この死だけはどうしても受け入れられない
娘が亡くなった。 明るい陽ざしの中を、周り一面に、笑顔を振りまいて、 トパーズ色の風と共に駆け抜けて行ってしまった。 そうさ、お前は僕の自慢のむすめだったさ。 僕らに親として生きる事の幸せを教えてくれた。 素直で優しく、何事も一生懸命に取り組む素晴らしい子だった。 運動音痴の僕とは違い、体力にも恵まれていて駆けっこも早かった。 心身ともに健康とはお前のためにあるような言葉だった。 そうさ、お前は僕の自慢のむすめだったさ。 小さい時から器量が良かった。 周りの人が振り向いて、可愛いねと声をかけてくれる度に僕は鼻高々だった。 イリノイの古い田舎町に住んだ時、 初めてのアジア人に対する冷たい視線が 暖かく変わったのはお前の笑顔があったからこそだ。 「日本人の子はきれいだね」とあちこちで聞いた。 そうさ、お前は僕の自慢のむすめだったさ。 せっかく..
2018/06/15 07:54