郷愁

郷愁

エモンカケ女と呼ばれるほど肩幅の広い私。その肩で風切って生きてきた。私にはヨーロッパが合っている。肩があちこちぶつかって多少痛くても、露骨に生きられる。自分のままでいられる。流血は覚悟、みたいな。還暦を迎えて、身体と頭のあちこちに「哀しみよこんにちは」的に老齢の兆しを感じはじめた。自分が弱ってくると、里心がつく。ここ数年、日本へ行くたびに日本が好きになってきている。食べ物が美味しい、サービス業が異...