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悠々自適なアラフィフライフを楽しむ"よこみ"との何気ない日々を綴るブログ。

こんにちは!私たちは、アラフィフの"Tabibito"と、パートナーの"よこみ"です。充実した人生を送りながら、穏やかな時間を共に過ごしています。

旅人
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大阪市
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都島区
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2010/11/11

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  • 【追想】「声にならない会話」 ――旅人

    ときどき、思うんです。 人は、本当に“死ぬ”んだろうかって。 もちろん、身体は動かなくなって、息をしなくなる。 棺に入り、花に囲まれ、火に還る。 でも、それで終わるなら、なぜ人はこんなにも“残る”んだろう。 この仕事に就いたのは、正直なとこ

  • 【追想】短編スピンオフ

    「背中の仕事」 ――葬儀社社員・塩崎正吾(しおざき・しょうご) 葬儀というのは、喋らない仕事だ。 少なくとも俺にとっては、昔からそうだった。 口で取り繕うより、背中で見せる。 その方が、残された人には伝わると思っている。 旅人――あいつが入

  • 【追想】エピローグ 「それでも、人は手を伸ばす」

    東京の冬は、急に来る。 十一月の終わり、旅人は北島長一から一通の葉書を受け取った。 端正な筆跡で、ひとことだけ。 「無事、初七日も済みました。今、家の裏に畑を作り直しています。 大根の芽が出ました。春には、漬物にできそうです。 ありがと

  • 【追想】第五章 「そして、手を離す」

    朝の光が、ゆっくりと正蔵院の境内に射し込んでいた。 昨日の雨が、敷石にまだわずかに残り、光を弾いている。 旅人は、まだ誰もいない本堂に立ち、静かに一礼した。 空気は澄み、冷たい。だがその冷たさには、何か静謐な敬意のようなものが宿っている。

  • 【追想】第四章 「灯る夜、ほどける声」

    風が止んでいた。 夜の帳が降りた正蔵院に、提灯の光がひとつ、またひとつ灯ってゆく。 本堂の内陣では、白木の祭壇が柔らかな照明に照らされ、花々の輪郭が浮かんでいた。 百合、菊、リンドウ―― 弟が好んだという、控えめな色味の花たちが、静けさの中

  • 【追想】第三章 「名を刻む場所」

    それから旅人は、北島と並んで縁側に腰を下ろした。 畳の上に夕日が射し込み、二人の影が斜めに伸びる。 北島が静かに口を開いた。 「うちの檀那寺は“正蔵院”って言う。徒歩で十分ばかり。昔は村の祠みたいな扱いだったが、いまじゃ立派なもんだ」 旅人

  • 【追想】第二章 「声のない声」

    茶を注ぐ音が、かすかに響いた。 急須の口から細く落ちる湯が、湯呑に小さな波紋を描く。 北島長一は、盆の上に湯呑をふたつ載せ、足を引きずるようにして戻ってきた。 旅人の前に静かに差し出すと、自分も胡座をかき、ゆっくりと座る。 「……それで、ど

  • 【追想】旅人の秋

    秋の空は、高く、澄んでいた。 東京郊外、駅からゆるやかな坂を十五分ばかり上った先に、その家はあった。築百年の木造住宅。黒ずんだ瓦屋根に、苔むした石段。風に揺れるススキが、庭先でかすかに鳴った。 旅人は、門の前で一礼し、鳴りの悪いインターホン

  • 【追想】明治葬儀社 事務所

    1997年、東京のある町にひっそりと佇む葬儀社――明治葬儀社。建物は古びたビル、薄暗い通りにその存在を隠すように立っている。外観は決して新しくはないが、長年の風雪に耐えたその姿には、何かしらの誇りを感じさせる。入り口に足を踏み入れると、静か

  • 【追想】明治葬儀社 事務所

    1997年、東京のある町にひっそりと佇む葬儀社――明治葬儀社。建物は古びたビル、薄暗い通りにその存在を隠すように立っている。外観は決して新しくはないが、長年の風雪に耐えたその姿には、何かしらの誇りを感じさせる。入り口に足を踏み入れると、静か

  • 地蔵菩薩

    地蔵菩薩(じぞうぼさつ)は、仏教における菩薩の一尊であり、特に日本において広く信仰されています。 地蔵菩薩の概要 *   **梵名:** クシティガルバ (Ksitigarbha) *   **本地仏:** 釈迦如来また

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