唯識入門(17)
おはようございます。前回では、何を以て種子とするかについて大切なところを述べました。種子について、護法菩薩は、人間は本来的に持つ一面(本性住種・ほんしょうじゅうしゅ)と、生活を通して吸収し取得していく一面(習所成種・じゅうしょじょうしゅ)とがあって、二面が備わったのが現実の生きざまであるという人間観を確立されたのです。『大乗阿毘達磨経』には、因果の性質を、「更互(こうご)に果性(かしょう)と為(な)り、亦常(またつね)に因性(いんしょう)と為(な)ると。」と、説かれています。同時因果の教証になります。また、「有情(うじょう)は無始(むし)の時より来(このかた)種々の界(かい)有り。」とも説かれ、「界と云うは、是れ因の義。即ち種子識にして、」種子とは因性なんですね。この因相を、本頌では「一切種」といっています。『...唯識入門(17)
2020/02/23 11:36