『批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く」/北村紗衣
イギリス文学者、批評家の北村による、批評の入門書。楽しむための方法としての批評、に焦点を当てて、その方法や理論について、具体的に例を挙げながら語っている。精読→分析→アウトプット、の順で実際に批評を行うにあたってのヒントが書かれているわけだけれど、全体的に、批評ってそもそもどういうもの?というような初心者向けの内容という感じで、内容は浅め。ある程度批評や批評に関する文章を読んだことがある人にとっては、新味は少なく、まあ簡潔にまとめてある一冊だな、というくらいの感想になってしまうかもしれない。 とはいえ、ちょっと冷静にかんがえてみれば、自分自身が本書で挙げられているような批評の方法をじゅうぶんに使いこなして様々な作品を味わっているのかというとぜんぜんそんなことはない、ということに気づかされるわけで、たとえばこんな文章が俺には刺さった。
2023/05/20 21:00