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現代俳句選抄 https://blog.goo.ne.jp/haiku_square

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。

五島高資
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住所
宇都宮市
出身
長崎市
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2014/11/27

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  • 「オルガン」33号

    菜種梅雨パレードにひつような橋田島健一山桜なにも言わずについてくる同人をさがしてと奉じてゐる遅日鴇田智哉菜の花の群れが空気を膨らます同つま先に春の闇から届く波福田若之ゆく春に折り目があれば分けやすい同ほんたうはつばきのなかにあることば宮﨑莉々香星ぼしや見えなくなつた手に手を振る同こゑが地に届いて枝垂桜かな宮本佳世乃ともに夜を生き桜蘂降りつづく同「オルガン」33号

  • 高橋亜紀彦・句集『異邦の神』朔出版

    何度開けてもないものはない冷蔵庫高橋亜紀彦仙人掌の永き夢から醒めて赤同曼珠沙華汝もサイコパスかも知れず同白梅や詩人は生くるために書く同長き夜や使ひみちなき砂時計同出目金の泪に誰も気づかざる同高橋亜紀彦・句集『異邦の神』朔出版

  • 俳誌「牧」第15号

    月に住む時代それでも白子干仲寒蟬入口のとなりに出口牡丹園同息止めて水着売場を抜けにけり同バイナップルすら爆弾に見えてくる同出目金の赤は黒より不幸せ同俳誌「牧」第15号

  • 越智友亮・句集『ふつうの未来』左右社

    雪もよい湯気のにおいのからだかな越智友亮気を抜くと雨粒こぼす春の空同噴水の水やわらかく水に消ゆ同駆け足や宇宙は秋の空の上同金木犀両手で握手して別る同数学をやめ台風を待っている同河童忌の鉄のにおいの掌よ同稲咲いて朝をくださる光かな同革ジャンの鈍きひかりやうまごやし同白玉や今が過ぎては今が来て同相槌うって君は話さずオリオン座同川幅に橋おさまらず枯葎同越智友亮・句集『ふつうの未来』左右社

  • 加藤哲也・句集『最終列車』角川書店

    わだつみの道の遠のく秋入日加藤哲也顔見世を出て風となる一と日かな同宵闇に紛れ込みたる夏館同新涼やロダンの肘のあたりより同大人にもこどもにも降る木の実かな同蠟梅や知覚過敏を憂ひつつ同菜の花や月光菩薩立ち上がり同加藤哲也・句集『最終列車』角川書店

  • 蜂谷一人 著・句集『四神』朔出版

    ぶらんこの裏まで見せて跳びにけり蜂谷一人心太突いて夜空を滴らす同龍骨のかたちに日本南吹く同林檎むくまあるくほどけゆく時間同もう土へかへる桜でありしもの同蒼き灯の底を聖夜の魚となる同蛤の舌夕暮に触れてをり同馬跳びの最後冬夕焼と遭ふ同ひぐらしや波の広がる心字池同空蟬を残して声となりにけり同昼点いて白熱灯や虚子忌なる同蜂谷一人著・句集『四神』朔出版

  • 佐藤文香・アメリカ句集『こゑは消えるのに』港の人

    噛みてなほ七面鳥の皮の照り佐藤文香ぬかるみのあかるみを踏み友なりけり同にはとりのはぐれて一羽春の中同夏霧を鳥おりてきて馬となる同終の住処鉄扉に薔薇を這はせあり同こゑで逢ふ真夏やこゑは消えるのに同音楽のあをく膨らむ熱帯夜同佐藤文香・アメリカ句集『こゑは消えるのに』港の人

  • 「オルガン」35号

    事切れてまだ虫籠のなかにいる福田若之手に木の葉てんごくにも俳句はあるよ宮﨑凜々香木犀の届いてゐたる自動ドア宮本佳代乃心地よく浮かぶ月かたむき沈む田島健一星あかり豆腐の壁にゆきあたる鴇田智哉「オルガン」35号

