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ただいま読書中 https://blog.goo.ne.jp/mxd00665

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
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2015/01/19

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  • 調べなくてもわかること(2)

    先日の「調べなくてもわかること」でフクシマ直後に政府は内部被ばくについてきちんと調査をしなかった、と書きましたが、実は甲状腺被ばくについては調査がされていました。ただし福島県民200万人(うち18歳以下は40万人)のうち1080人だけ。これでは統計的に“弱い"数字です。どうしてきちんと調査をしなかったのでしょう?(ちなみにチェルノブイリでは3箇国で30万人以上が検査を受けています)ということで、本日の読書です。【ただいま読書中】『福島が沈黙した日──原発事故と甲状腺被ばく』榊原崇仁著、集英社(新書1051B)、2021年、900円(税別)「1080人」の数字(の少なさ)にも驚きましたが、その対象が「原発から30km以上離れた住所地の住民」に限定されていることにも私は驚きました。これは「都合の悪い数字は記録に残し...調べなくてもわかること(2)

  • ウイルスとの共生

    ウイルスは人を殺したり苦しめる“敵"と見るのがふつうですが、ヒトのDNAの相当な部分はウイルス由来と聞いたこともあります。つまり“仲間"というか“共生関係"。だったら新型コロナウイルスにも「人を殺すよりも、共生するのはいかがですか」とメッセージを送りたいですね。ただ、新型コロナウイルスを組み込まれたら「わたし」がどうなってしまうのか、ちょっと不安ではありますが。【ただいま読書中】『共生生命体の30億年』リン・マーギュリス著、中村桂子訳、草思社、2000年、1800円(税別)マメ科の植物は根に根粒菌がついています。これは「共生」です。細胞の中にミトコンドリアや葉緑体があるのも、元を辿れば別の生物が入り込んでともに生きることになった、つまり「共生」です。著者は、「進化(新しい種の誕生)」や「最初の種の誕生」そのもの...ウイルスとの共生

  • 調べなくてもわかること

    フクシマの原発事故の後、体内被曝を心配する声に対して政府は「大丈夫だから、調査をする必要はない」と繰り返していました。私にはそれは「逆」に見えました。「調査をしたら大丈夫とわかった」ではないか、と。あるいは「チェルノブイリ」を引き合いに出して「甲状腺癌などは心配ない」と言う人もいました。私にはそれは理解できませんでした。チェルノブイリはチェルノブイリ、フクシマはフクシマ、調査しなければ両者が違うか同じかの断言はできないだろう、それがどうして調べないで断言できるのだろう、と思ったのです。さらに有志が甲状腺を調査して異常を見つけると「そういった調査をしなければ見つからなかった(フクシマとは無関係に存在していた)ものだから、心配ない」と言う人もいました。これも不思議な言い分です。それを言うためには「フクシマ」でスクリ...調べなくてもわかること

  • 選挙

    立憲民主党の代表選挙が始まりました。自民党のように、総選挙の“前"にやるべきでしたね。【ただいま読書中】『カラスをだます』塚原直樹著、NHK出版新書646、2021年、850円(税別)カラスはマヨラー、嗅覚はほとんどない、バカ舌である、紫外線を見ることができる、なんてカラスに関する知識の乱れ打ちです。著者は、カラスの鳴き声を真似し、剥製を攻撃させようとし、カラスに似せたドローンを飛ばします。遊んでいるのではありません。真面目な研究です。「カラス」という題材と、著者のふざけた口調にだまされて、著者が遊んでいるだけ、と誤解する人もいるかもしれませんけれどね。だけど、誤解は、誤解する側の問題でしょう。「カラスによる被害」と言えば、糞害とか出したゴミ袋を破られてまき散らされるとかうっかりヒナに近づいた人が親鳥に襲われる...選挙

  • 清教徒

    私は世界史でメイフラワー号のことを習ったときに清教徒はイギリスでは住みにくいからアメリカに渡った、と思っていたのですが、清教徒革命は1640〜60年(メイフラワー号は1620年)。王政を廃止できるくらいに清教徒は力を持っていたわけです。清教徒って、当時のイギリスでは強かったのでしょうか、それとも弱かった?【ただいま読書中】『火山大災害』金子史朗著、古今書院、2000年、2500円(税別)ポンペイ(とヘルクラネウム)をほぼ全滅させたのはベスビオ火山です。ところが人々の関心はもっぱらポンペイ(とヘルクラネウム)に向いてしまって、火山そのものがあまり注目されないことを、著者は残念がっています。「1991年の火山噴火」と言えば、日本では6月の雲仙普賢岳(の火砕流)を私は思いますが、世界的には4月に大噴火をしたフィリピン...清教徒

  • 一冠分エラい?

