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ただ好きだという、この気持ち。 https://kisschoko.blog.fc2.com/

お仕事系BL小説ブログ。医療系シリーズ中心に更新中。基本あまあま、時々じれじれヒリヒリ。R18あり。

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2014/06/22

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  • 【覚え書き】ありふれた風景35

    【初出】2019.08.12-? 拍手お礼ページに掲載************ わあ、これに至っては、いつまで表示してたのかさえ覚えてないという!(泣) 地下に潜ってる期間のどこかで、拍手御礼ページは画像のみに切り替えたんですけども、はてさて、それはいつだったか・・・まあもう別にどうでもいいか←え そんなこんなで、一年前の夏のお話です。2020年の夏とのギャップかすごい(苦笑) だけどいつかきっと、こんな日常に戻れる日が来ますよ...

  • ◆ありふれた風景35(7)◆

    ああこのひと本当にずるい、と長谷川は内心、白旗を掲げる。 このタイミングで、しかも医者の顔じゃなくあくまで恋人の顔のままでそういうことを言われたら、こっちはもう、ぐうの音も出ない。医者としても、恋人としても。 振り回されっぱなし、手のひらの上で転がされっぱなし。そんな状況が、でもちょっと心地よくもあって、尚更どうしようもない。「・・・皮膚科に診てもらう暇がなくて、適当な市販薬を塗ってますけど。でも...

  • ◆ありふれた風景35(6)◆

    絶句した長谷川の横で、向井はなおも言葉を継いだ。最早その口調は完全に面白がっていて、それが長谷川にはくやしい。「邪推の内容について説明するとだな。そういうところに付けられたってことは、手を掴まれて、頭の上あたりで固定する形で腕の内側を露出させられたのかな、とか。他にいくらでも愉しい場所があるのに敢えてそこ、てのも、一周回ってむしろいいかもな、とか。あと、」「って、これ以上まだ何かあるんですか!?」...

  • ◆ありふれた風景35(5)◆

    「そっか。そりゃ失礼」 くす、と笑って向井は言い、洗い物を手伝ってくれた。長谷川が洗った皿を受け取って、布巾で拭いてから戸棚に仕舞っていく。 水切りかごに並べて一晩放っておいても別に構わないのだが――というか、どちらかが単独でそうやって片付ける方が多いのだが――、並んでシンク前に立つという行動自体が嬉しくて、長谷川も敢えて止めなかった。 そして向井は、ついでのようにしてこう言う。「おまえがどういう奴か...

  • ◆ありふれた風景35(4)◆

    即時型反応は、虫刺されによるアレルギーのタイプのひとつで、虫に刺された直後から痒みや赤み、ミミズ腫れなどの反応が現れるが数十分で治まる、というものだ。 向井の言う通り、刺された回数――つまり年齢によって、遅延型から即時型に変化していくことが多い。 教科書的に更にいうならば。 乳幼児期は遅延型反応が顕著に起こり、幼児期から青年期にかけてはどちらの反応も起きるが、青年期から壮年期では即時型反応のみとな...

  • ◆ありふれた風景35(3)◆

    「僕、昔から、虫に刺されるとこんなふうになっちゃうんです。刺されたばかり時は痒みも腫れも大したことないのに、時間が経つとひどくなって。特に、間歇的な痒みが深刻ですね。最短でも一週間くらいは続くかな」 こんな主訴、向井はきっと聞き慣れていて、もう回答も頭の中に浮かんでいるだろうに。 それでも長谷川の話を切ろうとはせず、ただ頷きながら聞いてくれている。 それがなんだか嬉しくて、でもその一方で素人のよう...

  • ◆ありふれた風景35(2)◆

    夏でも長袖のシャツに固執する、その本当の理由。 それを自覚するたびに長谷川は、情けないようないたたまれないような、それでいてどこかくすぐったいような、複雑な気分になる。 夏の長袖シャツなんて、単純に暑いし、それこそ素肌にくっつくし、だから袖口を二、三度折り返さずにはいられないのだけれど。 それでも着続けるのは単に、 向井と同じ格好がしたいから。 恋に落ちたばかりの頃も、パートナー同士となって五年...

  • ◆ありふれた風景35(1)◆

    「あれ? 長谷川、」 向井にそれを見つけられたのは、夕食の後片付けに取りかかろうとした時だった。「これ、どうした?」 重ねられた皿を取ろうと伸ばした腕――上腕部内側のやや手首寄りの位置に、ひとつだけぽつりと盛り上がった小さな発赤。それを指さされ、長谷川は苦笑した。「ああ、これ。ただの虫刺されです。蚊かな。通勤の時、つい袖口をまくってしまうので」 夏場でも長袖のワイシャツを着るようになったのは、向井の...

  • 【覚え書き】ありふれた風景34

    【初出】2019.04.30-2019.08.11 拍手お礼ページに掲載************ いやもう、これ書いてから一年ちょいですか・・・軽く呆然。書いた当時のこと、全然覚えてません←おいおい。 アップしたのが四月末ですから、新年度から新しい生活に入った数多の新人さんたちとそれを指導する方々へのエール、的な感じで書いてた・・・んじゃないでしょうかね? あれイヤだ、ほんとに覚えてない(笑) まあそんなこんなで、研修医くんに手こずる長...

