悠々自適なアラフィフライフを楽しむ"よこみ"との何気ない日々を綴るブログ。
こんにちは!私たちは、アラフィフの"Tabibito"と、パートナーの"よこみ"です。充実した人生を送りながら、穏やかな時間を共に過ごしています。
2025年6月
ときどき、思うんです。 人は、本当に“死ぬ”んだろうかって。 もちろん、身体は動かなくなって、息をしなくなる。 棺に入り、花に囲まれ、火に還る。 でも、それで終わるなら、なぜ人はこんなにも“残る”んだろう。 この仕事に就いたのは、正直なとこ
「背中の仕事」 ――葬儀社社員・塩崎正吾(しおざき・しょうご) 葬儀というのは、喋らない仕事だ。 少なくとも俺にとっては、昔からそうだった。 口で取り繕うより、背中で見せる。 その方が、残された人には伝わると思っている。 旅人――あいつが入
東京の冬は、急に来る。 十一月の終わり、旅人は北島長一から一通の葉書を受け取った。 端正な筆跡で、ひとことだけ。 「無事、初七日も済みました。今、家の裏に畑を作り直しています。 大根の芽が出ました。春には、漬物にできそうです。 ありがと
朝の光が、ゆっくりと正蔵院の境内に射し込んでいた。 昨日の雨が、敷石にまだわずかに残り、光を弾いている。 旅人は、まだ誰もいない本堂に立ち、静かに一礼した。 空気は澄み、冷たい。だがその冷たさには、何か静謐な敬意のようなものが宿っている。
風が止んでいた。 夜の帳が降りた正蔵院に、提灯の光がひとつ、またひとつ灯ってゆく。 本堂の内陣では、白木の祭壇が柔らかな照明に照らされ、花々の輪郭が浮かんでいた。 百合、菊、リンドウ―― 弟が好んだという、控えめな色味の花たちが、静けさの中
それから旅人は、北島と並んで縁側に腰を下ろした。 畳の上に夕日が射し込み、二人の影が斜めに伸びる。 北島が静かに口を開いた。 「うちの檀那寺は“正蔵院”って言う。徒歩で十分ばかり。昔は村の祠みたいな扱いだったが、いまじゃ立派なもんだ」 旅人
茶を注ぐ音が、かすかに響いた。 急須の口から細く落ちる湯が、湯呑に小さな波紋を描く。 北島長一は、盆の上に湯呑をふたつ載せ、足を引きずるようにして戻ってきた。 旅人の前に静かに差し出すと、自分も胡座をかき、ゆっくりと座る。 「……それで、ど
秋の空は、高く、澄んでいた。 東京郊外、駅からゆるやかな坂を十五分ばかり上った先に、その家はあった。築百年の木造住宅。黒ずんだ瓦屋根に、苔むした石段。風に揺れるススキが、庭先でかすかに鳴った。 旅人は、門の前で一礼し、鳴りの悪いインターホン
1997年、東京のある町にひっそりと佇む葬儀社――明治葬儀社。建物は古びたビル、薄暗い通りにその存在を隠すように立っている。外観は決して新しくはないが、長年の風雪に耐えたその姿には、何かしらの誇りを感じさせる。入り口に足を踏み入れると、静か
1997年、東京のある町にひっそりと佇む葬儀社――明治葬儀社。建物は古びたビル、薄暗い通りにその存在を隠すように立っている。外観は決して新しくはないが、長年の風雪に耐えたその姿には、何かしらの誇りを感じさせる。入り口に足を踏み入れると、静か
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)は、仏教における菩薩の一尊であり、特に日本において広く信仰されています。 地蔵菩薩の概要 * **梵名:** クシティガルバ (Ksitigarbha) * **本地仏:** 釈迦如来また
2025年6月
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