2018年12月の巨人の肩から見る世界新着記事

秦宦官2 宦官の生まれた背景と宮刑の女性版の刑罰宦官となった時の身体的な影響について

王や皇帝が宦官を重用するにはもう1つ理由があります。それは、宦官が子を成すことができないという条件によって生まれるものです。国内で他に並ぶ者のない至高の存在になってみると、実はその座は他人に狙われる、脆いものであることが分かってしまいます。有力な臣下や一族は自分に取って代わる事を考えているのではないかと、常に猜疑心に襲われるのです。孤独な王や皇帝が頼ることができるのが、唯一、皇帝が…

2018/12/31 12:00

秦宦官1 宦官そのものは古くから存在したが、秦に至って独裁度合いが強まるのに合わせ、宦官の力も伸長する

史記をベースに、始皇帝の死の前後の模様を書こうと思いますが、その前に宦官について触れておきましょう。宦官とは、男性機能を奪われた異形の存在です。このブログにおいても、これまでに宦官は顔を出しています。例えば、斉の桓公を誤らせた3悪の1人、豎刁（じゅちょう）がそうでしたね。彼は自らを去勢して桓公の信任を得たのでした。また、呂不韋はかつての愛人であった始皇帝の母の太后に、嫪毐を宦官と偽…

2018/12/30 12:00

秦最後の巡行6 始皇帝が命まで削って行った巡行の目的は？帝国を永遠のものにしようと願った始皇帝の願いは側近の手で破壊されていく

始皇帝も同様に過労状態でした。大なり小なり問題は自分で解決しようとしたそうで、先に述べた方士の盧生らが逃げ出す時には始皇帝を「1日に1石、約30kg分の木簡を処理するまでは休まない」と非難している程です。庶民で休日には惰眠を貪り、適当に本でも読んでいられる生活の方がはるかに幸せであるように思えます。なお、始皇帝の死について、その3ヶ月前に高漸離に襲われて額を打たれたため亡くなった、という…

2018/12/29 12:00

秦最後の巡行5 平原津で病に冒された始皇帝、7月に沙丘で人生に幕を下ろす独裁者は過労になるのが普通で、始皇帝も過労状態だった

秦に対する反乱の発生を暴政ではなく、若者3000人が結果として見捨てられたことに求めるもので、実話というよりも説話としての性格が強い話なのですね。事実かどうかは極めて疑わしい、と思っておきましょう。更に第2回同様に斉の故地を巡ります。しかしその途中、平原津において、始皇帝は病に冒されます。一行は咸陽に戻ろうとしますが、始皇帝の病状はいよいよ篤くなるばかりです。已む無く、離宮のある…

2018/12/28 12:00

秦最後の巡行4 『淮南子』に見える徐福伝説徐福の船出を歴史的事実と考えることはどうやら難しいようだ

徐市については漢代の淮南王劉安が記録した『淮南子』に、徐福として異なる話が収められています。それによると、徐福は不老不死の神薬を得ることが叶わなかった理由として、「海神に会い蓬莱山に連れて行かれて霊芝の生えている宮殿を見たが、海神は貢物が足りないと仙薬を渡すことは拒否した」、と主張しています。こんな下手な言い訳を信じられるのはどうかしていると思われるかもしれません。しかし、現実社会でも、…

2018/12/27 12:00

秦最後の巡行3 琅琊ではかねてから求めていた不老不死の仙薬の捜索をフォローするが、徐市はなんとか誤魔化すことに成功する

あまりにでも出来すぎた話で、事実であるとはとても思えません。2人の英雄の性格をよく表したエピソードを見事に作ったものです。野心に満ちた項羽の呟きなど知る由もなく、始皇帝は会稽を離れると呉を巡って船で北上、琅琊台へと向かいます。琅琊台といえば、これ以前の巡行でも立ち寄ったところであり、方士たちから怪しげな説を聞かされていた場所でしたね。勿論、始皇帝はそのフォローを忘れません。 …