    将棋の藤井聡太さんが竜王を獲って「三冠」から「四冠」になりました。なんだか「一冠」分エラくなったような印象ですが、でも藤井さんは藤井さんのままで、どこが変わったわけでもないはずです。まあ、一局真剣勝負をした分だけはまた強くなってはいるのでしょうが。【ただいま読書中】『生命科学クライシス──新薬開発の危ない現場』リチャード・ハリス著、寺町朋子訳、白楊社、2019年、2700円(税別)「不都合な真実」の話です。第一章は、画期的な新薬に結びつきそうな生物緯学研究の論文の多くが「再現性がない」問題。私はまず「STAP細胞」のことを思い出します。「画期的な論文」は評判となり、多くの人が群がります。しかしそのほとんどはクズなのです。「科学」で大切なのは、「仮説」と「その検証」です。科学者は「自分が間違っているかどうか」を自...一冠分エラい?

  • えっせんしゃるわーかー

    コロナ禍になって「良かったこと」もいくつかありますが、その一つが「エッセンシャル・ワーカー」という言葉の登場でしょう。これまで世間が無視していた人たちがいないとこの社会が回らないことに気がついた、ということですから。ただ、気がついただけで、高く評価する動きにつながらないのは、もどかしいものです。彼らの働きに自分たちの生活が依存している癖に、彼らを軽蔑するって、変じゃないです?映画「おくりびと」で納棺師の仕事について多くの人が知ることになったように、たとえばごみ収集の現場についての映画が作れませんかねえ。「この社会」の裏側がよく見えるのではないか、と思うのですが。【ただいま読書中】『ごみ収集とまちづくり──清掃の現場から考える地方自治』藤井誠一郎著、朝日新聞出版、2021年、1500円(税別)『ごみ収集という仕事...えっせんしゃるわーかー

  • 国会議員の地元はどこ?

    国会議員は県会議員や市町村会議員とは違って「国」のために仕事をするはずです。だったらなぜ彼らには「地元」があるんです?「地元」とやらのために仕事をするのは、県会議員や市町村会議員に任せたら?国会議員の「地元」は本来「国」のはずですから。【ただいま読書中】『元人気マンガ家のマンション管理人の日常』元人気マンガ家T著、興陽館、2021年、1200円(税別)人気のマンガ家だったはずが40歳過ぎてから連載を打ち切られ単発の仕事もなくなり「こんなはずではなかった」とあせりつつバイト生活に入ったTさんは、いくつかの職を経験して偶然マンション管理人になります。さて、そこで彼が出会った“日常"と“非日常"は……「物担」という不動産の業界用語が突然出てきて私は面食らいますが、読んでいるうちに「管理会社の物件担当」であることが自然...国会議員の地元はどこ?

  • ふかわりょう

    この人の存在をきちんと意識したのは、NHKFM「きらクラ!」でした。「そういえば同じ名前のお笑いの人を以前テレビで見たことがあるなあ」と思って耳を傾けると、なかなかの話術とクラシック音楽に対するけっこうな思いと知識を持っている人で、だから私にとってふかわりょうさんは「テレビに出てくるお笑いの人」ではなくて「ラジオで出会った音楽系の人」です。【ただいま読書中】『世の中と足並みがそろわない』ふかわりょう著、新潮社、2020年、1350円(税別)本書を読んで「いやあ、真面目な人だなあ」が第一印象です。真面目というか、ストイックというか、考えすぎというか。でもこういった態度、私は好きです。クラブには行ったことがないので著者がやっているクラブのDJという職業が具体的に何をやっているのかイメージは抱けませんが、著者の仕事ぶ...ふかわりょう

  • 人間対妖怪

    妖怪が怖いのはなぜでしょう?姿形が人間とはずいぶん違うし、何を考えているのかもわからないから?すると妖怪も人間を怖がっているのかな?姿形が妖怪とはずいぶん違うし、何を考えているのかもわからないでしょうから。【ただいま読書中】『古生物学者、妖怪を掘る』荻野慎諧著、NHK出版新書、2018年、780円(税別)「妖怪」と聞くと「荒唐無稽」と言いたくなりますが、著者は「はじめに確かな目撃例があったのに、観察が不十分だったり記録が不完全だったり、後世誇張や歪曲があったりして『妖怪』になった事例があるのではないか」と考えて古文書を改めて読んでいます。妖怪で「角があるもの(鬼や悪魔)」は人を襲う「怖い存在」です。しかし自然界では、哺乳類の鹿・牛・羊・犀・キリン、昆虫ならカブトムシやクワガタ、すべて「草食」です。早くも記紀に「...人間対妖怪

