小田実 の 『ガ島』 を読む
べ平連の人としてしかあまり存じ上げなかった小田実の『ガ島』を読んだ。(中高の国語のじかんにはよく「みのる」ではない「まことだぞ」と先生が言ったものだった)329ページが細かい字でびっしり埋め尽くされて、縦横無尽、空前絶後、満身創痍、荒唐無稽・・・でも史実が基にあり、寄らば斬るぞ、実は大真面目な政治(にんげん)小説であった。ガ島とは日本軍が進出し、米軍に全滅せられた南洋の島、ガダルカナル島のことである。武器と食糧の補給を絶たれ米軍の機銃と爆撃に倒れ、ある者は餓死し、ある者はマラリアに倒れ、総員白骨と化したガダルカナル島である。ひょんなことからその「ガ島」にレジャーランドをつくる計画に巻き込まれ(自らもその気になって)、人の汗と豚の脂、鬱蒼たるジャングルの雨と湿気と泥にまみれながら、遺骨収集、慰霊塔建設、なん...小田実の『ガ島』を読む
2025/02/16 17:04