2018/12/26 12:00

秦最後の巡行2 会稽に至り、功績を記した碑文を残す風紀を糺したとして再婚まで禁じたことを誇るが、社会はむしろ窮屈になっただろう

原文はかなりきついもので、大まかな意味は以下のとおりです。「誤っているにも関わらず言葉を飾って正しさを主張する連中、例えば子がありながら再婚し死んだ夫に操を立てないのは不貞である。内と外とは堅く隔て、淫佚を禁じることで男女は清くした。夫がもし雄豚のように人の妻と不義を働けば、これを殺しても罪とはしない。夫が節義を守るのに妻が逃げて他人と再婚するなら、子は母とすることはできない。こうするこ…

2018/12/25 12:00

秦最後の巡行1 東南に天子の気が立ち込めたから？ 50歳の始皇帝、李斯と末子胡亥を連れて東方へ

高漸離はいつから始皇帝を除こうと考えるようになっていたのでしょうか。市井の楽器弾きの腕がいくら良くても、皇帝の耳にまで届くというのは尋常な話ではありません。ということは、もしこの逸話が本当なら、高漸離は始皇帝のところまで筑の名手がいるという噂が届くように図ったのではないでしょうか。想像に過ぎませんが、これが正しいのであれば、高漸離はかなり早い時期から始皇帝の暗殺を考えていた、とするのが良…

2018/12/24 12:00

秦高漸離筑の腕で始皇帝に近づいた高漸離、荊軻の親友であったことから目を潰されても諦めずに暗殺を図るも失敗する

主人は高漸離を宴席に呼ぶと、筑を弾かせました。ほんの気まぐれだったのでしょう。高漸離が筑を掻き鳴らすと、座中の人々は皆彼を称賛し、酒を与えました。高漸離は一度下がって、荷物の中から筑と一張羅の衣装を纏い、再び宴席に戻ります。そして筑を弾きながら歌うと、誰もがその腕を褒めそやし、涙ながらに辞去するほどでした。いったい、高漸離は何を心に秘めながら音楽を奏でたのでしょうか。私は、荊軻と共…

2018/12/23 12:00

秦不吉な現象東方からの使者が謎の人物から長江に沈めたはずの玉璧を受け取る荊軻の親友、高漸離のその後

秦が滅亡に向けて避けることのできないルートを歩んでいると感じさせる逸話ですが、先述の通り「始皇帝」とは死後に呼ばれる称号として定められたものですから、史実では無く、反秦であることが罪ではなくなった後に作られたものと考えられています。近隣の住民を皆殺しにしたというところも、易姓革命の考えからすれば前王朝が徳をなくしたから次の王朝が立ったとしなければなりませんから、秦が徳を失っていたと主張するため…

2018/12/22 12:00

秦阿房宮渭水の南に新たな朝廷建設を行うこととし、その施設の1つとして阿房宮が作られる

さて、こうした人口過剰に対応するため、咸陽を拡張し、渭水の南の上林苑に朝宮、朝廷を建設することとします。その施設の一環として、巨大な宮殿の建造が進められます。本来であれば完成後に正式名称を付けられるはずでしたが、遂に完成を見ることがなかったため、非公式の呼び名である阿房宮の名で知られるものです。「阿」は「近く」の意味なので、咸陽の近くだからだとも、四阿旁広、「すなわち四本柱に支…

2018/12/21 12:00

秦長子扶蘇の追放坑儒を批判した扶蘇、始皇帝の不興を買って北辺に追放される咸陽の拡張工事

注意すべきは、扶蘇が「諸生はみな孔子の教えを奉じて」いるとしているところですね。この言葉を信じるなら、処刑されたのは儒家が多かったかもしれません。しかし、他の可能性も考えるべきでしょう。 1つめの考えは、扶蘇のセリフは儒教が国教化された後の漢代に作られたもので、秦から天命が去ったきっかけになった、との非難を込めたものである、というものです。その場合、穴埋めにされたのは方士になりますね。もう1…

