千年の影引く影や姫小松高山れおなさわらびや何を握りて永き日を同玉苗のふるへたふとし水は空同地球より溢れ荒川雪の夜を同昭和百年源氏千年初鏡同我が狐火も霜夜は遊べ狐火と同息白き別れは星の匂ひかな同時の日の湖光りつつ眠る同挽歌降るべし雲雀ほど高きより同高山れおな・句集『百題稽古』現代短歌社
2025年5月
千年の影引く影や姫小松高山れおなさわらびや何を握りて永き日を同玉苗のふるへたふとし水は空同地球より溢れ荒川雪の夜を同昭和百年源氏千年初鏡同我が狐火も霜夜は遊べ狐火と同息白き別れは星の匂ひかな同時の日の湖光りつつ眠る同挽歌降るべし雲雀ほど高きより同高山れおな・句集『百題稽古』現代短歌社
2025年5月
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千年の影引く影や姫小松高山れおなさわらびや何を握りて永き日を同玉苗のふるへたふとし水は空同地球より溢れ荒川雪の夜を同昭和百年源氏千年初鏡同我が狐火も霜夜は遊べ狐火と同息白き別れは星の匂ひかな同時の日の湖光りつつ眠る同挽歌降るべし雲雀ほど高きより同高山れおな・句集『百題稽古』現代短歌社
鎌倉の人の涼しき胡坐かな林誠司母の日や遠くまあるく土星の輪同江の島へ向かつて水を打ちにけり同人は座し水はいそげり春の山同わたつみへ雲かぶせたり富士の秋同林誠司・句集『海光』(俳句アトラス)
吃音のあとの静寂に小鳥来る福本啓介月朧抱きしめられてゐたりけり同昼月と共に過ごせり保健室同小春日の昨日に我を置いて来し同さくら咲き記憶喪失終はりけり同福本啓介・句集『保健室登校』文學の森
また回り出す年越の換気扇髙野ムツオ無辺へと千手を垂らし菊枯れる同不立文字風に渦巻く落葉こそ同天の狼咆哮雪が降り出せり同冬の蝿昨日の朝日今日も浴び同終末に備え固まる黒海鼠渡辺誠一郎数え日や終わらぬ旅の旅衣同産声を忘れ宣戦布告かな同「小熊座」2025年2月号
障子貼りゐていつの間に囲まれし今瀬剛一冬の星糸で繋いで贈らむか同瀧凍り始める寒さかと思ふ同ショール巻いて母が見えなくなりしかな同やがて会ふはずの枯野の二人なり同瀧深く隠して山の眠るなり今瀬一博鮟鱇の腹の白さよ雪催同目瞑れば吾も大柚冬至風呂「対岸」2025.2
ペンギンの胸の広さや春隣大木あまり霜の花忘るるために歩きけり同鎌倉の水羊羹と無常観同マスクして逢ふや双子座流星群同立ち泳ぎするかに揚羽飛ぶことよ同入院も旅と思へば冬うらら同大木あまり・句集『山猫座』ふらんす堂
くらい水すきとほらせる花火かな大屋達治大年の街の音聞く橋のうへ同大山に脚をかけたる竈馬かな同海に出てしばらく浮かぶ春の川同泳ぎより立つとき腕を翼とす同日蓮が妙と叫びし初日かな同捨てし田を豊葦原へ還しけり同大屋達治・句集『大屋達治集』(俳人協会)
薔薇咲くや抜歯のあとのあをぞらを鈴木総史とんばうや蝦夷にあをぞらあり余る同背広にも晩年のあり漱石忌同薬飲むみづのまばゆし風信子同鈴木総史・句集『氷湖いま』ふらんす堂
山上の雲の厚さや田水張る藺草慶子水底のかくも明るく冴返る同水渡り来し一蝶や冬隣同片雲の遠く光りて夏きざす同光陰のなだれ落ちたるさくらかな同藺草慶子・句集『雪日』ふらんす堂
火柱の見えしと思ふ白雨かな石田郷子暗がりに人詰めてをる里祭同寄せ合へる椅子のまちまち天の川同冬林檎剝けば夕べの月の色同万の枝けぶらふバレンタインの日同石田郷子・句集『万の枝』ふらんす堂
