初鰹の話 ちょっと時期はずれですが
初物、ことに初鰹に寄せた江戸の人々の関心は熱狂的なものでした。 ‘女房を質に入れても食べたい’初鰹は正月ごろに鹿児島沖に到着し、その後黒潮に乗り初夏相模沖に到達します。 鎌倉、小田原あたりの漁師が採った初鰹は東京湾入り口で特別な高速船に積み替えられ、江戸日本橋の魚河岸に運び込まれます。 冷凍設備のなかった時代、鮮度の落ちやすい生の魚を運ぶため「押送船オシオクリブネ」 という当時の最高速の船で運ばれたのです。 この押送船、細長い船体に片側4挺ずつの櫓があり、8人の船頭さんが一斉に漕ぐ高速船で、魚荷専用のクール宅急便のような存在でした。 最初に入荷されたものが正式には初鰹ですが、これはとても庶民が口に出来るものではありません。 まず将軍家に献上され、残りを超高級料理茶屋や限られたセレブ(人気歌舞伎スタ..
2014/02/27 18:02