  • 掃除

    掃除は「汚れの移動」ですが、「掃除してきれいになった」と喜んでいる“裏"では、移動してきた汚れが集まって寄り汚くなった部分が生じているはずです。【ただいま読書中】『渋川春海──失われた暦を求めて』林淳著、山川出版社、2018年、800円(税別)古来「暦」は「権力の象徴」でした。暦は「天の動き」から作られますが、「暦」はつまり「天」と「時間」が合わさったもの、つまり時空間、つまり世界のすべてを示しているもので、それを管理する人間が中国では「天子」です。ところが暦に書いてある「月食」や「日食」の日付が間違っていたら、それは誰にでもわかることになり、天子はその資格を失います。ところが昔の暦はけっこう不正確だったんですよね。これでは権力者の面目が潰れます。そのため「正確な暦」を求めての改訂作業が、近世の東アジアでは中国...掃除

  • 血脈

    よく「血がつながっている」とか「血を分けた」と言いますが、卵子にも精液にも血液は含まれていませんよね。【ただいま読書中】『木曽義仲』下出積與著、吉川弘文館、2016年、2200円(税別)久寿二年(1155)源氏一族の棟梁争いで甥の義平に討たれた義賢の遺児駒王丸(二歳)は、源氏の勢力が及ばない信濃に落ちました。頼ったのは地方武士中原兼遠。その庇護ですくすく育った駒王丸は元服して木曽次郎義仲と称しました。兼遠は義仲を主君とし自分の子供たちを献身させます。「木曽四天王」のうち樋口次郎兼光と今井四郎兼平は兼遠の息子、義仲に嫁いで二人の男子を産んだ女子と巴御前も兼遠の娘でした。「平家を討伐せよ」との以仁王の令旨により、まず頼朝が伊豆で挙兵、ついで木曽義仲も挙兵します。雌伏していた源氏だけではなくて、平家に反感を持つ者や乱...血脈

  • 便乗商法

    観光地に行くと同じ土産物を「元祖○○」とか「本家○○」とか別の店で売っているのをよく見ます。だけど「開発者」がそんなにたくさんいるわけではなくて、「本当の開発者の店」と「それを真似た便乗者」とがあるはず。で、意外に便乗者の方が繁盛しているのではないかな。開発者は「開発」にエネルギーを消費して余裕がなくなっているはずですが、便乗者は「○○が売れる」ことを見極めてから「宣伝」に資源を全投入できますから。そういえばお薬も「後発品」がやたらと宣伝されています。これも温泉饅頭と同様、「便乗者」の方が繁盛している、ということでしょう。ただ、さすがに「元祖」や「本家」は名乗れないようですが。【ただいま読書中】『下級武士の田舎暮らし日記──奉公・金策・獣害対策』支倉清・支倉紀代美著、築地書館、2019年〈20年3刷)、2400...便乗商法

  • ヒマシ油

    戦前にヒマシ油は下剤でしたが、同時に飛行機用の潤滑油でもあったそうです。これで燃料が松根油だったら、とっても「ナチュラル」な戦闘機になりそうですね。【ただいま読書中】『客室乗務員の誕生──「おもてなし」化する日本社会』山口誠著、岩波書店(岩波新書1825)、2020年、840円(税別)アメリカで初の「スチュワーデス」が空を飛んだのは1930年。日本初の客室乗務員は1931年春に登場しました。東京航空輸送社は「エアガール」を募集しましたが、それを讀賣新聞は「エロ・ガール」国民新聞は「エロ・ガールならぬエーア・ガール」都新聞は「空の旅行にエロ式の進出」と伝えました。「エア・ガール」に社会(新聞記者)が期待したのは「エロ」だったのです(そのころの社会風潮が「エログロナンセンス」だったからかもしれません)。しかし東京航...ヒマシ油

  • カート・ヴォネガット

    私がこの人の作品を初めて読んだのは1970年代、まだ「カート・ヴォネガット・ジュニア」と名前にジュニアがくっついていましたっけ。最初に買ったのは東京の丸善か紀伊國屋のどちらかで「CatsCradle」と「WelcometotheMonkeyHouse」の動物づくしのペイパーバック2冊でした。英語力が無かったので「なんかニヒルだなあ」という感想しか抱けませんでしたが、今日読書した短編集の解説によると、この人の特徴は「モラル」なんだそうです。ふーむ、もう一回じっくり読まなきゃいけないなあ。でも、日本語で。【ただいま読書中】『カート・ヴォネガット全短編(1)バターより銃』カート・ヴォネガット著、浅倉久志・他訳、大森望監修、早川書房、2018年、2700円(税別)カート・ヴォネガットが残した膨大な短編を集め、テーマ別に...カート・ヴォネガット

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