国境の銃弾
―警視庁公安部・片野坂彰―濱嘉之/文春文庫2019年8月10日初版。著者には12年ほど前「ハニートラップ」で初めてお目に掛かる。その後「オメガ」「聖域侵犯」「ゴーストマネー」などを既読。いずれも警視庁の「情報官」「諜報課」「公安部」等が背景の警察モノ。共通する話の特異性としては、舞台が日本だけでなくアジア、アメリカ、ヨーロッパに及ぶことかもしれない。グローバルな警察モノである。今回は、韓国との国境に近い対馬・比田勝で起きた韓国からの旅行者集団を襲った狙撃事件。「一発の銃弾で三人が死亡」した殺人事件から始まる。使用された銃弾はちょっと変わったファインセラミック弾だった。この弾丸と使用された銃(SAM-R)の出所を探して捜査は開始する。技術的或いは政治的、宗教的背景を確認しながら、捜査は世界中に広がってしまう。政治...国境の銃弾
2020/11/23 12:26