  • 髙野公一 著『芭蕉の天地「おくのほそ道」のその奥』朔出版

    髙野公一先生よりご著書を頂きました。お手紙では、拙著『芭蕉百句』への温かいご批評を賜り、重ねて心よりお礼申し上げます。先生は「芭蕉の天地」で、ドナルド・キーン賞優秀賞を受賞された碩学にして恐縮至極に存じます。いずれにしましても、現代にあって、芭蕉の俳諧精神を探求する者同士として心強い思いがしました。深謝まで。髙野公一著『芭蕉の天地「おくのほそ道」のその奥』朔出版

  • 俳句雑誌「ハンザキ」2024年1月号

    冬の蝶まばゆき方へ飛びゆけり橋本石火鳶の輪の崩れて小春日和かな同父の空母の空あるなづな粥同俳句雑誌「ハンザキ」2024年1月号

  • ユプシロン第6号

    卒業の丘からのぞむガスタンク小林かんな来た路を金魚とともに引き返す同にんじんの太くて書架にトルストイ同大人になってからの友達梅三分仲田陽子ピーマンの中へ本音を詰めておく同白鳥の遺伝子をもち自由なる同灰色の象の背に乗る朧月中田美子フラスコに残る触媒昼の月同黄落のあちらこちらに庭師立つ同少しづつ空気を吐いて百合の花岡田由季数へ日の母はさつさと助手席に同初旅の関東平野のびてゆく同ユプシロン第6号

  • 中原道夫・句集『九竅』エデュプレス

    ここのつの竅の明け暮れ年つまる中原道夫鶏卵の冬日を両手囲ひなる同納豆の糸切る顔も回しけり同古墳には松の傾く日永かな同断崖に柵なく夏の終はりたる同深山にて蝶より人に会はざりし同みどりなす那須塩原を次で降り同天辺にまだ上のある曼珠沙華同中原道夫・句集『九竅』エデュプレス

  • 杉山久子・句集『栞』朔出版

    しやぼん玉息もろともにかがやくよ杉山久子魚の眼みなこちら向く寒さかな同三日月を栞としたるこの世かな同聖樹の灯人待つ人を照らしをり同ミサイルが来る風呂吹に箸の穴同杉山久子・句集『栞』朔出版

  • 黒田杏子・句集『八月』(角川書店)刊行!!

    ご夫君の黒田勝雄様よりご恵贈頂きました。生前のご厚情を思い出しては目頭が熱くなります。心より深くお礼申し上げます。兜太待つ秩父往還まむし谷黒田杏子ゆく年のどの星となく慕はしく同春雷の那須野をわたりくるこだま同兜太詩語銀河しづかに溯り同音立てて天に到れる花篝同日が昇る枕元まで青田波同一ツ火のおほむらさきのいろの闇同黒田杏子・句集『八月』(角川書店)刊行!!

  • 仲 寒蟬・句集『全山落葉』ふらんす堂

    海底に沈む神殿月日貝仲寒蟬がまの穂と答ふがまの穂かと問はれ同向日葵はおのが後ろの闇知らず同朝顔育て宇宙飛行士志望同名を付けてすぐに忘れて熱帯魚同峰雲の中に峰ある昏さかな同稲びかり猫の喧嘩に割つて入る同核弾頭ほどの筍いただきぬ同木枯に顔を置き忘れて来たり同鯉幟降ろせば太陽のにほひ同螢火や水音のして水見えず同凍滝の芯に月まで行く梯子同額の字を誰もが読めぬ敗戦日同瓢箪にくびれ作りし神を信ず同仲寒蟬・句集『全山落葉』ふらんす堂

  • 岡田由季・句集『中くらゐの町』ふらんす堂

    一〇〇〇トンの水槽の前西行忌岡田由季自宅から土筆の範囲にて暮らす同虚空よりあらはれて雉ずつとゐる同県庁と噴水おなじ古さかな同岡田由季・句集『中くらゐの町』ふらんす堂

  • 小川軽舟・句集『無辺』ふらんす堂

    面あげ耳澄ますなり花の谷小川軽舟夜が昼にのしかかるなり真葛谷同たつぷりと見し初夢の覚めて無し同光源は太陽一つ初景色同見つけたり鳶かも知れぬ鷹ひとつ同小川軽舟・句集『無辺』ふらんす堂

