禅的真理観
一般に科学とは現象の背後にある真理を追究するものと考えられている。しかし禅仏教においては、「現前しているものそのものが究極の真理であり、隠されているものなど何もない。」という態度で世界に望むのである。「あるがまま看よ」というのはそういう趣旨の言葉である。望遠鏡のない時代においては天動説が科学的には十分な学説であった。しかし、望遠鏡が発明され観測技術が進歩すると、天動説ではどうしても説明できないことが色々とあらわになってくる。結局現在では地動説が正しいということが常識となっている。しかし忘れてはならないのは、天動説も地動説も同じ「この世界」についての説明であるということである。天動説から地動説に代わっても「この世界」は依然として同じ世界であるということを忘れてはならない。そのことを指して、禅仏教では「有るが...禅的真理観
2023/06/25 06:25