野中光正氏の最近作を展示して。
おそらく15年近くになるのでしょうが、野中さんは、日記を書くように毎日朝の9時から12時までの3時間の間に1枚の作品を仕上げるのを日課にしています。今回の展示会では、その膨大な数の作品の中から私がピックしたものを時系列に従って並べて見ましたが、彼の内部で生起する出来事および事実がより一層鮮明に感じられるようになりました。過去から現在まで、一作家の濃密な「今」の連続を一気に眺めわたすことができる、企画者であり鑑賞者であるがゆえの特権を味わうことができました。彼にはシュルレアリストのように内奥の自我を探ろうという、あるいは、西洋の抽象画のように概念的な思考のレベル、形而上的な世界へと探求を進めようという意図もありません。むしろ、最初にそういう意図があることを、創作の喜びを疎外するものとして、彼は嫌うのです。日々移り...野中光正氏の最近作を展示して。
2019/09/28 12:24