雪の章(10)
「護衛ですか。監視の間違いではございませんか?」 憎まれ口が戻ったのが嬉しくて、土方は思わず笑ってしまった。それだけの元気があれば大丈夫だろう。 「達者でな」 颯爽と羽織をひるがえして、土方は茶岡を後にした。 持ち出す荷物は少なかった。 午後には市中を離れ、西に向かった。急ぐ道中でもないが、夕方には宿場に着いておきたかった。 この日は朝から晴れて、歩いていると暑いくらいだった。 宿場も近くな…
2022/02/19 14:25
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