にんげんの回転木馬さくら散る増田まさみ何処へも戻らぬひとよ冬花火同手花火の手の入れ代わるニルバーナ同空蝉にまだ陽の残る浅きゆめ同二つ折り厳禁とあり天の川同増田まさみ・句集『かざぐるま』霧工房
街灯は待針街がずれぬよう月野ぽぽな真水汲むように短夜のFM同松茸に太古の空の湿りあり同まだ人のかたちで桜見ています同太陽は遠くて近し芒原同手袋に旅立ちの指満たしけり同月野ぽぽな・句集『人のかたち』左右社
友情にイルカが跳ねる時を待つ十文字潤夕焼けが捨てた光に救われて栗原知也誰が夢を空へ紡ぎて五重塔星野煌太「零文学」第十三号(群馬県立太田高等学校文芸部)
地平の目まだ半びらき真葛原佐怒賀正美乗るによき父の背いつか天の川同地球まだ知られぬ星か磯焚火同亀鳴くや天の沖には磁気嵐同くねりだす街の石みち鳥渡る同青嵐や骨のみで立つ電波塔同佐怒賀正美・句集『黙劇』本阿弥書店
黒海は波高くして春遠し田中信行空白を控へめに埋め冬すみれ同夕立に打たれ心の解毒かな同田中信行・句集『プリムローズの丘』(日経BPコンサルティング)
大井恒行さんより『水月伝』(ふらんす堂)を頂きました。心よりお礼申し上げます。覚悟なき死のおびただし核の冬大井恒行覚めているほかは眠りぬ鈴の風同ひかりなき光をあつめ枯れる草同赤い椿大地の母音として咲けり同行方わからぬ光放てり手の林檎同大井恒行・句集『水月伝』ふらんす堂
春満月戦車渋滞していたり中内亮玄微笑みの凄まじきこと落椿同曼珠沙華火の骨組みに緩み無く同「月鳴」第5号(狐尽出版)
この星の春を盡すや又震ふ高橋睦郞踝に雲さやりつぐ川禊同變若水や有爲の奥山㝱深く同春惜む綾取りの橋壊しては同三界は火宅風宅三の酉同山や水有情無情や皆目覺む同高橋睦郞・句集『花や鳥』ふらんす堂
菜種梅雨パレードにひつような橋田島健一山桜なにも言わずについてくる同人をさがしてと奉じてゐる遅日鴇田智哉菜の花の群れが空気を膨らます同つま先に春の闇から届く波福田若之ゆく春に折り目があれば分けやすい同ほんたうはつばきのなかにあることば宮﨑莉々香星ぼしや見えなくなつた手に手を振る同こゑが地に届いて枝垂桜かな宮本佳世乃ともに夜を生き桜蘂降りつづく同「オルガン」33号
大井恒行さんより『水月伝』(ふらんす堂)を頂きました。心よりお礼申し上げます。覚悟なき死のおびただし核の冬大井恒行覚めているほかは眠りぬ鈴の風同ひかりなき光をあつめ枯れる草同赤い椿大地の母音として咲けり同行方わからぬ光放てり手の林檎同大井恒行・句集『水月伝』ふらんす堂
春満月戦車渋滞していたり中内亮玄微笑みの凄まじきこと落椿同曼珠沙華火の骨組みに緩み無く同「月鳴」第5号(狐尽出版)
この星の春を盡すや又震ふ高橋睦郞踝に雲さやりつぐ川禊同變若水や有爲の奥山㝱深く同春惜む綾取りの橋壊しては同三界は火宅風宅三の酉同山や水有情無情や皆目覺む同高橋睦郞・句集『花や鳥』ふらんす堂
菜種梅雨パレードにひつような橋田島健一山桜なにも言わずについてくる同人をさがしてと奉じてゐる遅日鴇田智哉菜の花の群れが空気を膨らます同つま先に春の闇から届く波福田若之ゆく春に折り目があれば分けやすい同ほんたうはつばきのなかにあることば宮﨑莉々香星ぼしや見えなくなつた手に手を振る同こゑが地に届いて枝垂桜かな宮本佳世乃ともに夜を生き桜蘂降りつづく同「オルガン」33号