2018/12/20 12:00

秦坑儒3 盧生は逃亡、始皇帝は激怒し諸生を取り調べるが、諸生は罪を押し付け合うばかり禁令を犯した者460名を穴埋めにする

30kgの文書というととてつもない量ですが、当時の書類は木簡でしたから、1枚1枚がかなりの重さだったことを考えるべきでしょう。ただ、始皇帝はいかにも独裁者らしく、勤勉でした。それも非難となるのは面白いですね。盧生と侯生はこう語り合うと、密かに逃げ出してしまいました。大金を与えられながら、言を左右にして結果を出さず、それどころか逃亡してしまうのですから、始皇帝ならずとも激怒するところでしょう。私…

2018/12/19 12:00

秦坑儒2 山頂から李斯の家の栄ぶりを見た始皇帝の不興と李斯の栄華始皇帝の苛烈さに恐れをなす

始皇帝が梁山宮に行幸した際、山上から李斯の従者や車馬が多いのを見て機嫌を損ねたことがありました。密かに宦官が李斯に教えたため、李斯は数を制限します。秦王政の不興を買うわけにはいきませんからね。ところが、李斯が車馬を減らしたということは、始皇帝がどこで何をしたかを李斯に告げた者がいることを示してしまったわけです。始皇帝は怒り、「誰か真人の言葉を漏らす者がいる」と調べさせますが、見つかりませ…

2018/12/18 12:00

秦坑儒1 方士の盧生、不老不死の仙薬が手に入らないのは始皇帝が居場所を知られているからだと助言、始皇帝は自称を真人に変え、居場所を明かさなくなる

荀卿の言葉は後の悲惨な流れを知る後世の者が作った話としておきましょう。ここでは李斯の功績が極めて大きなものであったことを理解して、次へ進みます。前212年、方士の侯生と盧生が逃亡するという事件が起こります。第2回の巡行において、始皇帝が不老不死を求めたことを紹介しましたね。盧生は先に録図書を献上したものの、そこから先となると成果が上がりません。そのようなものは存在しないのですから、当然…

2018/12/17 12:00

秦焚書3 秦を滅ぼして成立した漢王朝では秦を実態以上に悪く記録する必要があったため、焚書も割り引いて考えるべきかもしれない

また、秦代や漢代の墓から多くの簡牘が多く出土していることから、焚書令を逃れたものも多くあることは間違いない事実です。史記が漢王朝の正統性を示す歴史書であったことを忘れてはいけません。漢代になって、秦から天命が去ったとされ、秦は実態以上に低い評価をされています。漢が実際には秦の法制度のほとんどを引き継いだのに、秦は法が厳しいと非難されたり、漢の武帝も匈奴を攻撃して国力を疲弊させましたが、始…

2018/12/16 12:00

秦焚書2 焚書の実態は？実は意外と残っている秦以前の書物

しかし、焚書の実態はどうだったのでしょうか。『

2018/12/15 12:00

秦焚書1 封建制を否定した李斯は古代の政治を理想化することの非を説き、不要な書物を焼くことを提案する

実のところ、郡県制が良いか封建制が良いか、封建制にするとして諸侯や王にどこまで権力を与えるか、という問題は秦に限らず、この後の王朝にも課題として残り続けます。いえ、専制国家の永遠の課題と言っても良いかもしれません。それぞれメリットがあり、デメリットがあるわけですから当然です。この問題が解決されるのは、皇帝による専制政治が解消されるのを待たなければなりません。始皇帝と二人三脚で秦の体制を作…

2018/12/14 12:00

秦南北両面作戦の理由果たして録図書のは匈奴攻撃の理由だったのか？軍事的成功を祝っての宴会で、封建制への転換が建議される

何故、このような両面作戦が必要とされたのでしょうか？北方への出兵が前215年、南越へは前214年となると、この2つの遠征が単一の理由から行われたものであることは明らかでしょう。となると、北方への出兵が録図書なる怪しげな予言書に見える、「秦を亡ぼす者は胡なり」という言葉に基づいてのことであると考えることは極めて困難なことです。『

