山本健吉・池田彌三郎著『萬葉百歌』より_有間皇子
山本健吉・池田弥三郎著『萬葉百歌』より_鏡大王山本健吉・池田彌三郎著『萬葉百歌』より_額田王・天武天皇「磐代(いわしろ)の浜松が枝(え)を引き結び、まさきくあらば、また還り見む(巻2・141)有間皇子は孝徳天皇の御子であるが、宮廷の暗闘の犠牲となって、悲劇的最期を遂げたとされている。この歌と、この次の歌とは、捕えられて紀州の湯に護送される途中で、皇子が詠んだものと言われている。そのために、そういう背景の歴史的知識を注入してこの歌を読むので、この歌を悲痛な絶唱のように言うのだが、実はこの歌は、額田王の三輪山の歌(巻1・17)と同じように、旅行の途中での歌で、その解釈からは単なる羇旅(きりょ)の歌である。道中の要所要所にちて、旅人にものを要求するおそろしい神には、大事なものをあげたり、いろいろとお世辞をつかわ...山本健吉・池田彌三郎著『萬葉百歌』より_有間皇子
2023/06/30 20:26