『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』/加藤陽子
東大の歴史学教授である加藤が、栄光学園の中高生たちに行った5日間の講義をベースに書かれた一冊。日清戦争から太平洋戦争まで、近代日本の戦争の歴史がテーマになっている。 講義は、加藤が生徒たちに史料(報告書、書簡、日記、地図など)や歴史家の意見を提示しては、いろいろな質問――「(日露戦争前の)ロシアは、日本が韓国問題のために戦争に訴えてでも戦うつもりであったことに、なぜ気づかなかったのでしょうか?」、「イギリスはなぜ、日本が日英同盟の名によって大戦に参戦するのをよろこばなかったのでしょうか?」など――を投げかけ、彼らが一生懸命それに回答していく、という流れで進んでいく。 もちろん、栄光の生徒でしか…
2020/02/24 22:01