岡本と僕のその後
あれは僕が大阪市立大学の1年の頃だったと記憶している。僕の半血の姉、長崎京子が、僕を岡本の自宅に呼んでくれたのだ。阪急を岡本駅で降りて、六甲山へ向いた坂を歩いていった。左に甲南大学の校舎を見ながら、結構急な坂を登った覚えがある。<阪急・岡本駅>この日の京子との出会いは、僕のその後の人生において大きな出来事だったと、後になって分かってきた。彼女のご主人が、日本郵船のハンブルグ支店長の任期を終えて、二人で日本に帰って来て、この地、岡本に住み始めた。その家へ、僕を呼んでくれたのだ。ご主人の映吉さんとは、見ず知らずだが、京子姉とは帰国したら会おうという約束はできていた。<ハンブルグ港>とても素敵な家だった。庭からは足元に芦屋の街、神戸の街、そして遠くには淡路島の影も見える南向き斜面の大きな家で、おそらく東灘区の桜坂近辺...岡本と僕のその後
2021/07/18 05:30