こころのなかに積まれた想い出や、触れ合った記憶。迎える日々の愛しさやもどかしさ。じょうずな感情の手放し方を探す旅をしています。
ふつふつときた時にだけ、書く。
もうすぐ 年が暮れるからって あなたが磨いてくれた窓のこちら側で 子犬のように並んで 鉢植えの花が寒空を視ている 後ろ姿が かわいい 冷たい風が吹けば 枯れて終うのは自然の摂理だけど そばに居て欲しくて 硝子の内側に入れた 我がまま 南国の花ブーゲンビリアは置き場所を変えると ほとんどの花と葉を落とすいつも いさぎよい どんなにこれからでも 蕾も若葉も…
一軒の家を隔てて 前には 線路が走っていた 数分置きにやってくる 規則的な振動と騒がしさと 知らず知らずに 終電に始発は時計代わり ふくろうのため息と鶏の雄叫び あの頃は 憂いたこともあったけれど 今は 想いふくらむ 夜が更けて 街が寝静まると 懐かしい列車のリズムが 遠くから響いてくる 枕に 耳を着けて眼を閉じる ガタン ゴトン… ガタン ゴトン…… 眠るまで もう少し走っていて ああ…
いつも 気になるもの 鳥の翼 プラスチックのような脚 魚のひれ うろこ エラの閉開 猫の瞳 しっぽのクネリ 犬の耳 心臓の鼓動 兎の鼻 背中の丸み ネズミの手 忙しい前歯 イルカの笑い顔 話し声 トンボの複眼 首の捻り などなど それから あなたの枯れた声 咳の音 わたしの脳トレ 筋トレ 人間の五感と 生物の五感 わたしよりずっと優れた耳が ぴくぴく動いてると 何処の音を聴いてるの?って…
「いつか解かるよ。」と 言ったら 「いつかの話ばかりする」って 苛立った顔をした 今はまだ 判らないことが沢山あるよ 発展途上の道半ばだもの 言葉だけじゃ 仕方ないんだ 時を重ね 少しずつ登り詰め 坂の上に立った時 初めて視える景色があるんだ 昔 やっぱり私も解らなかった 今だから解る感情がある みんな 待てなくなっていく 想像を頭の中でひろげる前に 答えが知りたい バーチャルで見せてよ 今…
さっきから ぱんぱんっ!と音が鳴っている ビービー弾で狙われているみたい 身体を硬くして 辺りを窺う 逃げた方がいいのかな お隣で 焚火の薪が爆ぜてるのかな 家宅捜索をしたら 犯人は鞘のなかの花の種だ 窓際で陽を浴び 鞘がふたつに割れている お皿の上でくるくると カールしたマカロニだ 螺旋によじれて寝そべっている 種はジャンプして 床の上に着地している そうか そうだね 自分からだね 待…
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