チョコレート揚羽蝶

チョコレート揚羽蝶

チョコレート揚羽蝶 21世紀に入って20年近くが過ぎようとしている。2月上旬、老いも若きも、学童から大人まで、かの国の女性たちは、こぞってにわかショコラティエと化す。同国で年間に消費されるチョコレートの大半は、聖バレンタイン・デーの直前に販売され、さらに多くは作り手の秘密の意図を込められて姿を変えるのだ。 産み出された作品の中には、ときに珍品も混じる。東西文明の食文化融合が産んだ「泡沫芸術」作品かもしれない。かつて写実主義的な珍品が見られたこともあった。 今年また、直近の伝統を継承する三人の乙女たちの合作が、傑作 Papilio scelerisque となって、ある男に届いた。それを口に入れる前に、男は写真撮影を禁じえなかった。 ▲Papilio scelerisque A chocolate swallowtail butterfly Sin..