2018/12/13 12:00

秦南越討伐2 南越は執拗なゲリラ戦で応戦し司令官の屠睢も戦死させるが、秦の勢いを止めることはできず南越は征服される

山を越えて食料を輸送するのは困難ですから、補給ルートを確保するために湘江と漓江を結ぶ運河が造られます。両河川の最短距離が2km程度という絶好の地に、3.4kmの運河が造られました。水位の低い湘江側に流れを堰き止める堤防を築いて水位を上げて高低差を解消する、という技術が使われています。当時は零渠とよばれたこの運河は、現代では霊渠と名を変え、往時と変わらず水を湛えて両江を結んでいます。さ…

2018/12/12 12:00

秦南越討伐1 北方での作戦が一区切りしたのを契機に、今度は秦に従わない南越へ軍を動かす

そのため、多くの犠牲者が生まれたと伝えられます。もっとも有名な話は孟姜女の話でしょう。新婚の夫が長城建設に駆り出されたために追いかけたところ、夫は既に亡くなったと教えられます。彼女が夫の死を悼んで流す涙が長城を崩した、伝えられます。また、男の子が生まれたら長城建設の犠牲にされないよう、「男の子なら育てるな」という歌があった、とも言われます。孟姜女の逸話は北周以降のものとのことなので、事実…

2018/12/11 12:00

秦匈奴討伐3 長城防衛の歴史先行する長城利用することで、4400kmあまりの長城が完成する

では、いつから長城はあるのでしょうか。最古のものについては知りようがないところもありますが、『春秋左氏伝』の襄公18年の記事に、斉の霊公が諸侯の攻撃を受けた際に長城を利用して敵を撃退したと読める部分があるとされます。完璧ではないにしてもかなりの効果を上げたようで、戦国時代には各国がこぞって長城を築いています。既に匈奴との戦いがあったことを記した趙・燕の両国は、北辺に対匈奴用の長城を…

2018/12/10 12:00

秦匈奴討伐2 匈奴をオルドスから逐った蒙恬、万里の長城を築いて侵入を防ごうとする

蒙恬の活躍はめざましく、翌年には楡中から東へ匈奴を逐い、空いた土地には犯罪者を移住させて44の県を置いています。ここで犯罪者と書いていますが、当時は実際に罪を犯した者だけではなく、家族も罪を問われていましたから、現代的な考え方ではその少なからずは犯罪者ではなかったと言えるでしょう。少なくとも、この時点においては、秦の積極的な外征は成功を収めていた、と言えそうです。新たに獲得した…

2018/12/09 12:00

秦匈奴討伐1 始皇帝は北方へ向けた軍用道路「直道」を作らせると、蒙恬に30万の兵を与えて北方を討たせる蒙一族について

実は暗愚な2世皇帝胡亥こそが録図書の予言にうたわれた存在だった、と言われます。予言の本当の内容は後世の者にしか分からない深遠なもので、決して運命から逃れることのできない人間の運命を示しているような話ではありませんか。では、秦滅亡の原因を言い当てた録図書の信用性についてはどうなのでしょうか。後漢の鄭玄（じょうげん）は、上記の通り、「録図書にいう胡とは胡亥のことであったが、秦ではそれに…

2018/12/08 12:00

秦第4回巡行仙人を探しに出た方士の盧生、録図書なる怪しげな予言書を持ち帰り、始皇帝に献ずるそこに「秦を亡ぼす者は胡なり」とある

それにも負けず、前215年には第4回目の巡行へ出ます。博狼沙までは2回目、3回目と同じようなコースを辿り、そこから大きく北へ向かって燕の故地を巡って帰国します。この際、地方が反乱を起こし、地方の城郭都市を拠点にすることが危惧されたため、都市の城郭を破壊させ、関所も取り壊しています。更に、富裕層が地域と結びつくことを防ぐために富豪12万戸を関中へ移住させています。富裕層受け入れのため、咸陽も拡大さ…