  • 恩田侑布子・句集『はだかむし』角川書店

    蕾んではひらく空あり夏つばめ恩田侑布子宙ゆらぐ前に帰らん夏の闇同山茶花や天の眞名井へ散りやまず同生れたての雲かづきては瀧めぐり同蝙蝠にしはくちやの夜の始まりぬ同月光をすべり落ちさう湯舟ごと同凧糸をひく張りつめし空を引く同富士山頂色なき風の鳥居かな同恩田侑布子・句集『はだかむし』角川書店

  • 黛まどか・句集『北落師門』文學の森

    青空のどこかが弛み梅香る黛まどか竹煮草いづくで憑きしひだる神同面より底ひの水の真澄かな同月光の浮かせてゐたる力石同滴れる山を重ねて高野山同ためらはず沈む夕日も秋水忌同黛まどか・句集『北落師門』文學の森

  • 俳誌「ユプシロン」No.4

    日盛を座頭鯨の遠ざかる中田美子春眠の深きところに息をする岡田由季月上がるかすかに草の匂いして小林かんな凩やオリオンの股抜けてきし仲田陽子俳誌「ユプシロン」No.4

  • 龍太一・句集『HIGH・QUALITY』飯塚書店

    火星大接近山蟻畳這ふ龍太一人類の化石は未完天の川同言靈の辭典に宿る秋灯同龍太一・句集『HIGH・QUALITY』飯塚書店

  • 津髙里永子・句集『寸法直し』東京四季出版

    掃除機を動かすまでの春うれひ津髙里永子春月と豆電球をつなぐ駅同枯蓮に水音敗者復活す同津髙里永子・句集『寸法直し』東京四季出版

  • 向瀬美音 編『国際俳句歳時記[冬・新年]』ふらんす堂

    向瀬美音編『国際俳句歳時記[冬・新年]』ふらんす堂

  • 髙柳克弘・句集『涼しき無』ふらんす堂

    名をもらひ赤子も花の世の一人髙柳克弘寒卵世界はすでに終わつてゐる同どつさりと星ある夜の蛙かな同髙柳克弘・句集『涼しき無』ふらんす堂

  • 俳句結社誌「俳諧旅団 月鳴」第参号 狐尽出版

    鶏頭花ざわざわ続く疫病かな中内亮玄秩父山系ゆっくり頷く春の野生同あらたまの光混み合う鶏舎かな同俳句結社誌「俳諧旅団月鳴」第参号狐尽出版

  • 俳誌「オルガン」28号 2022 spring

    音楽やとほくにこほり見にゆけり宮本香世乃春の木が爛れて窓が開けてある田島建一逃水の向うが今の時刻かな鴇田智哉星のない土が耕されて眠る福田若之俳誌「オルガン」28号2022spring

  • 俳誌「丘の風」第29号 三田俳句丘の会

    特別寄稿芭蕉飛び込むー古池の句に込められた芭蕉のメッセージ行方克巳俳誌「丘の風」第29号三田俳句丘の会

  • 俳句誌「豆の木」No.26

    いつかつかう箱うつくしく春の家こしのゆみこ光る字を押すと湯の沸く雪夜かな田島建一心音をふたつ並べて月を待つ月野ぽぽな砲台にあぢさゐのありありとある宮本佳世乃茅の輪くぐる脱獄のよう室田洋子後輪のもたもたとして曼珠沙華大石雄鬼見返しを銀河と思ふ漢詩集岡田由季こいのぼり方向音痴でも愉快小野裕三俳句誌「豆の木」No.26