  • ◆ありふれた風景34(7)◆

    眉尻を下げた長谷川に、向井はニッと笑ってみせる。「おまえは間違ってないよ。そんなナメた態度で医療に関わられたら、迷惑だ。まして患者にしてみりゃ、迷惑どころか犯罪に近いものがある。もしそいつがこれでパワハラだの何だの言い出すようなモンスター系だったとしても、出身大学にきちんと説明すれば頭を下げて引き取っていくさ。それにな」 ふと、向井は表情を改めた。それからおもむろに言葉を継ぐ。「そういう輩は同業...

  • ◆ありふれた風景34(6)◆

    「まあ見てろって。そんなスカしたことを言ってられるとこをみると、外科系や救急はこれからなんだろ? 体育会系の恐いおっさんたちにこてんぱんに叩きのめされて、お願いですから総診に入れてくださいって縋ってくるぞ」 笑いの気配をまだ語尾に宿したままで向井がこう言って、長谷川はぷいとそっぽを向いた。「そんなことしても入れてやりませんよ、あんな不心得者」「そうだな。今のメンタリティのまま成長しないんだったらな...

  • ◆ありふれた風景34(5)◆

    ――だからこの先、専門領域を選ぶとなっても、苦労する科には行く気なくて。 ――消去法で選ぶことになると思うんですけど。そういう意味では総診、アリかなって思うんですよ。 ――要は他科へ振り分ければいいんですよね? そこまでで業務終了なんですよね。「僕、つい、怒鳴っちゃって。ふざけんな、って」 消え入りそうな声でそう続けると、向井はこらえきれなくなったように爆笑した。 どうやら、ステータスという単語が出た...

  • ◆ありふれた風景34(4)◆

    そう提案してはみたけれど、鼻先で笑われただけだった。で? と有無を言わさない口調で催促され、長谷川はしぶしぶ打ち明けた。「中学生の時、憧れてたんです。保健室の先生に」 ついうつむいてしまいながら、長谷川は当時のことをぽつぽつと語った。 中学に進学した頃の長谷川は、神経性の胃痛や頭痛を起こしがちだったこと。 そんな時に保健室に行くと、養護教諭は決して追い返したりはせず、いつも優しく迎え入れてくれた...

  • ◆ありふれた風景34(3)◆

    答える長谷川の声は、自然と小さくなった。「・・・誰彼構わずなんて訊いてないですよ。向井先生だけです」 で、どうなんですか。そう迫ると、向井はうーんと唸りながら視線を泳がせた。「そうだなあ、俺の場合は・・・自分の性格と適性を考慮した結果、かな。自助努力で能力を身につけていけば、ある程度誰とでも対等に話ができる職業であることがまず第一。で、その中でも、些細なヒントをもとに診断を自在に組み立てられる総診とい...

  • ◆ありふれた風景34(2)◆

    それはまあ、と頷いてから。 長谷川は、複雑な気分で問い返した。「・・・今みたいなことがスッと言えるってことは、向井先生にもそんな頃があったってことですか?」「そりゃそうだよ」 と向井はまたもあっさりと言った。「どんな職業でもそうだろうけど、医者なんてのは特に、一度とことんぺしゃんこにされて、根底からアイデンティティを崩壊されとかないとまずいだろ。でなきゃ、ナントカに刃物を持たせるようなもんだ。危な...

  • ◆ありふれた風景34(1)◆

    自分が研修医だった頃、どんなふうだっただろうか。 そんなことを最近、長谷川はよく考える。 初期研修医だった頃。そしてレジデント時代。 いずれもまだ、昔といえるほどの年数を経てはいない。なのに随分、遠いことのような気がするのは――「向井先生のせいですよ」 敢えて断じた長谷川の向かい側で、向井はさも心外だというような眉を上げた。 お互い残業で遅くなり、夕食はそれぞれ病院で簡単に済ませてはきたものの、向...

  • 誰がために鐘は鳴る◆あとがき

    終了いたしました・・・! 久々の向井×長谷川、いかがでしたでしょうか。 いやー、戻ってこられるとは思わなかったです(笑)。いやほんとに。 沈黙していた間は、小説を書く部分が、なんというんでしょうか、死に絶えた? みたいな状態でしたね。 なのにどうして再開できたのか、自分でも判りません←おい。 だけど、今この時期にこのお話が書けて、良かったです。 事実は小説より奇なり、と昔から言いますけれども、今、...

  • 誰がために鐘は鳴る(24)

    「はるかさんの処・・・は、なつめちゃんがいるし、直接の会話は避けた方がいいでしょうね。メモと一緒にお菓子でも差し入れましょうか」 長谷川がこう言うと、向井も淡々と頷いた。「そうだな。モノの選定はおまえに任せていいか」「了解です。あと、『もう一品』ですね。また二人分に戻してもらいましょう」 これには向井は、あからさまに嬉しそうな顔を見せた。しかも、「あそこのメシ、久々だな。楽しみだ」 などと言うので、...

  • 誰がために鐘は鳴る(23)

    思わず目を見開いた長谷川に、向井は真剣な顔で説いた。「そもそもウイルスとの闘いに勝つカギは免疫力だぞ。それを高めるには、おまえにしっかり触れて充填するのが一番手っ取り早いんだ」「栄養ある食事と充分な睡眠、とかじゃないんですか!?」「それと同じレベルで、おまえが必要なんだよ」 ここで向井はじろりと長谷川を見やった。「何だよ。おまえは違うのか? 俺のことは別に要らない?」「っな、わけないでしょう! 僕...

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