書家・かな767/山部赤人
<釈文>たごのうらにうちいでてみればしろたえのふじのたかねにゆきはふりつつ百人一首第4番=山部赤人=<意味>田子の浦に出て眺めやると、真っ白い富士の高峰にいまもしきりに雪が降り続いていることだ。という意味です。<観賞>都の奈良から、遠く静岡まで旅をしてきた赤人は、見晴らしのよい田子の浦に出てみました。すると、真っ白い雪を降らせた富士山が、それはそれは美しく見えたのでしょう。その景色の美しさに感動した赤人が思わず詠んだ和歌なのではないでしょうか。この和歌は、『万葉集』では「田子の浦ゆうちいでてみれば真白にぞふじの高嶺に雪は降りける」とあります。『万葉集』の方が力強くはっきりした感じですね。赤人は「すっごく真白だぞ。」と詠んだのかも知れませんが、百人一首の時代には、「白妙の」と優美な感じが好まれて、変化したのでしょ...書家・かな767/山部赤人
2019/10/31 21:35