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夢見月夜曲 http://yumemizukiyakyoku.blog.fc2.com/

日高千湖のオリジナルBL小説ブログです♪『薄き袂に宿る月影』はこちらへ移動しております。

日高千湖
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2014/02/17

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  • 合縁奇縁・60

    三木社長が「1時間」と言ったら確実に

  • 合縁奇縁・59

    「牛丼弁当は要らないと連絡した方がいいかな?」それとも・・・。昼ご飯を食べながら、スマホで今日の先生のスケジュールを確認してみた。ホームページでは先生のテレビ、ラジオ出演や取り上げられた雑誌などが紹介され、書店でのサイン会やトークショーは日時と場所が告知されている。「今日は午後3時から渋谷でトークショーか。終わるのは5時くらいかな?」即売会とサイン会がセットになっているなら一時間では終わらないだろ...

  • 合縁奇縁・58

    三木社長は昼過ぎに宛名作成の仕事を持ってきてくださった。プリンターを抱えてやってきた彼は、大量の封筒と宛名シールを運び込んだ。黒川店長を社長として《サラダボックス・B》を法人化する。その挨拶状を発送する為の宛名シール作成とそれを封筒に貼る作業だ。「顧客名簿の整理を君にお願いしていたからね。これをお願いするよ」 「ありがとうございます」「簡単だろう?」「はい。これくらいなら明日にはお渡しできます」...

  • 合縁奇縁・57

    調子の良い事に、先生がお帰りになると寂しい。毎晩の訪問を困った事だと思っているけれど、一人になると急に寂しくなる。さっきまで気安く会話をしていた人が消えた椅子を見ただけで猛烈に人恋しくなる。本当は、あと少しだけここに居てくださいませんか?と声を掛けたかった。「また明日」と言って帰る先生に「明日はご遠慮させて頂きます」と言った僕。それを今は後悔している。もう明日はお見えにならないかもしれないと思う...

  • 合縁奇縁・56

    「顔色、良くなったね」「ありがとうございます。おかげさまで平熱になりました」「うん。良かった」買ってきた弁当をチンして、手を合わせて「いただきます」と言う清家先生に僕は呆れるしかない。三木社長のお手製スープを「美味い」と言って飲んでいるその顔は満足げだ。「食べたらすぐにお帰りください」「嫌だ」「僕は病人ですから」「そう?元気そうだけど?」「元気にはなりましたが

  • 合縁奇縁・55

    三木社長お手製の弁当とコーンポタージュを食べてから熱を測ると37度。「37度だね」「これは違います!何かの間違いですから!おかしいな?今朝は確かに36度台だったのですが。そうだ、これは温かいコーンポタージュを飲んだからです!」僕は真剣なのに、三木社長は子どもを相手にしているかのような返事をした。「ああ、そうだね。俺も写真で見たよ。稲村くん、焦らなくてもいいんだよ。大丈夫だよ。大人しく寝てればすぐ...

  • 合縁奇縁・54

    先生が消えた玄関で、ボーッとドアを見ながら僕は呆れるしかない。「どうして明日も来るんだよ?僕はインフルエンザなんだぞ?」先生は本当にインフルエンザに罹ったのだろうか?2ヵ月前と言ったよな?嘘じゃないよな?「いや、ここへわざわざ感染しに来る必要はないわけだし・・・」誰しも高熱を発したくはないはず。インフルエンザの症状の辛さは、普通の風邪とは全く違うのだ。先生だって一度くらいは体験した事があるはず。...

  • 合縁奇縁・53

    ロールケーキは3センチくらいの厚みに切ってあった。病人には多過ぎるんじゃないかと思ったのだが、先生なりに一生懸命切ってくださったのだろうと思い口には出さなかった。大きさにもインパクトがあって、雑な切り方で見た目が少々悪くはあるが味は抜群に良い。生クリームとカスタードクリームのダブルクリームも甘さが程々でフルーツにもよく合う。やっと食欲が回復し始めていた僕でもペロリと平らげられるくらい美味しかった...

  • 合縁奇縁・52

    「このままでもいいか」「いいわけがないでしょう!」振り返ると目の前に清家先生の顔。その端正な横顔にドキリとして、僕は逃れるチャンスを失ってしまった。近過ぎる位置にある顔を見ていられなくて、僕は顔を元の位置に戻してしまう。しまった。振り払えば良かったんだ。清家先生は僕の後ろから余裕で長い腕を伸ばし、コーヒーカップに置いたドリップパックに湯を注いだ。ふわりとコーヒーの香りがしたが一瞬だった。僕の鼻はい...

  • 合縁奇縁・51

    強引に部屋に入ってきた清家先生。お土産の袋だけを受け取って押し返そうとする僕を押し退けて靴を脱ぐ。新幹線が混んでいたとか、出版社との打ち合わせが長引いたとか、あなたの事情は知りませんよ!「遅くなっちゃった、ごめんね。待ってた?」よくも、しゃあしゃあと!「誰が中に入っていいと言いましたか!」「稲村さん」「私はそうは申してはおりません!」「もういいだろう?お邪魔しまーす」清家先生は煩そうに僕を見て、...

  • 合縁奇縁・50

    夕食はお粥とチキンのトマト煮。三木社長が自宅で作ってこられた鶏モモ肉、ニンジンにジャガイモ、玉ねぎがたくさん入ったトマト煮は抜群の味だ。全ての具材が柔らかく煮込んであり、口の中でホロホロと崩れていくモモ肉が野菜の旨味を吸って美味い。見た目は胃がもたれそうなトマト煮だったが、食べてみるとさっぱりしていて美味しい。トマトの酸味と野菜の甘味が程よくマッチして体力を回復させたい僕にはありがたい一品だった...

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