猫爺の、ど凡人俳句「早春」

猫爺の、ど凡人俳句「早春」

◇灯油売りの声未だ止まず春霙(はるみぞれ)例年ならば3月に入れば聞かれなくなる灯油屋さんの声が、今年はまだ聞こえてくる。今冬の寒さと長さにはまいった。◇啓蟄(けいちつ)や望まぬ客か娘(こ)の悲鳴夜中に、娘が「助けて-」と飛び込んできた。「何事か」と尋ねてみれば、「五木武利」が出たのだそうであった。要するに越冬した雌だ。尻に卵を付けていなかったので、どこぞに産み付けたのであろう。今年の夏が思い遣られるぞ。◇蓬摘む妣(ひ)の手の皺よ温もりよ蓬が芽吹くと、懐かしいく妣(はは)の手づくり「草団子」を思い出す。今はスーパーへ行けば安物では3個100円で買えるが、でも違うんだなぁ。第一、期待感が違う。妣に付きっ切りで蓬の匂いを嗅ぎながら蒸しあがるのを待っている、あのわくわく感が愛おしい。温かくなれば、また「小説を書いてみよ...猫爺の、ど凡人俳句「早春」