俳句殺人事件
―巻頭句の女―齋藤眞爾編/光文社文庫2001年4月20日初版。12人の俳句に絡むアンソロジー。ミステリー短編集。俳句は自己消失の、沈黙の、無の文学。究極の文学。無音、沈黙、死の闇が周囲を覆い、俳人は廃人となる。先ず一発目は、その道の大御所から。Ⅰ・松本清張「巻頭句の女」・戸坂康二「句会の短冊」・五木寛之「さかしまに」・結城昌治「紺の彼方」・佐野洋「紙の罪」・泡坂妻夫「恋路の吟行」Ⅱ・笹沢左保「虻は一匹なり」・高橋義夫「殺すとは知らで肥えたり」・新宮正春「旅の笈」Ⅲ・塚本邦雄「囀りのしばらく前後なかりけり」・中井英夫「目をとぢて・・・」・勝目梓「死の肖像」五七五の俳句はトンと縁が無いが、ミステリーと聞けば読まない訳にはいかない。何とこの一冊で十二人もの作家が登場する。何とも豪華なアンソロジーである。更には偶数ペー...俳句殺人事件
2020/03/30 14:10