読書感想 『零式戦闘機』 吉村昭

読書感想 『零式戦闘機』 吉村昭

読書感想 『零式戦闘機』 吉村昭 今年も終戦の季節になった。映画やドラマなどでしか、第二次大戦の一端を垣間見るほかあまり、その実録に触れてみる機会がなかった。いわゆる「零戦(ゼロ戦)」という戦闘機の草創期と衰退期を通して、日本の戦争の状況、戦局を吉村氏は描いている。この手法は『戦艦武蔵』にも通じる。 人間の誰かを主人公とするのではなく、人間が作り上げた人工物の栄枯盛衰がいかに戦争の在りようを左右...