  • 仁平勝 著『永田耕衣の百句』ふらんす堂

    夢の世に葱を作りて寂しさよ永田耕衣朝顔や百たび訪はば母死なむ同死螢に照らしをかける螢かな同仁平勝著『永田耕衣の百句』ふらんす堂

  • 近藤栄治 著『昭和俳句の挑戦者たち』創風社出版

    近藤栄治著『昭和俳句の挑戦者たち』創風社出版

  • 林桂・俳句詞華集『鍾愛百人一句』

    夜氣といふは花の匂ひや水明り渡邊水巴人間に火星近づく暑さかな萩原朔太郎青年鹿を愛せり嵐の斜面にて金子兜太林桂・俳句詞華集『鍾愛百人一句』

  • 有賀眞澄・句集『愛密集』虹蜺舎

    死人花風を揺らして揺るるらし有賀眞澄秋扇少年打擲して開く同夜は反射朝はあまがみする反射同有賀眞澄・句集『愛密集』虹蜺舎

  • 水野真由美・句集『草の罠』風の花冠文庫

    水に還る途中を枇杷の花咲けり水野真由美雲少しあふれて鬱金桜かな同夏野へとピアノを運び出す男同水野真由美・句集『草の罠』風の花冠文庫

  • 渡辺誠一郎 著『佐藤鬼房の百句』ふらんす堂

    切株があり愚直の斧があり佐藤鬼房陰に生る麦尊けれ青山河同みちのくは底知れぬ国大熊生く同渡辺誠一郎著『佐藤鬼房の百句』ふらんす堂

  • 堀田季何・句集『人類の午後』邑書林

    一九三八年一一月九日深夜水晶の夜映寫機は碎けたか堀田季何戰爭と戰爭の閒の朧かな同日の本の中心や色變へぬ松同堀田季何・句集『人類の午後』邑書林

  • 村松二本・句集『月山』角川書店

    合歓の花どこまでもゆく舟に乗り村松二本月山を前に座りぬ露の玉同ゆきゆきてアジアの奥に月見かな同村松二本・句集『月山』角川書店

  • 谷口智行・句集『谷口智行集』俳人協会

    指を嗅ぐ少年蝶を放ちしか谷口智行裏返す死者へこの世の冬銀河同神ときに草をよそほふ冬の月同谷口智行・句集『谷口智行集』俳人協会

  • 髙野公一・評論集『芭蕉の天地「おくのほそ道」のその奥』朔出版

    髙野公一・評論集『芭蕉の天地「おくのほそ道」のその奥』朔出版

  • 上野犀行・句集『イマジン』飯塚書店

    目の玉がUFOを呼ぶ鳥威し上野犀行ディランの詩もて平成の日記果つ同イマジンに始まるラジオ冬銀河同上野犀行・句集『イマジン』飯塚書店

  • 中原道夫・句集『橋』書肆アルス

    みはるかすはるのかすみはくはねども中原道夫兄事する石塊のありひきがへる同それまでのことこれからのこと落葉して同中原道夫・句集『橋』書肆アルス

  • 岡田耕治・句集『使命』現代俳句協会

    てのひらを一度上向け春耕す岡田耕治散る花の中を昇れる花のあり同天道虫声を立てずに笑いけり同よく空を飛べる形に羊歯飾る同落蝉やもう一度飛ぶ形して同どこまでも正解のない秋の空同てのひらを落ち着かせたる冬林檎同もう少し電車にいたい秋の暮同岡田耕治・句集『使命』現代俳句協会

  • 永田満徳・句集『肥後の城』文學の森

    風を呼び風に従ひ凧上がる永田満徳薄氷の縁よりひかり溶けてゆく同大波に攫はるるごと昼寝かな同黙すまで聞き役となる涼しさよ同鶴の声天の一角占めにけり同天草のとろり暮れぬ濁り酒同年迎ふ裏表なき阿蘇の山同落葉踏む音に消えゆく我が身かな同過去のごと山重なりて夕霞同夏蒲団地震の伝はる背骨かな同争ひの双方黙る扇風機同白鷺のおのれの影に歩み入る同追はざれば振り返る猫漱石忌同春の雪いづれの過去のひとひらか同巌一つ寒満月を繫ぎ止む同不知火や太古の舟の見えてきし同永田満徳・句集『肥後の城』文學の森

  • 長谷川櫂・句集『太陽の門』青磁社

    かすてらを切るや薔薇の芽みな動く長谷川櫂吉野山咲きみちて花におぼるる桜かな同花びらや今はしづかにものの上同滅びゆく宋を逃れて昼寝かな同PET検査さみだれや人体青く発光す同振り返りみれば巨大な蟻地獄同さまざまの月みてきしがけふの月同口を出でて言葉さすらふ枯野かな同ほころびて唇となる椿かな同ひるがへり水に隠るる金魚かな同月に寝るここちこそすれ月の山同その中の光のもるる胡桃かな同富士山のどこを切つても春の水同マスクして人間の顔忘れけり同龍の骨月の光に埋もれけり同揺れながら魂ねむる古酒(くーす)かな同長谷川櫂・句集『太陽の門』青磁社

