日本美の再発見
ブルーノ・タウト/篠田英雄訳/岩波新書1939年6月28日初版、1964年10月10日第22刷。1933年来日、1934年から1935年高崎にて指導、1936年イスタンブールへ去るまでのたった3年間のことであるが、建築物以外にも、富山や新潟・佐渡、秋田、青森、仙台の旅行では、第二次大戦前の昭和初期の日本の実情を実によく著わしているように思う。野山、海辺の風景、人々の暮らし、そんな中に見え隠れする日本文化の流れを見出した著者の文化に対する見識、建築物に対する見識には鋭いものがある。伊勢神宮や桂離宮に、日本建築の源泉を見たのは、やはり第三者(外国人)だったからなのだろうか。「建築の聖詞」とまで言われても、当の日本人はすでにその価値を見失い、西洋の模倣に懸命に励んでいるようだ。改めて指摘されて、その形容しがたい価値に...日本美の再発見
2022/02/18 14:49