鬼の章(43)
「知らぬ」 苛立ちもあった。不甲斐ない自分自身に対する怒りもあった。 芹沢鴨が亰都に戻ってから、これまでとは決定的に異なる何かが動き出していた。その何かに抗うでもなく、流されるでもなく、服部は唯戸惑うばかりだった。そんな現状や、そうする事しか出来ない自分に対する怒りもあった。 怒りは服部の力を引き出す筈だった。窮地に陥って、そこから導かれる力というものもある。 しかし、この場では状況を覆すには至…
2020/10/19 00:34
2020年10月 (1件〜100件)
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