  • 佐藤文香・句集『菊は雪』左右社

    桃の葉の裏へ這ひ入る星あかり佐藤文香夕野分こころ拾つてゆきにけり同岸までを夜空の満たす朧かな同ひとつある夕日を冷やす地平かな同かしはばあぢさゐ祈りは喉をのぼりくる同冬のみづひき惑星の夜と夜を結ぶ同ゆめにゆめかさねうちけし菊は雪同佐藤文香・句集『菊は雪』左右社

  • 「鷗座」2021.7

    千円の野口英世と梅雨じめり松田ひろむ夜の街夜の男の夏の風邪同COVID禍文月の妻を抱きあげて同新名句入門「新型コロナウイルス感染症と俳句11」よりウイルスにたっぷり効かす山葵漬松田ひろむウイルスに入口出口五月闇同みなみ風海坂藩にウイルスは同コロナウイルス肥後守などよく研いで同ウイルス禍茅の輪を何度くぐっても同拙句「ウイルスと共に翌なき春を生く五島高資」もお取り上げ頂き心よりお礼申し上げます。「鷗座」2021.7

  • 赤間学・句集『白露』朔出版

    連凧につながつてゐる地球かな赤間学魚の骨きれいにぬけて十三夜同蕎麦の花イーハトーブの風になる同被災者の戻る麦の穂月夜なり同赤間学・句集『白露』朔出版

  • 藤原龍一郎 著『赤尾兜子の百句』ふらんす堂

    秋炊ぐ聖書に瓦斯の火がおよぶ赤尾兜子音楽漂う岸侵しゆく蛇の飢同さしいれて手足つめたき花野かな同藤原龍一郎著『赤尾兜子の百句』ふらんす堂

  • 木暮陶句郎・句集『薫陶』ふらんす堂

    体ごと振るフライパン春隣木暮陶句郎音の無き刻をつないで流れ星同湯たんぽの命と思ふ湯をそそぐ同宇宙みな回りて轆轤始かな同毛の国の起伏を滑る初日影同水音の透けてをりたる谷若葉同太陽のかけらも運び蟻光る同水と土ぶつけて轆轤始かな同木暮陶句郎・句集『薫陶』ふらんす堂

  • 洪郁芬・郭至卿 著『歳時記』醸出版

    中国語圏で最初の本格的歳時記。383の季語、1863句が収録されており、華文俳句における貴重な歳時記となっている。洪郁芬・郭至卿著『歳時記』醸出版

  • 松本龍子・句集『龗神』現代俳句協会

    薄氷の星にとけゆく水の音松本龍子傷口のやうに桜のあふれをり同仰向けに星をつかみし兜虫同落葉焚く龗神を鎮めけり同月光を背負ひて登る夜の蝉同松本龍子・句集『龗神』現代俳句協会

  • 金子敦・句集『シーグラス』ふらんす堂

    流星や分数にある水平線金子敦露の世のスマートフォンの重さかな同裸木と聖樹の枝の触れ合へる同金子敦・句集『シーグラス』ふらんす堂

  • 渡辺誠一郎・句集『赫赫』深夜叢書

    枯れるもの枯れを尽くして命継ぐ渡辺誠一郎三月の海が薄目を開けるとき同打水やうしろの影を濡らしては同原子炉はキャベツのごとくそこにある同渡辺誠一郎・句集『赫赫』深夜叢書

  • 谷原恵理子・句集『冬の舟』俳句アトラス

    星するり体を抜けるスキーの夜谷原恵理子再び会ふ夏蝶すでに傷つきて同鞍馬山降りひとの世にかき氷同眉にふれ淡海にふれ春の雪同椿落つ大地に伝ふ波の音同雪の鯉音なき水に生きてをり同谷原恵理子・句集『冬の舟』俳句アトラス

  • 塩見恵介・句集『隣の駅が見える駅』(朔出版)

    世を捨ても世に捨てられもせずさくら塩見恵介ゴールデンウィークをアンモナイトする同白バイの前輪薔薇を嗅いでいる同噴水の前で止まっている家族同楽しくはないがいそぎんちゃくゆれる同塩見恵介・句集『隣の駅が見える駅』(朔出版)

