江圀香織「犬とハモニカ」いつもながら、ちょっと不穏で、ふわふわした不思議な触感。
犬とハモニカ 内容(「BOOK」データベースより) 空港の国際線到着ロビーを舞台に、渦のように生まれるドラマを、軽やかにすくい取り、「人生の意味を感得させる」、「偶然のぬくもりが、ながく心に残った」などと激賞された、川端賞受賞作。恋の始まりと終わり、その思いがけなさを鮮やかに描く「寝室」など、美しい文章で、なつかしく色濃い時間を切り取る魅惑の6篇。 *★*――――――――――*★**★*――――――――――*★* 短編集。一番印象深かったのは、「アレンテージョ」。 マダエルが本当に好きなのは、酒ではなく酒のある場所。 そこには会話があり、沈黙があり、人がいて関係が生まれる。あるいは潰える。 時…
2020/04/20 07:40