雪と湯の花と君と
ホームへ降りたら湯の花の香り君は白い息を吐き静かに降りしきる雪を見上げる人影もまばらな温泉町純白に埋もれた児童公園僕らの前を歩く放し飼いの柴犬ともだちになりたいと柴犬は振り返りふりかえり僕たちを見つめた雪が音を吸い取るから僕たちの足音も聞こえないつつましい教会十字架に降る雪神さまが拵えたこの世界で愛しい君と過ごす人生露天風呂湯けむりぼた雪が舞い降りてはとける湯の花の香りを胸いっぱいに吸い込めばとろけるように身体中の力が抜けた窓の外は白い渓谷君は瞳をゆらして初めての雪景色を見つめる僕は背中からそっと君を抱きしめるやさしく抱きしめる小説家になろう投稿作品https://ncode.syosetu.com/n9200ib/雪と湯の花と君と
2024/02/25 19:30