この世界は信じることによって成り立っている (その2)
前回記事では科学理論というのは帰納法と演繹法によって組み立てられているというようなことを述べました。確実な事実からの帰納と論理的な演繹からなる科学は正しいもの、そのように18世紀の人々は思っておりました。しかし、イギリスの哲学者(歴史学者でもある)デイヴィッド・ヒュームが、「帰納法は論理的に正しいとは言えない」と言い出したのです。科学というのはいろんな事象を整理して、「こういう場合にはこういうことが起こる」という法則を見出す学問です。具体的に事例から導き出した一般法則を他の事例に適用できるためには、「同じ条件なら同じことが起こる」ということが前提でなければなりません。その前提を自然の斉一性と言います。ウィキペディアには次のように記述されています。≪自然の斉一性原理≫「自然界で起きる出来事は全くデタラメに生...この世界は信じることによって成り立っている(その2)
2024/09/26 10:55