  • 加藤直克・句集『葆光』(22世紀アート)

    雫のみ光る桜となりにけり加藤直克臭蜉蝣ひたいに星を宿したり同地の果てにコスモス抱く曙光かな同舞ひながら舞を脱けゆく秋の蝶同竹伐りて星降る道の通ひたる同崩れゆく雲の放てる昼の月同囓られし柱に消へるうさぎかな同七草粥すする灯りの暗さかな同沈む陽の大きさのまま冬終はる同肩寄せる牛乳びんの夜明け前同加藤直克・句集『葆光』(22世紀アート)

  • 加藤直克・句集『葆光』(22世紀アート)

    雫のみ光る桜となりにけり加藤直克臭蜉蝣ひたいに星を宿したり同地の果てにコスモス抱く曙光かな同舞ひながら舞を脱けゆく秋の蝶同竹伐りて星降る道の通ひたる同崩れゆく雲の放てる昼の月同囓られし柱に消へるうさぎかな同七草粥すする灯りの暗さかな同沈む陽の大きさのまま冬終はる同肩寄せる牛乳びんの夜明け前同加藤直克・句集『葆光』(22世紀アート)

  • 菊池洋勝・句集『聖樹』(毎週web句会)

    春暁や尿する音に寝たふりす菊池洋勝春爛漫ナースに糞を褒めらるる同風船にたとふ腹腔鏡手術同菜の花や逆さに立てるマヨネーズ同種のある葡萄と後で聞かされる同菊池洋勝・句集『聖樹』(毎週web句会)

  • 高岡修・句集『凍滝』ジャプラン

    蝶の骨顔にかくして山河とす高岡修斧の柄を春の日射しが来て握る同ほどかれて風船自由を見失なう同凍滝のなか月光の氷りたる同高岡修・句集『凍滝』ジャプラン

  • 黛執・句集『春がきて』角川書店

    朽ち果てし舟を根方に藪椿黛執奥つ城に隣れる田より打ちはじむ同枯山の枯れの極みに水の音同星よりも水のきらめく聖夜かな同春がきて日暮が好きになりにけり同黛執・句集『春がきて』角川書店

  • 野中亮介・句集『つむぎうた』ふらんす堂

    ぜんまいの月の中まで伸びあがる野中亮介風船の捕まえたがるやうに飛ぶ同春の月桶をあふれて天にあり同銀漢の尾に触れて鳴るオルゴール同野中亮介・句集『つむぎうた』ふらんす堂

  • 中西夕紀・句集『くれなゐ』本阿弥書店

    空耳に返事などして涼新た中西夕紀刃となりて月へ飛ぶ沖ノ島同信号に止まり狐と別れけり同海の日を車中に入れて帰省かな同竹伐りの竹曳く道も竹の中同中西夕紀・句集『くれなゐ』本阿弥書店

  • 朝吹英和・句集『光陰の矢』ふらんす堂

    戦場に繋がる海や野分雲朝吹英和靴下の穴に始まる大枯野同年輪の声聞く霜の夜更けかな同音階の行きどまりにて鶴凍つる同光陰の矢に刺し抜かる晩夏かな同朝吹英和・句集『光陰の矢』ふらんす堂

  • 海程・香川 発足十周年記念アンソロジー 青むまで

    てのひらをこぼるる刻よ冬すみれ野﨑憲子石を積むこと息をすること涼し月野ぽぽな空缶に闇のはげしき修司の忌小西瞬夏海程・香川発足十周年記念アンソロジー青むまで

  • 林亮・句集『歳華』西村謄写堂

    海のみか空もまた菜の花の沖林亮あるはずの後ろをなくす帚草同コスモスへ風の都の遷る見ゆ同鉄橋の数だけ渡る天の川同枯菊に燃ゆる音燃え移る音同林亮・句集『歳華』西村謄写堂

