回顧録8〜漫画家アシスタント〜
大学を卒業して一年くらい経った時の事である。 同居人のA君が漫画家アシスタントをしていたのだが、辞めると言う。 私は丁度、漫画修行がしたいと思っていたので、代わりにやらせて貰えないかとA君に頼んだ。 自分で描いた背景と、I can seeを送ると、とりあえず来て、と言う話になった。 初回は、黒ベタを塗ったり、トーンを貼ったりした。 周りのアシスタントは自分より圧倒的に絵が上手くて、自分はいつまで経ってもトーン貼りと買い出しと、ベタ塗りと、トーン削りくらいしかやらして貰えそうになかった。 先生はとにかく声が小さいし、指示を書いた文字も読み取りにくい。 聞き返すと機嫌が悪くなる気がする。 家がボロ…
2022/06/29 02:51