思いの想い 自分だけの思い出

思いの想い 自分だけの思い出

放課後の生徒会室は、初夏の風がふうっと通っていて気持ちがいい。この間まで寒い寒いと言っていた可憐も、魅録にエアコンの掃除をさせるほどだ。室内の窓と簡易給湯室の窓が開いているから、風がよく通る。ソファに横たわっているとうとうとしてしまう。本当に気持ちがいい。窓の外は澄んだ青い空。本当の夏が近い。こんな日は、ちょっと昔のことを思い出す。ほんのちょっと昔の、くすぐったい思い出。その日、珍しく朝早い登校を...