  • 谷口智行 編『平松いとゞ全集』邑書林

    野遊につゝじを掘つて来りけり平松いとゞ酷寒の瘴癘の地の孰れとも同谷口智行編『平松いとゞ全集』邑書林

  • 山内繭彦・句集『透徹』角川書店

    陽炎や大気の底に住み古りて山内繭彦その先の湖の明るさ麦の秋同吹かれゐて敗荷風を弄ぶ同山内繭彦・句集『透徹』角川書店

  • 柿本多映句集・高橋睦郎編『拾遺放光』深夜叢書

    ピアノ鳴る家や西日の鬼瓦柿本多映満水の池を覆へり春の空同何喰はぬ顔の出てくる氷室かな同陽炎を跨いで入る非常口同八月の鯨のやうな精神科同柿本多映句集・高橋睦郎編『拾遺放光』深夜叢書

  • 黒田杏子・句集『木の椅子』(増補新装版)コールサック社

    十二支の闇に逃げこむ走馬燈黒田杏子金柑を星のごと煮る霜夜かな同月の稲架古墳にありてなほ解かず同休診の父と来てをり崩れ簗同青桃に夕陽はとどく天主堂(カテドラル)同日に透けて流人の墓のかたつむり同黒田杏子・句集『木の椅子』(増補新装版)コールサック社

  • 「俳句新空間」No.13(2020 初冬 )実業公報社

    「俳句新空間」No.13(2020初冬)実業公報社

  • 坊城俊樹・句集『壱』朔出版

    読初の夜は彗星を栞とし坊城俊樹狼の夢の中にも星流れ同蕉翁の蛙も亀も鳴いてをり同喧嘩して違ふ夕焼見て帰る同坊城俊樹・句集『壱』朔出版

  • 神野紗希・句集『すみれそよぐ』朔出版

    はつなつの音符のような寝癖かな神野紗希きよしこの夜ヘルメット脱げば海同人生ゲーム抜けてさくらのすべり台同神野紗希・句集『すみれそよぐ』朔出版

  • 鴇田智哉・句集『エレメンツ』(素粒社)

    滝壺の風のひろがりつづけたり鴇田智哉くさむらを出てゐる虹に苦みあり同コンセントから蛤になる雀同鴇田智哉・句集『エレメンツ』(素粒社)

  • 干野風来子 句集『風のささやき』MIYUKI文庫

    秋天や丹の橋渡る雲巌寺干野風来子爽籟の北岳いまし蒼き山同霧蒼き黒髪山を拝ろがむる同雲ながる那須野が原の稲穂波同遠花火いつもあなたは笑ふだけ同干野風来子句集『風のささやき』MIYUKI文庫

  • 松尾紘子 句集『追想』MIYUKI文庫

    白百合の咲き継ぐ不確かな日々を松尾紘子山の端をあそび疲れて小望月同眠り浅き夜はアンタレスの誘惑同モンローの唇永久に夜の秋同ゆく秋や伊奈良の沼の舫ひ船同松尾紘子句集『追想』MIYUKI文庫

  • 加藤哲也・俳論『概論 中原道夫』実業公報社

    加藤哲也・俳論『概論中原道夫』実業公報社

  • 加藤哲也・俳論『俳句の地底』実業公報社

    加藤哲也・俳論『俳句の地底』実業公報社

  • 佐藤郁良・句集『しなてるや』ふらんす堂

    春を待つ前売券が二枚あり佐藤郁良静電気帯びる会話や室の花同鏡よりはやく走れり冬の川同佐藤郁良・句集『しなてるや』ふらんす堂

  • 茨木和生・句集『潤』邑書林

    水槽に鯛が足されて春近し茨木和生妻と来しことのある野に青き踏む同茨木和生・句集『潤』邑書林

  • 川越歌澄・句集『キリンは森へ』 俳句アトラス

    立春やキリンのこぼす草光る川越歌澄百合の花咲く幾夜を寝そびれて同竹の春いま来た道の消えてをり同錬金術師またきのこ殖やしてしまふ同シリウスが燃える限りは待つてゐる同川越歌澄・句集『キリンは森へ』俳句アトラス

