時代
「時代」煮え切らないアイデアと冷え切ったホットティー窓外の鴉と視線が合った不意に遮断された緊張感絵筆を止めた私の心の隙にかの中世詩人が耳元で囁く「言葉なんて無粋だ」と登場人物はみな凡人描くのはそんな物語数えきれない働き蜂が無限にも思える有限の中で巣から半径10キロ圏内を行っては帰り行っては帰り行ってはまた帰りまた行ってはまた帰りその生態系が損なわれた今蜂は過去を懐かしみ現実を受け止め未来を憂い尊びでも、本当は常識という概念が変えようのない秩序が、法則がすこし崩れたことを喜んでいる年老いた哲学者は涙する自らの唱え続けた学説がこのカタストロフィの中ついに証明されたことをこの時代、ある者は咲き誇り、またある者は果てる桜の季節はとっくのとうに終わりを告げ自然の緑が深まり、狂おしい夏に向かうそして、花という花が咲き、幾万...時代
2021/05/23 08:43