88.観音さま(アヴァローキテーシュヴァラ)についてのサンスクリット語

88.観音さま(アヴァローキテーシュヴァラ)についてのサンスクリット語

観音様って、音を観るの?と気になったので、調べてみました。 「観」は、サンスクリット語からの意訳で、 「音」の方は意訳の音から来ているようで、諸説ありそうなので、 ここでは、サンスクリット語の真言と名前の由来について書きますね。 観音様の真言 オン・アロリキャ・ソワカ om ālolik svāhā ということですが、 サンスクリット語では、観音様の御本名は、 अवलोकितेश्वर(アヴァローキテーシュヴァラ)という、 男性形の言葉のようなので、 स्वाहा(捧げものをする時の言葉)は、चतुर्थी विभक्ति(第4格)を取るので、 観音様の御真言をサンスクリット語で言うと、 ॐ अवलोक्तेश्वराय स्वाहा(オーム アヴァローキテーシュヴァラーヤ スヴァーハー) となります。 観音様のサンスクリット語の名前の由来 観音様は、サンスクリット語で、アヴァローキテーシュヴァラ(अवलोकितेश्वर([avalokiteśvara])という名前で知られていますが、 ヴェーダの文化で知られている名前ではなく、仏教の中での名前のようですね。 観音様のサンスクリット語のお名前の語源ですが、 अवलोकित(アヴァローキタ)と、ईश्वर (イーシュヴァラ)という、 ふたつの言葉の複合語(サマーサ)になっています。 ईश्वर (イーシュヴァラ)は、ヴェーダの教えの言葉そのものですね。 ヴェーダーンタの教えに沿って記事を書いています。 अवलोकित(アヴァローキタ)という言葉の意味はどうでしょうか。 लोक् というのは、「見る」という意味の動詞の原型です。 これは、लोकृँ दर्शने (1A)と、文法家パーニニも定義しています。 そこに、अव [ava] というउसपर्ग(動詞への接頭語)をつけて、 さらに、「~した」という意味の、इत [ita] という動詞の原型への接尾語をつけると、 「見られた、知られた」という意味の「अवलोकित(アヴァローキタ)」という言葉が出来ます。 Wiki英語版では、अवलोकित(アヴァローキタ)を現在分詞として解釈し、 「見ているイーシュヴァラ」としていますが、 パーニニの文法では、それを裏打ちするのに決定的な規則はありません。 「その人によって、イ