心に残る詩人たち〈2〉
三好達治〈写真はウィキぺデイア〉より<太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。>三好達治の「雪」という題名の作品から取り上げた。教科書にも載っていたから思い出していただけたと思う。この詩を読むと、雪がしんしんと降り積もっている光景が目に浮かぶ。作者は二階の窓からでも見ているのだろうか。家々の三角形の屋根がいくつも並んで音もなく雪を受け止めている。いきなり<太郎を眠らせ・・>と入るところが作者の意表である。屋根の情景は後まわしにして、屋根の下ですやすやと眠る子供の様子を想像させる。太郎の屋根と次郎の屋根は、それぞれの家の子供の象徴ではないだろうか。詩が書かれた時代背景から、家督制度存在し、長男は特に大事にされていた。しかし三好達治は子供のころから病弱だった。そのため、親が...心に残る詩人たち〈2〉
2024/08/30 00:00