同じような意味。破綻したものは再び元には戻らないという。だから、人や家族友人などは、大切にしたいという戒めにもなる。小説ではこの諺にひとひねりのスパイスを効かせている。落ちた花は二度と同じ枝に花を咲かすことはできないが、次の春に咲くための種(たね)となることはできる。会津藩士・秋月悌次郎の生き方を暗示する題名だ。会津藩の外交官秋月悌次郎からみた幕末史を丁寧に綴った歴史小説...読書案内「落花は枝に還らずとも」②争乱の時代を生きた会津藩士・秋月悌次郎
2022/12/29 06:30