何度開けてもないものはない冷蔵庫高橋亜紀彦仙人掌の永き夢から醒めて赤同曼珠沙華汝もサイコパスかも知れず同白梅や詩人は生くるために書く同長き夜や使ひみちなき砂時計同出目金の泪に誰も気づかざる同高橋亜紀彦・句集『異邦の神』朔出版
月に住む時代それでも白子干仲寒蟬入口のとなりに出口牡丹園同息止めて水着売場を抜けにけり同バイナップルすら爆弾に見えてくる同出目金の赤は黒より不幸せ同俳誌「牧」第15号
雪もよい湯気のにおいのからだかな越智友亮気を抜くと雨粒こぼす春の空同噴水の水やわらかく水に消ゆ同駆け足や宇宙は秋の空の上同金木犀両手で握手して別る同数学をやめ台風を待っている同河童忌の鉄のにおいの掌よ同稲咲いて朝をくださる光かな同革ジャンの鈍きひかりやうまごやし同白玉や今が過ぎては今が来て同相槌うって君は話さずオリオン座同川幅に橋おさまらず枯葎同越智友亮・句集『ふつうの未来』左右社
わだつみの道の遠のく秋入日加藤哲也顔見世を出て風となる一と日かな同宵闇に紛れ込みたる夏館同新涼やロダンの肘のあたりより同大人にもこどもにも降る木の実かな同蠟梅や知覚過敏を憂ひつつ同菜の花や月光菩薩立ち上がり同加藤哲也・句集『最終列車』角川書店
ぶらんこの裏まで見せて跳びにけり蜂谷一人心太突いて夜空を滴らす同龍骨のかたちに日本南吹く同林檎むくまあるくほどけゆく時間同もう土へかへる桜でありしもの同蒼き灯の底を聖夜の魚となる同蛤の舌夕暮に触れてをり同馬跳びの最後冬夕焼と遭ふ同ひぐらしや波の広がる心字池同空蟬を残して声となりにけり同昼点いて白熱灯や虚子忌なる同蜂谷一人著・句集『四神』朔出版
噛みてなほ七面鳥の皮の照り佐藤文香ぬかるみのあかるみを踏み友なりけり同にはとりのはぐれて一羽春の中同夏霧を鳥おりてきて馬となる同終の住処鉄扉に薔薇を這はせあり同こゑで逢ふ真夏やこゑは消えるのに同音楽のあをく膨らむ熱帯夜同佐藤文香・アメリカ句集『こゑは消えるのに』港の人
事切れてまだ虫籠のなかにいる福田若之手に木の葉てんごくにも俳句はあるよ宮﨑凜々香木犀の届いてゐたる自動ドア宮本佳代乃心地よく浮かぶ月かたむき沈む田島健一星あかり豆腐の壁にゆきあたる鴇田智哉「オルガン」35号
髙野公一先生よりご著書を頂きました。お手紙では、拙著『芭蕉百句』への温かいご批評を賜り、重ねて心よりお礼申し上げます。先生は「芭蕉の天地」で、ドナルド・キーン賞優秀賞を受賞された碩学にして恐縮至極に存じます。いずれにしましても、現代にあって、芭蕉の俳諧精神を探求する者同士として心強い思いがしました。深謝まで。髙野公一著『芭蕉の天地「おくのほそ道」のその奥』朔出版
冬の蝶まばゆき方へ飛びゆけり橋本石火鳶の輪の崩れて小春日和かな同父の空母の空あるなづな粥同俳句雑誌「ハンザキ」2024年1月号
卒業の丘からのぞむガスタンク小林かんな来た路を金魚とともに引き返す同にんじんの太くて書架にトルストイ同大人になってからの友達梅三分仲田陽子ピーマンの中へ本音を詰めておく同白鳥の遺伝子をもち自由なる同灰色の象の背に乗る朧月中田美子フラスコに残る触媒昼の月同黄落のあちらこちらに庭師立つ同少しづつ空気を吐いて百合の花岡田由季数へ日の母はさつさと助手席に同初旅の関東平野のびてゆく同ユプシロン第6号