『だからあれほど言ったのに』 内田樹 著
内田樹氏の本。いつ読んでもそうだそうだと納得する。3点に絞って感想を述べたい。1.日本にある「人口減の今、都市集中で対処するしかない」という言説は、資本主義ゆえの帰結なんだという。本当は「一極集中」か「地方分散」か、対処策は二つあるのだけれど、資本主義は前者しか採用しないのだ、という。資本主義は、経済の成長を求め、効率的に生産性高く、拡大しようとする。とすれば、人口が減る局面では、人も物も資源を(都市に)集中させたほうがよい、となってしまうのだ。日本より人口減のスピードが速い韓国では、すでに人口の45、5%がソウル近郊に集中し、15ある釜山の大学のうち14の大学で定員割れが起きているという。内田氏は、都市一極集中を目指す、とはつまり「シンガポール化」を意味するのだ、という。シンガポールには地方はない。私た...『だからあれほど言ったのに』内田樹著
2024/07/13 21:26