曽根崎心中
恋愛も結婚も当事者の男女には自由のなかった江戸時代には、相愛の二人が結ばれるには駆け落ちか心中しかなかったが、駆け落ちと言っても関所の制約があったろうし、見知らぬ土地での無宿者という不安定な生活も容易ではなかろう。最後の手段が心中ということになる訳で、秘かに家を抜け出し死に場所を求めて歩く道行きが、大きく関心を呼ぶことになったのは、近松門左衛門のこの曽根崎心中からだという。身分の差、家柄の違い、親の不理解などいろいろあろうが、とにかく相愛の二人が周囲の祝福を受けて結ばれることは簡単ではなかったようだ。話は逸れるが、昨年から話題の「内親王と一民間青年」の結婚問題は、時代が違ったらこうも違うかと真逆の出来事だった。江戸期の二人なら夜間人知れず家を抜け出して彷徨い結局は川を渡った彼岸の世界しか行く場所は無いとこ...曽根崎心中
2022/11/30 21:30