一期一会 早春の別れ
雲一つない空のあたりに早春の冷気を漂わせて風が吹きわたっている。 体調も良く快適に朝の家事諸々を終えて新聞を読む。 コロナの文字があちこちにあって目障りなこと。気持まで落ち込みそう。 そして何気なく見ていた「お悔み」欄で見つけてしまった。 一瞬息が詰まった。胸がどきどきした。 もう一回目を見開いて亡くなった人の名前を確認する。 丁度一か月前の雨の土曜日、私は一か月に一回ある文学セミナーの会場に行った。 一月は欠席したので今年になって初めてだ。 いつもの部屋に人の気配がなく準備されている様子もない。どうしようと思っている所へ 彼女が来たので二人で事務室に行き休講を知った。 玄関で降りしきる雨を見ていると彼女が声をかけてくれた。 私は二十年近く通っていたけど彼女は初めてだと言う。 お互いに自己紹介してこの人が陽子さんと知った。 ..
2020/03/23 11:57