2018/12/07 12:00

秦第3回巡行2 始皇帝暗殺を図った張良という男始皇帝は前216年には護衛4人とよる出かけた際に賊に襲われる

余談ですが、恐らくは最もこの暗殺方法に近いスポーツであろう、鎖のついた7.260kgのハンマーを投げるハンマー投における世界記録は、1986年にソ連のユーリ・セディフが記録した86.74メートルです。仮に重量が倍になるごとに投射可能な距離が半分になると仮定すると、暗殺未遂犯は20メートル付近から投げたことになるので、犯人が捕まらなかったのは警備兵の怠慢によるものに違いありません。勿論、その矛盾を解く…

2018/12/06 12:00

秦第3回巡行1 博浪沙で突如30kgほどの鉄槌が始皇帝を狙って放たれるが、副車に当たり、始皇帝は九死に一生を得る

この彭城において、鼎を引き上げようとして失敗した、との伝説が残されています。周が滅んだ際、王権の正統性を象徴する9鼎は秦に移されたと言われます。しかし、異説によれば、彭城を都としていた宋がそのうちの1つを持っており、滅んだ際に川に沈んだ、というのです。始皇帝が彭城を訪れた際、泗水に周の鼎が沈んでいると耳にし、川を捜索させましたが、見つからなかった、といいます。どうやらこの伝説には尾鰭…

2018/12/05 12:00

秦第2回巡行4 海中の神山の招待は蜃気楼？不死登仙という思想は斉・燕で生まれ育ったため、この地方で神仙思想を聞いたのは偶然ではない

3神山は上陸しようと船で近付くと遠ざかっていくというもので、普通の手段ではたどり着けない、というのです。不思議な力に打ち勝つ特性として、性体験が無いというものが想定されたわけですね。「無垢な」若者に聖なる特質を見る、というのはヨハネの黙示録でも同様に見られることで、普遍的な思い込みなのかもしれません。始皇帝は徐市に数千人の童男童女を付け、海上を捜索させました。それにしても、近…

2018/12/04 12:00

秦第2回巡行3 泰山での儀式を終えた始皇帝は琅琊へ向かう琅琊で徐市（じょふつ）なる人物が海中の3神山について具申する

始皇帝は泰山の山頂で天を、麓の梁父山で地を祀ろうと考えました。そこで斉と魯の儒生に儀式の詳細を下問するのですが、まともな答えは返ってきません。やり方が伝わっていなかったのだから当然です。已む無く、秦に伝わる祭祀をベースにした祭祀を行うことにしました。当日、車道を祓い清めて南から山頂へ向かい天を祀ると、北側から山を降りて梁父山で地を祀った、と言われます。この儀式の模様は秘匿され、記録…

2018/12/03 12:00

秦第2回巡行2 泰山での特別な儀式である封禅の儀と泰山が神聖視された理由について

それなのに、泰山は「大山鳴動して鼠一匹」の諺や封禅の儀に見られる通り、泰山は特別な存在であり続けました。その理由は、泰山が孤峰で、周りに高さを比べるものが存在しないことにあります。富士山は孤峰であるだけではなく、高さでも日本一ですね。加えて美しさも日本一である（異論を認めます）と言われることも多いのは、孤峰であることも大きいでしょう。あの美しい対称性は山脈にあれば分からなくなってしまいま…

2018/12/02 12:00

秦第2回巡行1 東方への大動脈、馳道を建設させると、翌前219年東方へ向かい、斉の故地で祭祀を行う

同年、東方への巡行に備え、馳道と呼ばれる道路網を築かれています。翌前219年には、第2回目の巡行が行われます。今度は東へ向かい、斉の都だった臨?を通って海に至って南下、琅?台を過ぎて彭城へ至り、長江を渡って雲夢へ、武関を通過して咸陽に戻るという長いルートが選ばれました。驚くべきは、この時までに咸陽から斉にまで馳道が延びていた、ということでしょうか。斉の故地に着いた始皇帝一行は、斉の祭祀を…

2018/12/01 12:00