小説 死神 第二章 原因は
第二章原因は言葉が出なかった。いきなり「私は死神です」と言われて、「そうでしたかご苦労様」と言える度量など持ち合わせていないこともあるが、「何を馬鹿なことを」という感覚が脳裏を飛び交っていた。「想定の範囲外と言う顔してるな。理解できないのは無理からぬことだが、つまりあれよ、お前さんが今置かれている立場ってのはそういうことよ。」管理官と呼ばれる老人が言うことが全然解釈できない。したくない。ヤヤちゃんと呼ばれる女性がさらに事務的にたたみかけてくる。「お宅様はまだお亡くなりになってはいませんが、不慮の事故で瀕死の状態になっているというのが現状でございまして、そこんところ、ご理解いただけますか?で、ですね、お宅様の意識だけが今ここにいらっしゃるわけでございましてね。」「ちょ、ちょっと待ってください。じゃぁ、私は死ぬんで...小説死神第二章原因は
2020/09/30 00:00