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アメリカ、バーモント州より。
俳句、短歌、その英訳と、毎日の生活や思い出をエッセイ風に、写真と共に紹介しています。どうぞよろしく。
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2010/09/24
2021年9月
4年待ち本物の愛示したる海の王子と和の国の姫
旅先の図書館で待つ非日常の中の日常旅のまた先
この森に飼い慣らされてきた私このままでいいずっとこのまま
火山灰吹き上げるごと茸達は胞子を飛ばし厨に生きる
浜辺にて貝を集めずにはおれぬ祖先はきっと採集民族
裏山のブラックベリーも食べつくし鹿は鳴かねど秋は悲しき
晩秋や港の街の静けさよ
秋澄めり父母は揃いて健やかに89と86に
今日もまた日本語教えレッスン代ゆえに夕餉は茸のパスタ
疫病のどこの空にも名月や
二年目の夏が過ぎゆき風立ちて湖畔の波に秋の夕暮れ
帰ろうか帰りたいけど帰れないバーモントにて考え中なり
隅々に巣作るものと分かち合う家を清める秋の光よ
日曜の森に集まる弦楽器耳をすませば木々の呟き
蜻蛉の羽に透けたる未来かな
コスモスの揺れる窓際再びの籠りの日々に秋の風吹く
笑顔だけ持って来るよう言われおり川辺の家の夜半のパーティー
ハーブたちみな花盛り白露かな
湖畔には鴎と鵞鳥群がりて人影のなき秋の夕暮れ
夏の果て水面に揺れる山々にチコリの青とアン王女の白
秋の野に続く畑の実りかな
行く夏やレイバーデーのバーベキュー
ありたけの秋の恵よラタトゥイユ
鬼灯や生徒一人が来る午後に
処暑の窓トランペットはどこの家
水晶のちりばめられた水に立ち一かきごとに山に分け入る
きっぱりと秋雨が届き新学期
孫のいる祖母の年過ぎ夕涼み
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