仮の話
夜中目が醒めて なかなか寝付けない 宝くじに当たったことでも夢想して 眠りにつこうと思った 買ってもいないが 3億円当たった事にした さて 誰にあげようか 次々に身内の顔が浮かんだ 我が子にやるのは当然だが 親類のA子には沢山あげたい B子や C男には やりたくないな 親類の誰彼を取捨選択しているうちに あることに気づく 思い浮かぶ顔の中に 夫の身内がいないのだ 夫の親類には お世話になった人達が沢山居り 親しく付き合ってもいる それでも ものを分け与える時は 血の濃いい者の方に 心がかたむいているのだ 公平無私と自認していたつもりが 無意識のうちに偏りの中にある自分を見つけ これは 亡き夫に…
2019/05/26 12:14