  • 寺澤始・句集『夜汽車』ふらんす堂

    あれは火星これは金星あぢさゐ空間寺澤始風鈴の一つ鳴りたる帰郷かな同秋灯や夜汽車の模型走らせる同寺澤始・句集『夜汽車』ふらんす堂

  • 山本洋子句集『寒紅梅』角川書店

    山本洋子句集『寒紅梅』角川書店

  • 白戸麻奈句集『東京の地下鉄』ふらんす堂

    白戸麻奈句集『東京の地下鉄』ふらんす堂

  • 辻内京子句集『遠い眺め』ふらんす堂

    辻内京子句集『遠い眺め』ふらんす堂

  • 鷲巣正徳句集『ダ・ヴィンチの翼』

    鷲巣正徳句集『ダ・ヴィンチの翼』

  • 竹岡一郎句集『けものの苗』ふらんす堂

    竹岡一郎句集『けものの苗』ふらんす堂

  • 嶋田麻紀著『自註・菊池麻風』再読(ふらんす堂)

    嶋田麻紀著『自註・菊池麻風』再読(ふらんす堂)

  • 佐藤郁良句集『しなてるや』ふらんす堂

    佐藤郁良句集『しなてるや』ふらんす堂

  • 茨木和生句集『潤』邑書林

    茨木和生句集『潤』邑書林

  • 高岡修句集『剝製師』深夜叢書社

    高岡修句集『剝製師』深夜叢書社

  • 水内慶太句集『水の器』本阿弥書店

    水内慶太句集『水の器』本阿弥書店

  • 永島靖子著『冬の落暉を』邑書林

    永島靖子著『冬の落暉を』邑書林

  • 片山由美子句集『飛英』角川書店

    菖蒲湯を出て夕刊をひらきけり片山由美子八月や花はひかりを引いて落ちあやまちは人の世のこと返り花若水の刃のごとき光かな秋風の踏絵は板に戻りたる片山由美子句集『飛英』角川書店

  • 高山れおな『切字と切れ』邑書林

    帯分には、「総合的切字論」<「切れ」が俳句の本質でもなければ伝統でもなく、1960〜70年代に切字説から派生した一種の虚妄であることをあきらかにする>と書かれているが、そもそも作者独自の「切れ」という詩法自体についての言説に乏しく、偏った論者の「切れ」論の援用に止まっているのは残念である。終いには「前略〜なんだかはっきりしない奥深いもの「切れ」。」と吐露されているが、「切れ」の詩法そのものがよく分からないのに「切れ」が俳句の本質でもなければ伝統でもなく云々と言えるのだろうか。参考までに先達の「切れ」に対する考察を以下に付記しておく。ハイクにとって問題なのは、五・七・五による三行詩といった外部構造よりも、むしろ、「切れ」を含んだ内部構造にある。〜中略〜一句の陳述の間を形作り大きな暗示力を生み出す「切れ」こそは、俳...高山れおな『切字と切れ』邑書林

  • 小川軽舟『朝晩』ふらんす堂

    バスタオル胸に取り込む躑躅かな小川軽舟白菜に水道の水かがやける同夕空は宇宙の麓春祭同遠く来て近所のごとし花祭同立葵小溝も潮の差しきたる同小川軽舟『朝晩』ふらんす堂

  • 現代俳句文庫ー84 朝吹英和著『朝吹英和句集』ふらんす堂

    水澄むや黒曜石の鏃研ぐ朝吹英和くるぶしに海の音聞く十三夜同山猫の瞳に映る神の旅同現代俳句文庫ー84朝吹英和著『朝吹英和句集』ふらんす堂

  • 高山れおな『冬の旅、夏の旅』(朔出版)

    これがまあコンスタンティノポリスの夕焼けなる高山れおな富士火口なにもかも吸ふ夏のはて同月並のはらわた孵る月白や同高山れおな『冬の旅、夏の旅』(朔出版)

  • 坂口昌弘『毎日が辞世の句』東京四季出版

    坂口昌弘『毎日が辞世の句』東京四季出版

  • 筑紫磐井『虚子は戦後俳句をどう読んだか』深夜叢書社

    筑紫磐井『虚子は戦後俳句をどう読んだか』深夜叢書社

  • 『西川徹郎研究』第一集 茜屋書店

    『西川徹郎研究』第一集茜屋書店

  • 斎藤信義『雪晴風』朔出版

    ももの日の人形の影ひとの影斎藤信義明け方の天女が原の淑気かな同雪晴れやアイヌコタンの空舟同斎藤信義『雪晴風』朔出版

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